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【コラム】“アレ”へのキーマンドラ1・森下翔太がつかみ取った開幕スタメン リハビリ期間もプラスの時間に…プロ野球

玉寄穂波
【コラム】“アレ”へのキーマンドラ1・森下翔太がつかみ取った開幕スタメン リハビリ期間もプラスの時間に…プロ野球(C)産経新聞社
【プロ野球 コラム】2023年の開幕戦で横浜DeNAベイスターズと対戦する阪神タイガース。報知新聞社・玉寄穂波に阪神の注目選手を挙げてもらった。
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阪神のドラフト1位ルーキー、森下翔太外野手(22)の、プロの舞台での勝負が始まる。オープン戦では17試合に出場し、打率3割1分4厘、8打点、3本塁打をマークし存在感をアピール。出塁率も3割9分7厘と圧倒的な成績を残した。開幕前日は「楽しみですね。今のところはリラックスした状態でいる。緊張感っていうのは自分はないかなと思います」と新人らしからぬ堂々と頼もしい姿を見せていた。 

背番号は19年まで16年間、鳥谷敬氏が背負った番号「1」を引き継いだ。”アレ(優勝)”へ向けたキーパーソンの一人となるであろうルーキー。開幕1軍スタメンにまでたどりつけたのは”ケガの功名”もあった。入団前の12月に右足の肉離れを起こし、1月からの新人合同自主トレからは別メニュー調整。キャンプも大事を取って2軍スタートからだった。

悔しい思いもあっただろうが気持ちを切り変えた。「いい意味で自分自身と向き合えた時間が長かった。今振り返ったら良かったと思う」と回顧する。練習に制限がかかるなか体の勉強に費やした。「体の事を知れたのが一番。自分の体の弱い部分を知れたので。ハム(ストリングス)をやったから、どこが硬くなっているかっていうのは明確に分かっている。足の柔軟性、ハム(ストリングス)の柔軟性っていうのはすごく大切だなっていうのは感じた」。

1軍合流後もケガをしないよう最善を尽くした。変えたのは「アップのためのアップ」。「今まではアップの前に何かするっていうのはほとんど無かった。周りの選手もアップの前にアップをしている。そういうところは見よう見まねから始めた。自分の(体の)硬いところを知りながら、ストレッチしていく形で今はやっている」と準備を欠かせない。こなしていく内に「疲れがでにくくなった。今までは力任せでやっていたんだっていうのは思った」と新しい自分を知り、自身の成長につなげることができた。

阪神にとって昨年の開幕は”悪夢”だった。4回までに8点を奪ったが、中継ぎ陣が崩れた。7点差を逆転され、敗れた。そこからセ・リーグワーストの開幕9連敗を喫した。今年こそスタートダッシュ成功といきたいところ。DeNAは昨年9勝16敗と大きく負け越した相手で、開幕投手左腕の石田に対しては4戦3敗と得意とされた。

森下はオープン戦で対左投手に対し打率4割1分7厘と打ち込んでいる。石田撃ちへ期待がかかる。「インコースをきっちり投げられるピッチャー。そこのボールは無理に手を出す必要は無いのかなと思っている。甘い球をしっかり狙っていきたい」と冷静に分析し、中大の先輩・牧に対しても「ずっとテレビで見ていて、(試合を)やりたいなと思っていた。自分が思っている以上に早く実現するっていうのはすごくうれしい」と胸を躍らせた。

岡田監督は開幕前日の合同会見で新助っ人のノイジーと共に期待をする選手として森下の名前を挙げた。「新戦力としてチームの戦力にならないといけない。今まで通り、どんどん振って。何が何でも(塁に)出たり、点を取れるような打席だったり内容にしたいと思っている」。最終的に目指す個人タイトルは新人王。「結果は後々ついてくることだと思う。目の前の試合でしっかり勝てるように頑張りたい」。ニューヒーローがチームを勢いづける。

文・玉寄穂波(スポーツ報知)
1993年11月12日生まれ。29歳。大阪府和泉市出身。2016年に報知新聞社に入社。巨人担当、遊軍を経て2023年から阪神担当。

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