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【インタビュー】昨季パ・リーグの覇権を争ったソフトバンクとオリックスが激突。ゴールデンウィーク注目の一戦は「個人技のホークス、組織力のオリックス」|プロ野球

【インタビュー】昨季パ・リーグの覇権を争ったソフトバンクとオリックスが激突。ゴールデンウィーク注目の一戦は「個人技のホークス、組織力のオリックス」|プロ野球(C)球団提供
【プロ野球 インタビュー】昨年の最終戦で涙を飲んだ福岡ソフトバンクホークスと王者のオリックス・バファローズが、5月2日からの3連戦で対戦する。試合の見どころについて、DAZNで解説をする飯田哲也氏に伺った。
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昨年のパ・リーグは稀に見る大混戦となった。最終戦、自力で優勝を決められる状況だった福岡ソフトバンクホークスだったが、まさかの敗戦。オリックス・バファローズと勝率で並ぶも、直接対決の成績によりオリックスが連覇した。

そんな因縁の2チームが、ゴールデンウィーク連戦、最初のカードで激突する。この注目の一戦についてDAZNで解説を務める飯田哲也氏に、見どころを伺った。

※インタビューは4月25日に実施

個人技のホークス、組織力のオリックス、勝負の行方は

──昨年のパ・リーグは稀に見る大激戦でした。最終戦でソフトバンクが敗れたことで、オリックスと勝率で並び、直接対決の成績によりオリックスが連覇を達成しました。

ホークスとしては本当に悔しいシーズンだったと思います。2試合残してどちらかで勝っていれば優勝できたわけですから。長い現役時代を考えても、あんな経験をすることはないと思います。それだけに、今シーズンはその悔しさを持って臨んでいると思うのですが、ここまではあまりその悔しさが見えないのが心配ですね。

──あっさりしているように見える?

まさにそこです。負けるにしてもあっさり負ける。負け始めるとあっさり負け続ける。しつこく食らいつく姿勢が見えない。もちろん選手はそんなつもりはないのですが、チームとして粘りがないですね。

元々細かな野球が得意なチームではありません。打てれば勝てるし、打てなければ負ける。チャンスは作るけど一本が出ないじゃなくて、1本が出なくても点を取る野球をしなきゃいけない。逆にオリックスは打てなくても、なんとかして勝とうとする姿勢が見えます。

──具体的にどのような部分でしょうか?

やはりオリックスは投手力がいい。援護点がなくても、黙々と投げるじゃないですか?とにかく最小失点で繋げて打線の奮起を待つ。野手もなんとか1点を取ろうともがく。なんとか塁に出る、なんとかランナーを進める、なんとか点を取る。そういう粘りが大事だと思います。

──その2チームが今季2度目の対戦を迎えますが、今回の見どころはどこになるでしょうか?

ホークスの場合は先発が6、7回まで投げられるかが鍵ですね。オリックスの方は少ないチャンスを投手陣で逃げ切るいつもの野球ができるかどうか。まだ前半戦ですが、各チームとの対戦が1周したことで、今年の野球の傾向がお互いに出ていると思います。そのデータを生かしつつ、今回の対戦ではどういう戦いをするのか。そこに注目してみると面白いと思います。

──今季初対戦ではソフトバンクが2勝1敗でした。

あの時期のホークスは2番の近藤健介、4番の栗原陵矢の調子がよかった。今は2人とも結果を残せていないですが、近藤なんかはそんなにスランプが長引くタイプの選手じゃない。そろそろ調子を上げてくるんじゃないかなと思います。

少し心配なのは、初球から手を出している点。どちらかといえばしっかりとボールを見るタイプの選手ですが、今は追い込まれたくないという思いからか初球に手を出している。調子がいい時はなかなか振らずに、「これだ」という球を一撃で仕留めます。それが戻ってくると、いよいよ完全復活かなという感じですね。柳田にもあたりが出てきたので、その前後を打つ近藤と背後を任される栗原に期待しています。

──オリックス打線のキーマンは誰になるでしょう?

ラオウ(杉本裕太郎)でしょうね。彼が打つとチームに勢いが出る。今年は調子がいいだけに、こういう大事な試合でも打てるようだと、いよいよ今年は手がつけられなくなるでしょう。あとは宗佑磨や中川圭太のバッティングにも期待です。個人的には宗の活躍が楽しみですね。ホークス戦ではよく打っている印象があるので、彼が起爆剤となれるかも1つのポイントです。

──杉本選手は今年のソフトバンク戦で4割超えの打率です。この試合のキーマンになりそうですね。

オリックス打線と対戦する際に「杉本をマークする」ことはそんなになかったと思います。相手チームは先頭を出さないことを意識した投球をするはず。しかし今の杉本はマークしないといけない選手だと思います。マークが厳しくなっても打てるかどうかが鍵ですね。

──対するソフトバンクのマークすべき選手は柳田選手?

ホークスにはたくさんいます。柳田もそうですし、近藤も栗原も。なので、オリックスの場合は「対チーム」でマークする。ホークスの場合は「対個人」でマークする。それこそサッカーだと日本対ブラジルのような感じですよね。僕の中では個人技のホークス、組織力のオリックスというイメージがある。なので、個人の能力が高いホークスが噛み合い出したら強いと思いますよ。それをオリックス投手陣が目覚めさせないような投球ができるか。見どころの多い試合になりそうですね。

インタビュー= 川嶋正隆

1986年5月9日生まれ、福岡県福岡市出身。大学卒業後に携帯サイト『超ワールドサッカー』でライター兼編集者として勤務。2018年からフリーライターとしての活動を開始し、2020年からは念願かなってDAZN NEWSでプロ野球を担当している。

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