DeNAの関根大気外野手(27)が最強の2番打者としてその存在感を増している。10年目の今季は開幕スタメンを勝ち取ると、下位打線でアピールを続けた。4月25日のヤクルト戦(横浜スタジアム)では球団としては2014年5月5日に梶谷が記録して以来のランニングホームランをマーク。4月27日のヤクルト戦(横浜スタジアム)ではプロ初のサヨナラ安打を放って、昨年の覇者相手に大暴れしてカード3連勝をもたらした。
外野は3ポジションどこでもこなしながら、関根は開幕以来「6番」で出場を続けていた。5月16日広島戦(横浜スタジアム)でチームが6連敗を喫した。苦しい局面を打開するために、キープレーヤーに抜てきされたのが、そこまで34試合に出場して打率3割4分2厘と好調を維持していた関根だった。
5月17日広島戦(横浜スタジアム)から「2番」に起用されると奮起した。1点ビハインドの初回に中前安打で出塁すると、牧の逆転2ランでホームを踏んで、連敗を6で止める久々の勝利に貢献した。
5月18日の同カードでも勢いは止まらなかった。初回に左前安打、2回には右前安打、6回の第4、5打席は一塁内野安打と、中前安打で1イニング2安打。8回には二塁打で、自身初の1試合5安打と大当たりで勝利を後押しした。
2番という打順について関根は「試合で回ってくる1打席目が早いかなというくらいです」と平常心を強調したが打率は上昇カーブを描いた。交流戦前最後の試合となった5月28日中日戦(バンテリンドーム)を終えて打率3割5分2厘と2番起用に応えて見せた。
「6番でやっていた時と変わらずに、関根の良いところが出ている。2番になったからと言ってスタイルを変える必要はない。いい仕事してくれている。関根のいいところが結果に結びついている」と三浦監督も称賛しながら「キャンプ、オープン戦のときからしっかりと積み上げてきた成果というものが出ている」と目を細めた。
チームを鼓舞(こぶ)する役目も担っている。5月20日のヤクルト戦(横浜スタジアム)。負けられない戦いで、6回に牧秀悟がヤクルト2番手の木澤から左肘に死球を受けた。7回に佐野恵太が石山から右ひざに148キロ直球を当てられて倒れこみ、その後に宮崎敏が小沢から背中にぶつけられた。ヤクルト3投手から、DeNA主力3選手への死球に関根は黙っていられなかった。タイムリーを放って二塁にいた関根は、マウンド付近に詰め寄って”猛抗議”。選手、コーチ、スタッフらが集まって、もみ合いに発展した。
「味方が当てられて何も言わないで、相手が投げやすい環境を作ることがあり得ないと。やっぱり言うべきだと思った。ケガにもつながる。ちゃんと言葉を伝えてからやりたかった。それがチームメートへの愛だと思うし、思いやりだと思った」と抗議の理由を話す熱いところも見せたが、それでも「向こう(相手)は丁寧な対応だった」とヤクルトに対しての配慮も忘れなかった。乱闘にはならなかったが、一触即発の警告試合において、先制打を放ったのも、決勝打を放ってケリをつけたのも関根だった。
交流戦に突入して5月31日の楽天戦(楽天モバイルパーク宮城)で連続試合安打こそ14で止まったものの、スタメン出場して、チームをけん引し続けている。好調維持の秘訣は気持ちの切り替えだと強調する。
「失敗して落ち込むことは、今はないですね。失敗は次のミスを減らしてくれる材料になるものなので。1試合5安打の時もそうでしたけど、今の打席のことを反省して、次の打席、次の打席と反省できたからこそだったと思っている」と冷静に振り返った。
過去9年間で通算3本塁打だったが、今季すでに3本塁打をマークし、好打率もキープしている。「引きずらず次の打席に入って、何とか次、次ということを積み重ねての結果だと思います。一日一善というか、何とか切り替えてやっていっている。準備する中で、反省して、次の打席までに自分のやるべきことを整理する」と好循環のルーティンを明かしながら笑みを浮かべた。
コツコツとやるべきことをやり、言うべきことを言う。プロ10年目の27歳が、25年ぶりに優勝を目指すチームに欠かせないピースとなっている。
文・宮田和紀(スポーツ報知)
1976年10月5日生まれ。46歳。大阪府出身。1999年に報知新聞社に入社。2022年からDeNA担当。
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