新型コロナウイルスの感染拡大を受けて開幕の目処が立たないMLBで、とある驚きのプランが画策されているようだ。スポーツ専門局『ESPN』の記者であるティム・カークジャン氏が、日本時間11日に同局テレビ番組「スポーツセンター」に出演。MLB側が日本での公式戦開催を考えていることを明かした。
「2週間前に、ある人(MLBの関係者)が電話してきて、『我々は日本でプレーすることになるかもしれない。日本のスタジアムで、日本のリーグは夜に、メジャーリーグは日中にプレーする。そうやってシーズンを開幕させる』と言っていた」
カークジャン氏は「私はこんなことレポートできないよ。本当に馬鹿げた話だから」としながらも「よく考えたら、我々が今季プレーしたいならば、驚くようなプランでやるしかないとも思った。今シーズンは言葉にならないほどの異常なシーズンになることを受け入れないといけない」と、日本開催は否定しつつも、今までとは違ったアプローチをしなければ開幕できる状況ではないとの見方を示している。
リーグ戦の複数試合を異国の地で行うことは難しいかもしれない。しかし、これまでにMLBのチームが日本で開幕戦を行った実績はある。特に日本人選手を抱える球団が行った日本での試合は、凱旋試合として大いに盛り上がりを見せた。そこで、過去のMLB公式戦が日本で行われた試合を紹介していく。
初めての試合は2000年
MLBが初めて日本にやってきたのは2000年のこと。シカゴ・カブスとニューヨーク・メッツの開幕シリーズが東京ドームで行われた。MLBとしては、1996年、1999年のメキシコ開催に続き、海外公式戦は2度目のことだった。
当時の両チームには残念ながら日本人選手はいなかったが、カブスには世界的な強打者であるサミー・ソーサー外野手。メッツには、ロサンゼルス・ドジャース時代に野茂英雄投手とバッテリーを組んだマイク・ピアッザ捕手が出場していた。さらにメッツの指揮官は、千葉ロッテマリーンズも率いた名将のボビー・バレンタイン監督が務めていた。
2003年は中止に
2003年にはシアトル・マリナーズが日本で開幕戦を行うと発表していた。しかし同年のイラク戦争の影響で、来日はキャンセルに。当時のマリナーズはイチロー外野手、佐々木主浩投手、長谷川滋利投手の3名が在籍するなど、日本人メジャーリーガーで初となる凱旋試合になる予定だった。
松井秀喜が凱旋本塁打
2004年にはニューヨーク・ヤンキースとタンパベイ・デビルレイズの開幕シリーズが行われた。ヤンキースには加入2年目の松井秀喜外野手が在籍。「2番・左翼」で2試合ともに出場すると、2戦目では慣れ親しんだ東京ドームで、シーズン第1号の本塁打を放った。
松坂大輔&岡島秀樹が凱旋登板
少し間が空いて2008年には、ボストン・レッドソックスとオークランド・アスレチックスが来日し開幕シリーズを戦った。当時のレッドソックスには、松坂大輔と岡島秀樹が在籍。さらに松坂は、日本人投手として野茂英雄以来2人目となる開幕投手を、日本の地で務めることとなった。
しかし松坂は5回を投げて2失点と勝敗付かずでマウンドを降りる。すると4-4で迎えた9回に岡島が登場。無失点で切り抜けると、チームが10回に勝ち越したことで岡島に白星が転がり込んできた。
イチローついに凱旋
2012年にはマリナーズとアスレチックスの開幕シリーズが行われた。メジャー移籍12年目にして、イチローが初めて迎えた凱旋試合。開幕戦では4安打で存在感を放ち、日本のファンを熱狂させた。しかし、イチローは同年7月に電撃トレードでヤンキースへと移籍している。
イチロー2度目の凱旋、そして…
2019年、マリナーズとアスレティックスが開幕シリーズで来日。ヤンキースへ電撃トレードの後、マイアミ・マーリンズを経てマリナーズに復帰していたイチローと、メジャー1年目の菊池雄星投手が凱旋試合に臨んだ。
2試合とも「9番・右翼」でスタメン出場を果たしたが2試合ともに途中交代。ベンチへと下がるイチローにスタンドからスタンディングオベーションが送られた。特に2試合目のベンチ前では、先発した菊池と抱き合う場面が映像で映し出されるなど、印象的な場面となった。2戦目終了後に引退を発表している。
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