スポーツ界をビジネス面から探り、各チームや各団体がどのような活動を行なっているのかを深掘りする新コンテンツ『FRONTIER OF SPORTS(フロンティア・オブ・スポーツ)』。第4回では「マルチクラブ・オーナーシップ(MCO)」特集の第3弾として、実際にヨーロッパでMCO戦略を実践するACAフットボール・パートナーズの小野寛幸氏をゲストにヨーロッパでの戦いに迫った。
今回はテーマとして「アジアとヨーロッパを繋ぐMCO戦略」と題し、ネットワークを武器に次々に展開する仕掛けの狙いや2024年春始動の壮大なラボ計画について詳しく話を聞いた。
「アジアの埋もれた原石を探し出せ」、「MCO本格化!フットボールの本場イングランドへ」、「新プロジェクト構想『ACAFP LAB』とは」の3つの中で、注目したのは「アジアの埋もれた原石を探し出せ」の話題。ビジネスを成り立たせるためには選手獲得や育成にお金がかかる中で、主な収入源以外にも何かしらでお金を稼ぐ必要がある。そこで見据えたのがアジア戦略だ。プレミアリーグ発展の鍵となった「ローカル」と「グローバル」をヒントにACAFPのMCOグループ内で模索し、出場枠が拡大される2026年のW杯に向けアジアのポテンシャルに目を向けているとのこと。東南アジアの競技レベル向上とビジネス面での向上に目をつけているようだ。
現在、ベルギーリーグ2部のKMSKデインズに所属するインドネシア代表の若きスターであるマルセリーノ・フェルディナは、今回のアジア戦略の一環で夢への一歩を踏み出した。そんなマルセリーノは「最初は移籍にあまり乗り気ではなかったけど、成長するための計画を聞いた時は素晴らしい決断だと思った」と語り、クラブのプロジェクトが移籍の要因となったと主張。その他にもシンガポール代表のイルハン・ファンディも加わり、東南アジアの至宝を二人も在籍させることに成功している。
強化部トップのアドアリアン・エスパラガ氏はクラブの強化のためにアジア戦略は重要だと明かした。
「私たちは今、J1・J2にフォーカスしていますが、他のアジアの国々にも注目しています。例えば韓国やインドネシア、シンガポール、タイなどです。アジア全体が非常に重要であり、新興市場でもあります。まだ多くのヨーロッパクラブが参入していないので、私たちはそのアドバンテージを狙っているのです」
二人はデインズに来てからフィジカル面が大きく成長。確かな進化を続けている。また、彼らが加わったことでピッチ外でも効果が。国を代表する選手が加入したことで街を訪れる人々が増え、SNSでもフォロワーが増えるなど、明らかな変化も生まれている。
さらなる東南アジアの市場開拓も見据える中、ライジングスタープロジェクトなど様々な施策を行う予定とのこと。今後どんなふうに変化していくか注目だ。
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