シーズン中にマウリツィオ・サッリ監督が成績不振により電撃辞任したほか、後任となったイゴル・トゥドル指揮下の中心選手のMF鎌田大地が交渉の決裂により今シーズン限りで退団となったラツィオ。クロアチア人指揮官もクラブとの補強方針を巡る意見の食い違いにより辞任を決断し、不動の10番ルイス・アルベルトもカタール移籍が決まった。
来シーズンからは、元ヴェローナ指揮官のマルコ・バローニが指揮を執ることが発表されているが、昨シーズンのセリエA準優勝から順位を7位へと大きく下げたラツィオを巡り、約1万人のファンが14日、ローマ市内でクラウディオ・ロティート会長に対する抗議デモを行うなど、混迷の時にある。
そんな中、ラツィオの首脳陣は、鎌田やフェリピ・アンデルソンら主力が抜け、クオリティを失ったチームの補強を進めている。中でもUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)で対戦した上田綺世を擁するフェイエノールトの10番ケルヴィン・ステングスの獲得を最優先し、ルイス・アルベルトの後継者としてバローニにプレゼントしたい考えだ。イタリア紙『Corriere dello Sport』が17日、伝えている。
ラツィオのロティート会長とアンジェロ・マリアーノ・ファビアーニSD(スポーツディレクター)は、半年以上にわたって25歳のフェイエノールトMFの動向を追ってきたが、今週中にも選手の代理人およびオランダのクラブとの間で獲得へ向けた会談に臨む見込みとなっていて、イタリア紙は、この話し合いが決定的となり得るとの見方を示している。
ステングスを巡っては、ここ数日間にわたって連絡が頻繁に行われる中で、双方が歩み寄りを見せており、移籍金1200万ユーロ(約20億円)前後+ボーナスの条件で合意に至る可能性があるとみられている。
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さらに同紙は、ステングスがトップ下やウィングのほか、必要に応じて攻撃的なインサイドハーフとしてもプレーできるため、そのユーティリティー性は、バローニのような変幻自在な指揮官にとって「過小評価するべきではない要素」と指摘している。
またラツィオは、フェイエノールトMFとは異なる特徴を持つハタイスポルの23歳のナイジェリア代表MFデレ・バシルにも熱視線を送る。テクニックではステングスに劣るが、フィジカルに優れたMFで、移籍金は600万ユーロ(約10億円)程度とされる。ラツィオは、トゥドル体制下から獲得を検討していて、交渉は“スタンバイ”状態となっているが、いつでも開始される可能性があるとみられている。
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