22年ぶり2度目か初優勝か
アメリカンフットボールの米プロリーグ、NFLの2021年シーズンの王者を決める第56回スーパーボウルが、2月13日、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のSoFiスタジアムで開催される。
頂上決戦を戦うのは、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)を制したロサンゼルス・ラムズと、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)を勝ち上がったシンシナティ・ベンガルズだ。
3年ぶり5度目の出場のラムズは22年ぶり2度目の優勝を、33年ぶり3度目の出場のベンガルズは初優勝を狙う。
ラムズの注目はスタッフォードとカップ
前回王者タンパベイ・バッカニアーズに続いて、ラムズはホームスタジアムでのスーパーボウルに駒を進めた。これは史上2チーム目の快挙だ。NFLのフランチャイズが開催を立候補し、オーナー投票によってその年の会場が決まるスーパーボウルは、昨年のバッカニアーズまでホームチームの優勝はもちろん、出場もなかった。
本拠地でのスーパーボウル優勝を唯一絶対の目標に、ここまで突き進んできたのがラムズだ。オフのトレードで強肩QBのマシュー・スタッフォードをデトロイト・ライオンズから迎えると、シーズン途中にもWRオデル・ベッカム・ジュニア、OLBヴォン・ミラーというリーグを代表するスーパースターを補強して攻守ともに充実の戦力を整えた。
勝利を託されたスタッフォードも期待に応えた。ショーン・マクベイHCの戦術をよく理解し、リーグ3位の4886ヤードをパスで獲得し、同2位の41TDをマーク。チームを12勝5敗の地区優勝に導くと、昨季まではライオンズで毎年のように下位に沈み、経験不足が懸念されたプレーオフでも、366ヤードに2TDを決めてQBトム・ブレイディ率いる王者バッカニアーズを敵地で下すなど安定したパフォーマンスで勝利を重ねた。ちなみに、ブレイディはその後引退を表明し、このラムズ戦が現役ラストゲームとなった。
もうひとりの立役者が、WRクーパー・カップだ。スタッフォードとのコンビネーションを磨き上げ、145回のレシーブ(パス捕球)で1947ヤード、16TDと圧倒的な数字を残してタイトル3冠に輝き、プレーオフに入ってからもバッカニアーズ戦で9回183ヤードに1TD、NFC決勝のサンフランシスコ・49ers戦では11回142ヤードに2TDと決定的な活躍を続けた。
スタッフォードとカップの“ホットライン”がラムズの命運を握っているのは間違いない。
ベンガルズはバロウ&チェイスがカギ
対するベンガルズは、大番狂わせで勝ち上がってきたシンデレラチームだ。ザック・テイラーHCが就任してからの過去2年間も2勝14敗、4勝12敗と大きく負け越しての連続地区最下位で、今季も苦戦が予想されていた。
それがシーズン終盤に勢いに乗り、第15〜17週の3連勝で6シーズンぶりの地区優勝を果たすと、プレーオフでは第1シードのテネシー・タイタンズ、AFC2連覇中のカンザスシティ・チーフスと強敵をなぎ倒した。タイタンズ戦は10点のリードを追いつかれながら、試合終了と同時にフィールドゴールを決めて振り切り、AFC決勝のチーフス戦は最大18点のビハインドを跳ね返し、延長戦で勝利を決めた。
快進撃の原動力が2年目のQBジョー・バロウだ。ドラフト全体1位で入団した昨季はヒザ靭帯を断裂してシーズン後半を棒に振るという試練を味わったが、今季は完全復活して急成長。逆境に折れないパーソナリティを発揮し、勝負どころでパスを通し、文字通りチームを勝利へと導いた。
バロウを支える心強い相棒が、ルイジアナ州大時代もコンビを組んだWRジャマー・チェイスだ。今季のドラフト1巡指名で加入したチェイスは、スピードとパワーを存分に見せつけ、球団記録を塗り替える1455ヤードと爆発して大きな違いを作り出した。
栄冠はどちらの手に?
この「バロウ&チェイス」と「スタッフォード&カップ」のホットライン対決は、勝敗を分ける重要なポイントとなるだろう。
バロウ&チェイスに対峙するラムズの守備陣は、スーパースターを揃えた強力ユニットだ。最優秀守備選手賞を3度受賞しているDTアーロン・ドナルドと、デンバー・ブロンコス時代に第50回スーパーボウルに出場して優勝し、MVPを獲得しているミラーは、ともに支配的な力を持ち、CBジェイレン・ラムジーはクイックネスとスピードでマッチアップする相手を封じ込める稀有なタレントだ。
スタッフォード&カップに挑むベンガルズの守備陣は、ドナルドやミラー級のビッグネームこそいないが、チーフスのスーパーQBパトリック・マホームズを止めたように、よく訓練され、組織として力を発揮する。マホームズに計4サックを浴びせ、2インターセプトを奪ったAFC決勝での強力なパフォーマンスは決してフロックではない。
ラムズのマクベイHCは天才的な戦術・戦略家で、そのマクベイの薫陶を受けて独り立ちしたのがベンガルズのテイラーHCだ。師弟対決となるHCの頭脳戦にも注目だ。
NFL ポストシーズン 2021 スーパーボウル | 日程・配信予定
日時 (日本時間) | 対戦カード | 配信・放送予定 |
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2月14日(月) 8:30 | ベンガルズ vs ラムズ | DAZN |
その他コンテンツ
NFL Road To The Super Bowl 2021/22(配信中・2月11日(金)より日本語字幕配信開始)
接戦に次ぐ接戦で大いに盛り上がった今シーズンのNFLプレーオフ。ピンマイクで拾った選手やヘッドコーチの生の声をつなぎ合わせ、第56回スーパーボウルまでの道のりを振り返る。勝敗を分ける大事なプレーを前に、選手は何を話しているのか?劇的なシーンや華麗なプレーが満載!これを見れば、スーパーボウルがもっと楽しくなること間違いなし!
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