戦いの舞台はスペインからポルトガルへ
先週からスペインとポルトガルでイベリア半島3連戦に突入しているヨーロピアンツアー。今週は第2戦のポルトガルマスターズ（9月10日～9月13日、ポルトガル／ドムペドロビクトリアゴルフコース）が開催されている。
この大会は2007年から毎年、同一コースが舞台となっている。開催時期は2016年まで10月中旬だったが、2017年と2018年は9月下旬に時期を移した。2019年は10月開催に戻ったが、2020年は新型コロナウイルス対策で選手たちの移動を極力少なくするため、再び9月開催となっている。
前年覇者はイングランドのスティーブン・ブラウン。最終日に5アンダー66（パー71）をマークし、通算17アンダーでヨーロピアンツアー初優勝を挙げた。当時、日本人選手は宮里優作と谷原秀人の2人が出場したが、宮里は通算イーブンパーで予選落ち。谷原は大会2日目に失格となった。
ドムペドロビクトリアゴルフコースはバーディ合戦が繰り広げられることで知られている。2018年の優勝スコアは通算22アンダー。2017年の優勝スコアは通算20アンダー。2016年の優勝スコアは通算23アンダー。2018年の大会2日目にはイングランドのオリバー・フィッシャーがヨーロピアンツアーで初めて「59」という最少スコアをマークしている。
先週のアンダルシア・バルデラママスターズ（9月3日～9月6日、スペイン／レアル・クラブ・バルデラマ）は、優勝スコアが通算2オーバーと究極の我慢比べだったので、選手たちはまったく違った戦い方を要求されることになるだろう。
川村昌弘にヨーロピアンツアー初優勝のチャンス到来！
そのアンダルシア・バルデラママスターズで通算7オーバー8位タイと、今季初のトップテンフィニッシュを果たした川村昌弘が、今週も好調なゴルフを展開している。
大会初日に6バーディ、2ボギーの4アンダー67をマークし、首位と6打差の9位タイと好発進。2日目は1バーディ、1ボギーのイーブンパー71とスコアを伸ばせず、首位と10打差の通算4アンダー26位タイと後退したが、4試合連続で決勝ラウンド進出を果たした。
すると、3日目に8バーディ、2ボギーの6アンダー65のビッグスコアをマーク。リーダーボードを一気に駆け上がり、首位と1打差の通算10アンダー2位タイで最終日を迎えることになった。
通算11アンダーで単独首位に立ったのは、南アフリカ出身の34歳、世界ランキング147位のジョージ・クッツェー。川村はクッツェーと2人で、最終日最終組でプレーする。最終ラウンドのスタート時間は、9月13日（日）の現地時間13時40分（日本時間21時40分）だ。
3日目終了時点で首位のスコアが通算11アンダーということは、今年の優勝スコアは通算20アンダーには届かず、15アンダーから17アンダー前後の攻防になるはず。
（川村の独特なスイングには、ヨーロピアンツアーの公式アカウントも注目している）
川村と同じく首位と1打差の通算10アンダー2位タイにつけているのは、フランス出身の35歳、世界ランキング667位のジュリアン・ガーリア。首位と2打差の通算9アンダー4位タイに、スウェーデン出身の36歳、世界ランキング388位のニクラス・レムケと、イングランド出身の30歳、世界ランキング374位のローリー・キャンターの2人が並んでいる。
首位と3打差の通算8アンダー6位タイに3人、首位と4打差の通算7アンダー9位タイにも3人が続いているが、世界ランキング100位以内の選手は1人もいない。日本出身の27歳、世界ランキング243位の川村にとっては千載一遇のチャンス到来だ。
バーディ合戦を制してヨーロピアンツアー初優勝を手にすることができるか、楽しみだ。
文・保井友秀
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーランスとして活動を始める。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで連載記事を執筆している。
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| 日時 | 大会 |
|---|---|
| 9月13日 21:30 | ポルトガルマスターズ：ラウンド4 |
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