松山英樹が待望のメジャータイトルを手にして第121回全米オープンゴルフ選手権に乗り込む。
全米オープンは1895年に創設されたアメリカで最も権威のある大会だ。全米屈指の名門コースで毎年開催されており、2021年の戦いの舞台はカリフォルニア州のトーリーパインズゴルフコース・サウスコース。同コースでの全米オープンの開催は2008年以来13年ぶり2度目となる。
その2008年大会は、タイガー・ウッズ(アメリカ)が最終ホールで劇的なバーディを奪って翌日18ホールのプレーオフに持ち込み、プレーオフでも決着がつかず、サドンデス1ホール目となる通算91ホール目で勝利を決めるという伝説的な試合となった。
ただし、ウッズはケガのため今大会は欠場。また、翌日18ホールのプレーオフ方式は2017年で終了となり、2018年からは当日2ホールのストロークプレー方式に変更となっている。2ホールで決着がつかなければサドンデス方式となる。
前年覇者デシャンボーは松山英樹と同組に
前年覇者は若手注目選手の筆頭だったブライソン・デシャンボー(アメリカ)。例年は6月に開催される全米オープンが新型コロナウイルス感染拡大の影響で9月に延期となったところ、コロナ禍で肉体改造に着手してドライバーの飛距離を大幅に伸ばし、後続に6打差をつける圧倒的な強さで待望のメジャー初勝利を手にした。
松山は首位と4打差の通算イーブンパー7位タイで決勝ラウンドに進出し、3日目終了時点でも首位と5打差の4位タイと優勝が狙える位置につけていたが、最終日に8オーバー78とスコアを崩し、通算8オーバー17位タイに終わっていた。
昨年は優勝争いに加われなかったものの、松山は今回が9年連続9回目の出場。初出場の2013年大会で10位タイに入ったのを皮切りに、2017年には優勝したブルックス・ケプカ(アメリカ)に次ぐ2位タイでフィニッシュしたこともあり、大会との相性は決して悪くない。マスターズに次いでメジャー2勝目を手にすることも十分に期待できる。
予選ラウンドのティタイムは、初日が6月17日(木)13時14分(日本時間18日5時14分)に1番ホールから。2日目が6月18日(金)7時29分(日本時間23時29分)に10番ホールからスタートする。そしてペアリングは、前年覇者のデシャンボーと、2020年全米アマチュアゴルフ選手権覇者で2021年マスターズ出場後にプロ転向したタイラー・ストラファシ(アメリカ)と同組になった。
石川遼、浅地洋佑、星野陸也も大舞台に参戦
日本のエースが松山であることは間違いないが、他にも3人の日本人選手が全米オープンに出場する。
5月24日にザ・ロイヤルゴルフクラブ(茨城県)で開催された日本予選会で出場権を獲得したのが石川遼と浅地洋佑。石川は36ホールを10アンダー、浅地は8アンダーで回り、本選出場を決めた。石川は2年連続6回目の出場。浅地は初出場となる。
そして、星野陸也は6月7日にローリングヒルズカントリークラブ(カリフォルニア州)で開催された予選会で36ホールを8アンダーで回り、出場権を獲得した。5月第3週開催の全米プロゴルフ選手権出場のため渡米し、予選落ちを喫したもののアメリカに残って調整を続けた甲斐があり、2018年以来となる2回目の出場を果たす。
石川は松山と同学年の29歳。2012年からPGAツアーに本格参戦し、2017年まで主戦場として戦った経験があり、松山の次に国際経験が豊富だ。4大メジャー大会すべてに出場経験があり、松山がローアマチュアを獲得した2011年マスターズでは松山よりも上位の20位タイに入ったこともある。
近年はケガによる成績低迷などもありメジャーの舞台から足が遠のいていたが、昨年の全米オープンでは予選を突破した。決勝ラウンドでは残念ながらスコアを落とし、通算18オーバー51位タイに終わったが、今年はリベンジを果たしたいところだ。予選ラウンドのティタイムは、初日が6月17日(木)8時13分(日本時間18日0時13分)に10番ホールから。2日目が6月18日(金)13時58分(日本時間19日5時58分)に1番ホールからスタートとなった。
28歳の浅地は、身長169センチと小柄だが正確なショットが持ち味で、2019年に日本ツアーで2勝を挙げている。なお、石川は杉並学院高校の先輩でもある。予選ラウンドのティタイムは、初日が6月17日(木)6時56分(日本時間22時56分)に10番ホールから、そして2日目は6月18日(金)12時41分(日本時間19日4時41分)に1番ホールからスタートとなっている。
そして、星野は3人のうち25歳と一番若い。茨城県出身で、ゴルフの名門・水城高校から日本大学に進学したが、2016年に中退してツアーの予選会に挑戦し、プロ転向を果たした。身長186センチの長身を生かした豪快なドライバーショットを武器に日本ツアー5勝を挙げている。予選ラウンドのティタイムは、初日が6月17日(木)14時9分(日本時間18日6時9分)に10番ホールから。2日目が6月18日(金)8時24分(日本時間19日0時24分)に1番ホールからスタートとなった。
文・保井友秀
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーランスとして活動を始める。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで連載記事を執筆している。
全米オープンゴルフ選手権|放送・配信・中継予定
DAZN配信概要
日時 | 配信内容 | 解説・実況 |
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2021年6月18日(金) 3:00~ | 予選ラウンド:初日 セッション1 | 実:藤田崇寛 |
2021年6月18日(金) 8:00~ | 予選ラウンド:初日 セッション2 | 解:時松隆光 実:河村太朗 |
2021年6月19日(土) 3:00~ | 予選ラウンド:2日目 セッション1 | 3:00~ 実:藤田崇寛 5.00~ 実:笹川裕昭 |
2021年6月19日(土) 7:00~ | 予選ラウンド:2日目 セッション2 | 解:時松隆光 実:河村太朗 |
2021年6月20日(日) 2:00~ | 決勝ラウンド:初日 セッション1 | 2:00~ 実:藤田崇寛 4.00~ 解:タケ小山 実:河村太朗 |
2021年6月20日(日) 7:00~ | 決勝ラウンド:初日 セッション2 | 解:時松隆光 実:笹川裕昭 |
2021年6月21日(月) 1:00~ | 決勝ラウンド:2日目 セッション1 | 1:00~ 実:藤田崇寛 3.00~ 解:タケ小山 実:笹川裕昭 |
2021年6月21日(月) 6:00~ | 決勝ラウンド:2日目 セッション2 | 解:時松隆光 実:河村太朗 |
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