【プレビュー】ヨーロピアンツアー屈指の歴史を誇る「ロレックスシリーズ」第3戦が開幕。川村昌弘も参戦 | BMW・PGA選手権

1955年創設の全英プロゴルフ選手権を前身とする名門大会

ヨーロピアンツアーは今週、高額賞金の「ロレックスシリーズ」第3戦BMW・PGA選手権（10月8日～10月11日、イングランド／ウェントワースゴルフクラブ）が開催される。賞金総額は700万ドル（約7億4200万円）だ。

「ロレックスシリーズ」とは、ヨーロピアンツアーの中で最も格式の高いトーナメントで構成されている。今季は新型コロナウイルス感染拡大の影響で「ロレックスシリーズ」も大幅なスケジュール変更を余儀なくされたが、1月のアブダビHSBC選手権が第1戦、先週のASIスコットランドオープンが第2戦、今週のBMW・PGA選手権が第3戦、12月のDPワールドツアー選手権ドバイが第4戦と、4試合がラインナップされている。

10月に「ロレックスシリーズ」の試合が2週連続で開催されることになったのは、7月開催予定だったASIスコットランドオープンと9月開催予定だったBMW・PGA選手権がいずれも延期になったからである。

これらの試合の中でも、BMW・PGA選手権はツアー屈指の歴史を誇る。1955年に創設された全英プロゴルフ選手権を前身としており、1984年以降はヨーロピアンツアーの総本山であるウェントワースゴルフクラブで毎年開催されている。

元々は5月に開催されていたが、PGAツアー（米国男子ツアー）の全米プロゴルフ選手権が8月開催から5月開催にスケジュール変更したことにともない、2019年から9月開催となった。今年も9月開催を予定していたが、前述のとおり延期のため10月開催になっている。

開催時期は変更されたが、出場選手は豪華な顔ぶれが揃っている。出場選手の中で世界ランキング最上位は9位のパトリック・リード（米国）。リードはPGAツアーを主戦場にしているが、2月のWGCメキシコ選手権に勝利したことでヨーロピアンツアーのポイントも加算された。8月の全米プロゴルフ選手権と9月の全米オープンでも13位タイでポイントを上乗せしたので、レース・トゥ・ドバイのポイントランキングでトップに立っている。昨年もこの大会に出場し、通算15アンダー4位タイでフィニッシュしており、上位に入れば年間王者獲得に向けて勢いがつきそうだ。

これに続くのが世界ランキング14位のトミー・フリートウッド（イングランド）。先週のASIスコットランドオープンではプレーオフで惜しくも敗れたが、好調を持続している。今季は優勝こそないものの、2位2回、3位1回でレース・トゥ・ドバイのポイントランキング3位につけている。

このほかメジャー3勝のパドレイグ・ハリントン（アイルランド）、メジャー2勝のマーティン・カイマー（ドイツ）、2016年マスターズ覇者のダニー・ウィレット（イングランド）、2013年全米オープン覇者のジャスティン・ローズ（イングランド）、2010年全米オープン覇者のグレーム・マクドウェル（北アイルランド）らが名を連ねている。

ウィレットは前年覇者でもあり、大会連覇を狙う。昨年は4日間通算20アンダーをマークし、後続に3打差をつけてツアー7勝目を挙げた。今季はレース・トゥ・ドバイのポイントランキング175位と苦戦しているが、相性のいい大会で復調のきっかけをつかみたいところだ。

川村昌弘は2014年以来6年ぶりの出場

日本人選手は川村昌弘が出場する。今大会に出場するのは2014年以来6年ぶり2度目となる。前回出場時は初日1オーバー73、2日目2オーバー74、通算3オーバー75位タイで予選落ちを喫した。

しかし、当時と今とではゴルフの状態がまったく異なる。川村は直近の5試合すべて決勝ラウンドに進出しており、2度のトップテンフィニッシュを果たしている。レース・トゥ・ドバイのポイントランキングも72位につけており、順当なシーズンを送っている。ぜひとも6年前のリベンジを果たしてほしい。

川村のスタート時間は、初日の10月8日（木）が現地時間12時45分（日本時間20時45分）、2日目の10月9日（金）が現地時間8時35分（日本時間16時35分）となっている。

文・保井友秀

1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーランスとして活動を始める。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで連載記事を執筆している。

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