【プレビュー】英国６連戦「UKスイング」も最終戦へ、"旅人ゴルファー"川村昌弘も出場 | 英国チャンピオンシップ

AIG女子オープンはポポフが快挙を達成

渋野日向子が大会連覇を目指したAIG女子オープン（8月20日～8月23日、スコットランド・ロイヤルトゥルーンゴルフクラブ）は、なんと世界ランキング304位の27歳、ソフィア・ポポフが並み居る強豪選手を押しのけてツアー初優勝がメジャータイトルという快挙を成し遂げた。ドイツ人女子選手として初めてのメジャー制覇だった。

ポポフは2010年欧州女子アマチュアゴルフ選手権優勝後、南カリフォルニア大学に進学。米国でプロゴルファーへの道のりを歩み始めたが、決して順調なゴルフ人生ではなかった。レギュラーツアーになかなか定着できず、下部ツアーのシメトラツアーが主戦場となっていた。

AIG女子オープンへの出場が決まったのは、わずか2週前。新型コロナウイルス流行を懸念して渡米を見合わせた選手が多かったため、レギュラーツアーのマラソンクラシック（8月6日～8月9日、米国オハイオ州ハイランドメドウズゴルフクラブ）に出場できることになり、9位タイに入って出場資格を得た。

その前週のLPGAドライブオン選手権（7月31日～8月2日、米国オハイオ州インバネスクラブ）では、友人のオランダ人選手アン・バンダムのキャディを務めていたという。

そしてAIG女子オープン参戦が決まった翌週もシメトラツアーのファウンダーズトリビュート（8月14日～8月16日、米国アリゾナ州ロングボウゴルフクラブ）に出場。大会直前にスコットランドに乗り込んできた。

そこで4日間通算7アンダーと見事なプレーを展開し、アマチュア時代を過ごした欧州でビッグタイトルを手にした。ゴルフはときどきこういう大番狂わせが起こるから面白い。

６連戦の「UKスイング」も最終戦へ

さて、女子ツアーの戦いの舞台は今週、英国から米国に戻るが、ヨーロピアンツアーの戦いは引き続き英国で行われる。7月第3週から「UKスイング」と称して英国での6連戦が組まれており、今週の英国チャンピオンシップ（8月27日～8月30日、イングランド・ザ・ベルフライゴルフリゾート）が最終戦となる。

日本人選手は川村昌弘が英国6連戦にフル出場。第1戦の英国マスターズから第4戦のセルティッククラシックまで4週連続で予選落ちを喫したが、第5戦のウェールズオープンでツアー再開後初の予選通過。最終日に3アンダー68をマークし、4日間通算1オーバー37位タイでフィニッシュしている。

英国チャンピオンシップでは、8月27日（木）の現地時間14時15分（日本時間22時15分）に第1ラウンドをスタート予定。第2ラウンドは8月28日（金）の現地時間10時15分（日本時間18時15分）スタート予定となっている。

川村は今シーズン、ヨーロピアンツアーで11試合を戦い、予選通過は5試合。最高順位はアブダビHSBC選手権の17位タイと、やや苦戦している。昨シーズンはポイントランキング56位でシード権を獲得したが、今シーズンは今のところ118位だ。ただ、ヨーロピアンツアーは115位までにシード権が与えられるので、まだ悲観する状況ではない。

世界ランキングも昨年末の時点では172位だったが、8月23日時点で257位まで下がってしまった。しかしながら、ポポフの例もあるようにゴルフというスポーツは何が起こるかわからない。

ヨーロピアンツアーも来週から英国を離れ、スペインで1試合、ポルトガルで2試合と戦いのフィールドが広がっていく。スペインの試合も川村はすでにエントリーリストに名を連ねている。次戦以降に弾みをつけるためにも、2週連続で決勝ラウンドに進出し、上位を狙いたいところだ。

文・保井友秀

1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーランスとして活動を始める。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで連載記事を執筆している。

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