まだ、巻き返しのチャンスはある──。
初日好発進を見せた松山英樹は、2日目にスコアを落としたが、通算3オーバーで決勝ラウンドに進出した。
6月17日(木)に開幕した2021年全米オープンゴルフ選手権(USオープン)。初日は5位タイと好発進を果たした松山だが、2日目は出だしからつまずいた。
スタートホールの10番パー4で、第2打をグリーン左奥の深いラフに打ち込みダブルボギー。その後も11番パー3をボギー、12番パー4をダブルボギー、13番パー5をボギーと、序盤の4ホールでスコアを6つ落とすなど苦しい入りとなった。
しかし、14番パー4と18番パー5でバーディを奪って調子を取り戻すと、その後は2番パー4でボギーとしながらも、3番から9番までパーを並べた。結局、この日のスコアは2バーディ、3ボギー、2ダブルボギーの5オーバー76(パー71)。通算3オーバー41位タイと大きく順位を下げたが、無事に予選通過を果たした。
明日の3日目は現地時間9時44分(日本時間6月20日1時44分)スタート。元世界ランキング1位で、2013年マスターズ覇者のアダム・スコット(オーストラリア)と同組でプレーする。
若手のホープ、星野陸也が好位置で予選突破
この日の日本人選手で輝きを放ったのは世界ランク78位の星野陸也だ。
若手のホープとして、注目を集める星野は、カリフォルニアで行われた全米オープン最終予選会を見事突破して今大会に参戦。初日は、6番ホールをプレー中に日没を告げるホーンが鳴らされて終了。14ホールで2バーディ、2ボギーのイーブンパーで終えていた。
この日は第1ラウンド15ホール目の6番パー4からプレーを再開。このホールをパーセーブすると、8番パー3と9番パー5でバーディを奪い、第1ラウンドを2アンダー69でホールアウトした。
続いて行われた第2ラウンドでは4バーディ、5ボギー、1ダブルボギーの3オーバー74とスコアを落としたが、通算1オーバー21位タイは首位と6打差の好位置だ。
全米オープン初出場時の2018年は通算18オーバー136位タイで予選落ちを喫したが、今回は、自身初となるメジャー決勝進出を達成。見事リベンジを果たした形となった。
明日の3日目は現地時間11時23分(日本時間6月20日3時23分)スタート。チャーリー・ホフマン(アメリカ)と同組でプレーする。
そのほかの日本人選手では、浅地洋佑が初日5オーバーからの巻き返しを狙ったが、1バーディ、5ボギーの4オーバー75。通算9オーバー116位タイで予選落ちとなった。
石川遼も初日6オーバーからの挽回を目指したが、ノーバーディ、3ボギー、1ダブルボギーの5オーバー76。通算11オーバー134位タイで予選ラウンド敗退となった。
なお、浅地と石川の予選落ちにより、松山と星野は東京五輪入りが確定的になっている。
首位争いは老練ブランドとメジャー初勝利を目指すヘンリー
2日目終了後、決勝ラウンドに駒を進めたのは、58位タイまでの71人。
首位に立ったのは、リチャード・ブランド(イングランド)とラッセル・ヘンリー(アメリカ)の2人。ブランドは4アンダー67、ヘンリーは1アンダー70でプレーし、通算5アンダーで並んだ。
ブランドは世界ランク115位の48歳。欧州ツアーを主戦場にしており、5月のベットフレッドブリティッシュマスターズで478試合目にして待望の初優勝を果たし、欧州ツアーの最年長初優勝記録を更新した。2009年以来2度目の全米オープン出場で、好プレーを繰り広げている。
一方、32歳のヘンリーは世界ランキング63位。PGAツアー(米国男子ツアー)を主戦場にしており、ツアー3勝を挙げている。メジャー初勝利に向けて絶好のポジションにつけている。
首位と1打差の通算4アンダー3位タイは、世界ランク18位のルイ・ウェストヘーゼン(南アフリカ)と同32位のマシュー・ウルフ(アメリカ)が続いた。
38歳のウェストヘーゼンは、欧州ツアーで9勝を挙げており、メジャーでは2010年の全英オープンで初優勝した。ウルフは22歳の若手ながらもPGAツアーで1勝を挙げている。また、昨年の全米オープンでは3日目終了時点で首位に立ち、最終日にスコアを落としたが単独2位に入っている。
通算3アンダー5位タイは、バッバ・ワトソン(アメリカ)とジョン・ラーム(スペイン)の2人。
2012年と2014年のマスターズでメジャー2勝を挙げたワトソンは、ツアー通算12勝の実力者。今大会は、7年ぶりのメジャー3勝目を狙う。一方のラームはPGAツアーで5勝、欧州ツアーで6勝を挙げている。メジャー未勝利ながらもタイトルに近い存在と見られている。
前年覇者デシャンボー、世界1位ジョンソンは巻き返せるか
なお、前年覇者のブライソン・デシャンボー(アメリカ)は、初日2オーバーから2日目2アンダーと巻き返し、通算イーブンパー13位タイにつけて大会連覇を狙う。
また、世界ランキング1位のダスティン・ジョンソン(アメリカ)も通算2オーバー30位タイで決勝ラウンドに進出。ジョンソンは2016年全米オープンと2020年マスターズでメジャー2勝を挙げており、ツアー通算24勝の実績を誇っている。
全米オープンは4大メジャー大会の中でコースの難易度が最も高いと評される。決勝ラウンドではティグラウンドやピン位置の変更により、さらに厳しいセッティングになる。上位選手でも一つのミスでスコアを大幅に落とす可能性があり、3日目も最終日も順位が大きく変動すると予想される。
文・保井友秀
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーランスとして活動を始める。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで連載記事を執筆している。
全米オープンゴルフ選手権|放送・配信・中継予定
DAZN配信概要
日時 | 配信内容 | 解説・実況 |
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2021年6月18日(金) 3:00~ | 予選ラウンド:初日 セッション1 | 実:藤田崇寛 |
2021年6月18日(金) 8:00~ | 予選ラウンド:初日 セッション2 | 解:時松隆光 実:河村太朗 |
2021年6月18日(金) 23:30~ | 予選ラウンド:2日目 セッション1 | ※緊急配信につき英語解説のみ |
2021年6月19日(土) 3:00~ | 予選ラウンド:2日目 セッション2 | 3:00~ 実:藤田崇寛 5.00~ 実:笹川裕昭 |
2021年6月19日(土) 7:00~ | 予選ラウンド:2日目 セッション3 | 解:時松隆光 実:河村太朗 |
2021年6月20日(日) 2:00~ | 決勝ラウンド:初日 セッション1 | 2:00~ 実:藤田崇寛 4.00~ 解:タケ小山 実:河村太朗 |
2021年6月20日(日) 7:00~ | 決勝ラウンド:初日 セッション2 | 解:時松隆光 実:笹川裕昭 |
2021年6月21日(月) 1:00~ | 決勝ラウンド:2日目 セッション1 | 1:00~ 実:藤田崇寛 3.00~ 解:タケ小山 実:笹川裕昭 |
2021年6月21日(月) 6:00~ | 決勝ラウンド:2日目 セッション2 | 解:時松隆光 実:河村太朗 |
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