日本人として37年ぶりに「全米女子アマチュア選手権」を制した17歳の馬場咲希(日本ウェルネス高)。36ホールマッチプレーの決勝戦では21歳のモネ・チュン(カナダ)に11&9(残り9ホールで11アップ)と大勝した。122回の開催の中で3番目に大きな差で勝利を収めた。
2015年の男子メジャー「全米オープン」の会場となったチェンバーズベイGCでの決勝。早々にリードを奪うと最初の18ホールで7アップへと差を広げた。175cmの長身から振り下ろす飛距離270ydのドライバーショットを武器に、精度の高いアイアンショット、小技でも相手を圧倒した。
後半18ホールでは出だしにつまずき2ホールを相手に取り返されたが、すぐさま反撃した。4番からホールを奪い続けて9ホールを残して勝負をつけた。1985年の服部道子以来になる日本人制覇を成し遂げ、涙を流した。
全米ゴルフ協会(USGA)主催の大会は1895年に創設。歴代優勝者には元世界ランキング1位のリディア・コー(ニュージーランド/2012年優勝)、ダニエル・カン(アメリカ/10、11年優勝)、モーガン・プレッセル(アメリカ/2005年)など、その後に米ツアーや海外メジャーを制した大物選手がいる。彼女たちに肩を並べる名誉あるタイトルだが、馬場のキャリアを踏まえた上でも大きな優勝だ。
今年1月のアマチュア資格の規定改定により、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になった。海外を含めた長距離移動を伴う遠征が多いゴルフ。賞金収入のない学生ゴルファーは大会に参加するだけで”赤字”になっていた。改定により、将来を渇望される逸材がスポンサーに支えられ、競技に集中するための環境が整いやすくなったのだ。来年プロテストを受験予定という馬場だが、スポンサー争奪戦は加速するだろう。
さらに来年の海外メジャー「シェブロン選手権」、「全米女子オープン」、「エビアン選手権」、「AIG全英女子オープン」の出場権も獲得した。今年の全米女子では渋野日向子と練習ラウンドを回り刺激を受けるなど、10代で4つのメジャー大会に出場できる経験はキャリアにとってプラスだ。17歳が米国で果たした快挙は、夢が大きく広がる”価値”ある1勝なのだ。
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