JLPGAツアー第26戦の「ゴルフ5レディス」は4日に最終ラウンドを行い、24歳のセキ・ユウティン(中国)が吉田優利をプレーオフで破り、待望のツアー初優勝を挙げた。
レギュラーツアーで自身初のプレーオフ。相手は2歳下ながらツアー通算2勝を挙げている格上の吉田だ。「すごくドキドキして、(頭が)真っ白な感じだった」。2ホール目、先にパットを外した吉田が視線を向ける中、4mのフックラインをカップ中央から沈めた。参戦6年目、下部ツアーへの”降格”を経てつかんだ初V。淡々と拳を握るユウティンが夕日に照らされた。
正規の最終ラウンドは、一時は首位から2打差以内に12選手がいる大混戦に。第2ラウンドを終え首位に立った勝みなみと4打差の10位から出たユウティンは、土壇場に驚異の粘りを見せた。後半12番でバーディ、13番(パー5)でイーグルを奪って首位に浮上すると14番(パー3)にボギー、15番はティーショットを右に飛ばしてOB。痛恨のダブルボギーを叩き、一度はV戦線から脱落した。
しかし16番(パー5)でバーディを返すと、続く17番(パー3)は厳しいスライスラインを読み切って連続バーディを奪った。レギュラーツアーでは最終ラウンドの最終盤まで優勝争いを繰り広げたのも初だったが「運も良かった。できるだけプレッシャーに負けないように目の前のできることをやってた」。通算12アンダーでクラブハウスリーダーになり、後続の結果を待った。
生まれは福井県で4歳まで日本で過ごしたが、その後中国へ。ナショナルチームでの活動を経て2016年に18歳で中国ツアーの賞金女王に輝いた。翌17年に日本ツアーに参戦すると『18歳の賞金女王』という肩書きや可愛らしいルックスも相まって、『注目の美少女ゴルファー』としてメディアに取り上げられた。しかし予選落ちを繰り返して、1年でレギュラーツアーの出場権を失った。
這い上がるために肉体改造を行い、参戦1年目に220.01ydだった飛距離は今季244.54ydまで成長した。パッティングの不調にも悩んだが、ゴルフに専念する日々で壁を一つ一つ乗り越えてきた。「信じられないです。本当に私だけの勝利ではない。私を支えてくれた方々がいたからです」。数年前は全く話せなかった日本語を流暢に話し、感謝の言葉を並べ涙を流した。
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