JLPGAツアー第30戦で今季の国内メジャー第3戦の「日本女子オープン」は2日(日)に千葉県野田市の紫カントリークラブ・すみれコースで最終ラウンドを行い、勝みなみが逆転優勝した。樋口久子、畑岡奈紗に続く史上3人目の大会連覇を遂げた。
静寂が包む最終組の最終18番(パー5)。単独トップで最終ラウンドを迎え、史上初になる国内メジャー4大会全制覇を狙った申ジエ(韓国)に観客は視線を注いだ。3打差の3位から「68」で回り通算3アンダーでプレーを終えた勝は、申に2打のリードを作り、すでにクラブハウスにいた。
グリーン右奥からの申の3打目、イーグルを狙ったウェッジショットが無情にもカップを抜けた。ギャラリーのため息が漏れた。この瞬間、最終組の一組前で回った勝の大会連覇が確定。同学年の畑岡に続くナショナルオープンでの偉業にも、勝は人懐っこい口調で笑みを浮かべた。
「優勝の瞬間を見逃してしまって。ずっとローカーにいたので、クラブハウスから出て皆さんが『優勝おめでとう』と言ってくださるのを聞いて、優勝したんだ、と思いました」
昨年は6打差の圧勝劇、今年は通算アンダーパーが2人という難コースでの逆転劇。最終日はまさに”勝みなみ劇場”と言えた。前半に5バーディを奪い、首位・申に並ぶと10番で7mをカラーからねじ込み見事なパーセーブ。13番から2連続ボギーをたたき失速しかけたが、首位タイで迎えた17番で勝負を決めた。
2番目に難度の高い421ydとコース最長パー4。その2打目、難しい選択をサラリと振り返る。「ちょっとアゲンスト(追い風)かなと思ったので、手前で止めるクラブを選んだ。午後になってグリーンのコンパクション(硬さ)が上がっていたので転がって横についた」。グリーン付近にあるリーダーボードを確認した。「入れたら単独トップに立つ」。2mのバーディパットをねじ込み抜け出すと、拳を握った。一方で申はこのホールをボギーとし、2打差を作った。
2020年に男子のメジャー「日本オープン」を開催した名門コースは、6839yd(パー72)と女子ツアー史上最長コースだった。ルーキーイヤーの2017年から10yd近く飛距離を伸ばした勝は、平均飛距離251.77ydで全体6位にいる。結果が出ない日々もあったが、体幹やトレーニングを欠かさない、地道な日々の積み重ねが実を結んだ。
ナショナルオープン連覇という肩書きを持って、来季の米ツアー参戦を目指す。今年の予選会(Qスクール)に出場するつもりだ。同学年の畑岡や渋野日向子が争う舞台。黄金世代の第一人者である勝は「自信がついた。今年あと1勝以上できるようにして、アメリカのQTも頑張りたい」と力を込めた。
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