JLPGAツアーの2023シーズン第8戦の「フジサンケイレディスクラシック」は23日、静岡県伊東市にある川奈ホテルゴルフコース 富士コース(6457yd/パー71)で最終ラウンドを行なった。20歳でツアールーキーの神谷そらが、通算4アンダーで初優勝を挙げた。
川奈の女神は、笑顔が愛らしい20歳に振り向いた。ボギーフィニッシュとなるウィニングパットを沈めると、恥ずかしそうに帽子のつばに手を当てた。「今年はシード権を取るのが目標だった。思ったより早く勝てて嬉しいです」。安田祐香や岩井千怜との熾烈な優勝争い、爽やかな笑顔で熱戦に終止符を打った。
単独首位で迎えた最終日も、全体2位となる平均飛距離256.23ydの逸材は、ピンチで持ち味を存分に発揮した。ボギーが先行して迎えた4番(パー5)、打ち上げの第2打は残り260yd。3Wで2オンに成功すると5mのねじ込んで値千金のイーグルを奪った。ティショットが曲がり、中盤にスコアを崩したが、上位争いに踏みとどまるだけの貯金を作った。
勝負を分けたのは、この日3番目の難易度だった終盤17番(180yd/パー3)だ。下りの2.5mのバーディパットを強気で打った。「入ったから良かったですけど、キャディさんに『強い』と言われましたね」。カップを通過すれば大きくオーバーしたであろう白球は、カップ左のフチをつたって落下した。最終組を前に1人しか出ていなかった同ホールでのバーディで、単独首位に躍り出た。
笑顔の裏で苦境に耐えた時期がある。2021年の1度目のプロテスト、まさかの不合格に終わった。アマチュア時代から実績を残し飛ばし屋として注目された存在だった。「同級生が優勝したり、シード権を取ったりしていた。悔しい気持ちがあった」。歯を食いしばり腕を磨き、昨年2度目のプロテストでトップ合格。予選会でも上位に入り、今季の出場権を確保していた。
前週までの今季7戦で5度予選落ちに終わっていたが、この優勝でシード権を確保した。ニューヒロインは「ようやく同じ舞台に立てた。今までの7試合は自分自身にプレッシャーをかけてしまい思うような結果が出ていない中で、今週勝てたことはすごく嬉しい。もう1勝を目指して頑張りたい」と声を弾ませた。
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