新たな国内メジャーチャンピオンが誕生した。JLPGAツアーの2023シーズン第10戦「ワールドレディス杯サロンパスカップ」は7日に茨城県つくばみらい市の茨城ゴルフ倶楽部西コース(6780ヤード/パー72)で最終ラウンドを実施。2打差の単独首位で出た吉田優利が「73」と苦しみながら通算1オーバーで逃げ切った。2021年の「ゴルフ5レディス」以来になるツアー通算3勝目を挙げた。
大粒の雨が落ちるリーダーボードに並ぶオーバーパーの文字。71ホール目まで厳しいメジャーセッティングを戦った吉田は、3打差をつけた最後の1ホールで勝ち方にこだわった。ファーストパットがオーバーして下りの2.5m。「差は確認していた。リードもある。ただ18番を迎えたとき、ここは必ず2パットで行こうと思った。『このホールをボギーにしたらプレーオフになる』。そう想定して最後のパットを打った」。ラインに乗った白球がカップに落ちる。念願のタイトルをつかむと、自信に満ちた表情で拳を握った。
脳裏に浮かんだのは悔しい思いを募らせた2022年シーズン。トップ10に入った回数は、ツアー全体2位になる19度。2位は5度もあった。”シルバーコレクター”と呼ばれ、同学年でアマ時代からしのぎを削る古江彩佳や西村優菜は米ツアーへと主戦場を移した。差がついた、と感じてもおかしくない状況。ただおしゃれやコスメが大好きな23歳は「私は私」と信念をブラさず、道を歩める強さが魅力だ。両親の教えから、どんな状況でも誰に対しても丁寧に接する。「(勝てなかった)2年という月日は長かったけど、勝てないからと言ってゴルフ人生が終わるわけではない」と悩む日々もゴルフの技術向上のための努力を怠らず練習を最優先に考えた。
ひたむきな姿勢が身を結んだのは、この日のサンデーバックナインだった。第2ラウンドの圧巻のプレーで築いたリードは、後半14番のボギーで一組前の申ジエ(韓国)に1打差まで詰められた。流れは完全に元世界ランク1位だった。16番では第2打をショートサイドのバンカーに外す痛恨のミスを犯した。「精神的にも体力的にも厳しい」と語るコースセッティング。2.5mのパーパットを残したが、見事にこれをねじ込んだ。意地で単独首位に踏みとどまると、17番(パー5)でバックスピンをかけた第3打でチャンスを演出し、勝負を決めるバーディパットを決めた。
「勝てなかった月日は、今日のために頑張ってきたような感じで嬉しい。春先に優勝できたから、3勝を目指して頑張りたい」。誰より輝く瞳でそう言った。
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