JLPGAツアー2023シーズンの第22戦「北海道meijiカップ」は6日、北海道北広島市の札幌国際カントリークラブ島松コース(6593yard/パー72)で最終ラウンドを行なった。2017、19年の賞金女王・鈴木愛が3日間ノーボギーで2年ぶりとなる復活優勝を遂げた。
幾度となく掲げてきたトロフィーを満面の笑みで掲げる。29歳になった元女王は、噛み締めるように言った。「今までどうやって勝っていたのかわからなくなった。優勝争いが好きだったのに…自分のゴルフもどうやって、やっていたんだろうって」。前週最終日に櫻井心那に逆転負けを喫していた。それどころかここ2シーズン、首位で出た最終日の逆転負けは5度目だった。
渋野日向子や申ジエ(韓国)との熾烈な賞金女王争いを制した2019年に年間7勝というキャリアハイの成績をマークした。それ以降、絶対女王として若手の前に立ちふさがると思われていた。しかし20年にコロナ禍になり、プロゴルファーの環境も激変した。前年ナンバーワンに輝き、燃焼した気持ちを奮い立たすこと自体に労力のいる作業だ。その上、当初は試合も中止が続きモチベーションの維持は難しくなったという。
ツアーが始まった5月以降も無観客試合。声援のない試合で気持ちを奮い立たせることは容易でなかった。誰よりも練習することで己と向き合い続け、2度も頂に立った。2021年にかろうじて「資生堂レディス」で優勝したが、それ以降はタイトルから遠ざかった。同年は当時22歳の稲見萌寧、昨季は21歳の山下美夢有が女王に輝いた。かつて海外選手との争いを制して勝ち取った年間タイトルは、若手たちのものになった。
もう一度輝くことを目指して再起した。トレーニングを行い、自らのゴルフと向き合った。徐々に復活への道が見え始めると、上位争いに加わり始めた。この日は「逃げない」と決め、「8番、9番でバーディーを取りたいと思っていた。そこの2ホールで取れたので、また伸ばす展開に持っていきたい。我慢の展開じゃなくて、自分が伸ばして勝ちたい。気持ちがより一層入った」と勝負どころを振り返った。
16番、長いバーディーパットが決まり笑顔で拳をあげた。武器はラインを読み切り、タッチをあわせるパッティングだ。強い元女王が、復活劇場をスタートさせた。
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