2020年1月11日、注目のビッグマッチであるリヴァプール戦のトッテナム先発メンバーを見た時、サポーターを含めて多くの人が驚いたことだろう。ジャフェット・タンガンガ――。指揮官のジョゼ・モウリーニョは、プレミアリーグに出場したことがない、この20歳の若者を首位リヴァプールとの大一番でスタメン起用したのだ。
とはいえ、タンガンガはユースレベルで着実に実績を残してきた選手でもあった。コンゴ民主共和国出身のタンガンガは、10歳時からトッテナムのユースに所属。イングランドアンダー年代の世代別代表では常に主力を張ってきた。
2019年夏にトップ昇格したタンガンガだが、まさかプレミアリーグデビューがリヴァプール相手、さらに先発になるとは本人も思いもしなかっただろう。それでも、右サイドバックとして先発したタンガンガは、持ち前のタイトなマーキングと粘り強い守備で奮闘。試合途中から左サイドバックを務めるなど、上々のパフォーマンスを披露した。
タンガンガに合格点を与えたモウリーニョは、続くFAカップ3回戦の再試合、ミドルズブラ戦でも同選手を起用。連続フル出場で勝利に貢献したタンガンガは、ここでもソリッドなプレーを見せてさらに評価を高めた。
「タンガンガがどれほど良い選手であるか、もう誰もが知っていると思う。私は彼のことを信頼している。もう将来を心配するような少年ではない。彼はトッププレーヤーの1人であることをピッチ上で証明している」
そう絶賛したモウリーニョに対し、タンガンガも「ガファー(監督)が僕を起用してくれることに感謝している。クラブもチームメイトも僕のことをサポートしてくるんだ」と信頼感を強調。これまでのキャリアでスコット・マクトミネイ、アルバロ・モラタ、ファビーニョらを引き上げてデビューさせてきたモウリーニョの最新の秘蔵っ子として大きな注目を浴びることになったのだ。
2試合連続フル出場後もタンガンガは定期的な出場機会を獲得し、チャンピオンズリーグでも決勝トーナメント1回戦セカンドレグ、RBライプツィヒとの大一番でデビュー。ユースから一筋のクラブで、リーグデビューから間もなくしてレギュラーポジションを争うところまで評価を高めてみせた。
まさに夢のような時を過ごすタンガンガだが、一方で「学ぶことが多くてかなり成長できていると思う。選手としてどれほど懸命に取り組まなければいけないかを今、身をもって味わっている」と、地に足をつけて常に改善を目指す姿勢を崩していない。
タンガンガとの契約が2020年夏までとなっているトッテナム。報道ではこれまでの約15倍となる週給1万5000ポンドのオファーを出しているとも言われており、是が非でも慰留させる構え。自らのプレーで将来を切り開き続ける新星が、今後どこまで上りつめるか必見だ。
プレースタイル
トップチームでは右サイドバックや左サイドバックのポジションで出場することが多いが、これまでの本職はセンターバック。しかし、本人が「監督が練習で細かい部分もたくさん教えてくれて、改善できている。かなり助けてもらっている」というモウリーニョ監督の助言もあり、最終ラインならどこでもこなせるユーティリティな選手に成長した。プレー面では、抜群の身体能力を活かした無理の利く守備が特徴。スピードに優れ、対人対応でも抜群の強さを発揮する。センターバックとしては足元の技術も高く、今後経験とともにポジショニングやビルドアップの精度を改善できれば、より素晴らしいディフェンダーへと進化していくはずだ。
動画:プレー集
プロフィール・経歴
ジャフェット・タンガンガ/Japhet Tanganga
1999年3月30日生まれ 184cm・72kg 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2019-20 | トッテナム | 6試合・0得点 |
2020-21 | トッテナム | 0試合・0得点 |
※成績は国内リーグ(2021年2月10日現在)
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