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【コラム】久保建英がマジョルカにとって重要なのは間違いない。問題はいつそうなるか。アラベス戦の起用法に注目だ | ラ・リーガ

【コラム】久保建英がマジョルカにとって重要なのは間違いない。問題はいつそうなるか。アラベス戦の起用法に注目だ | ラ・リーガ(C)Getty Images
【海外サッカー プレビューコラム】今季からマジョルカに復帰した久保建英の立ち位置を『アス』で同クラブを担当するガブリエル・フォルテサ氏が紐解く。

ラ・リーガ開幕節ベティス戦、マジョルカの本拠地ソン・モッシュには6000人の観客が集まったが、61分に彼らの存在感は2倍以上に膨れ上がった。数字的に、満杯と空っぽであれば後者に近いパンデミック下のスタジアムで、途中出場の日本人は前者を思い出させる喝采を生み出していた。

ピッチに立った日本人の名は、久保建英。マジョルキニスタ(マジョルカサポーター)たちは彼が以前に在籍したときにも愛情を捧げていたが、その感情はより強まっているように思える。2年前、久保はラ・リーガ1部でどれだけやれるのかが未知数で、最初の経験を積むべく、ここでプレーしていた。そして今、ビジャレアル、ヘタフでの経験を経て、さらに東京五輪で輝きを放って、ここに戻ってきたわけだ。

ベティス戦では守備に奔走する時間が長く、そこまで存在感を示せなかったのは確かだ。しかし、それでも左足にボールをくっつけて20メートルを疾走した一回のドリブルだけで、ほかの誰でもない彼が戻ってきたことは確かに実感できた。

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再びラ・リーガ1部に戻ってきたマジョルカで、久保は重要な存在になるだろう。久保自身も、自分が以前よりフットボール界にとって重要な存在になっているとの自覚がある。マジョルキニスタたちはそんな彼のことを、今度こそ1部残留を果たすための救世主のように、それと同時に自分の息子のように感じている。

問題は、その価値を発揮し始めるタイミングだ。21日に行われるラ・リーガ第2節で、マジョルカは同じく残留を争うアラベスとの一戦に臨むが、久保がこの試合からスタメンとしてプレーするのか、それとも再びベンチスタートとなるのかは、キックオフの笛が吹かれる1時間前にならないと分からない。

久保はどのように起用されるのか

久保の獲得が公式にアナウンスされた際、マジョルカの監督ルイス・ガルシア・プラサ監督は、彼を4-2-3-1の3のポジションのいずれか、とりわけ右サイドハーフとして起用する考えを明かしていた。ただ右サイドハーフは昨季29試合に出場して、昇格に大きく貢献したジョルディ・ムブラが定位置としている。

ベティス戦、久保は3日前に合流したばかりでベンチスタートでも言い訳はついたが、ルイス・ガルシアはアラベス戦でチームの管理者として手腕が問われることになる。ここでムブラからレギュラーの座を取り上げていきなり久保を据えるのか、それとも久保を途中出場として結果を収めればレギュラーの座を与えるのか……。

監督の選択は、アラベス戦において大きな注目ポイントだ。もちろん久保を違うポジションで起用する可能性もあるし、その場合トップ下ならダニ・ロドリゲス、少し苦手とする右サイドならプレシーズン中は負傷していたアマトの代わりにプレーすることになる。いずれにしても久保がチームの顔、司令官のような存在になることは間違いないだろう。そうなるタイミングがいつ訪れるか、ということだけなのだ。

2年前、マジョルカ入団時の彼はチームメートの意見や他人の顔を気にしているような印象があったが、シーズンが深まるに連れてチーム内で重みを増した。最後にはマジョルカの攻撃の中心となって、フリーキックで失敗しても誰にも謝る必要がないところまでいき、実力に見合う意思の強さをも示していた。

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久保が1部、マジョルカが2部で戦った1シーズンを挟みはしたものの、今季は2シーズン前の延長線上にある。

ビジャレアル、そしてヘタフェ(ここで強度ある守備を経験したことは大きい)でさらなる経験を積み、20歳になった久保は、1部残留を目指すマジョルカの浮沈を今度こそ担う存在となる。そして、その責任を果たしたときには今度こそレアル・マドリー復帰の扉が開かれるだろう(ヴィニシウス・ジュニオールは、今季中にスペイン国籍の取得を完了しているはずだ)。

とにかく、まずはアラベス戦。久保がスタメン、それともベンチスタートなのか、しっかり結果を出せるのかに注目したい。日本だけでなくマジョルカ、ひいてはレアル・マドリーのサポーター(とクラブ関係者)も、彼の動向に熱視線を送っている。

文/ガブリエル・フォルテサ(Gabriel Forteza)、スペイン紙『アス』マジョルカ番

翻訳・加筆・構成/江間慎一郎

1983年生まれ。東京出身。携帯サッカーサイトの編集職を務めた後にフリーのサッカージャーナリスト・翻訳家となり、スペインのマドリードを拠点に活動する。 寄稿する媒体は「GOAL」「フットボール批評」「フットボールチャンネル」「スポニチ」「Number」など。文学的アプローチを特徴とする独創性が際立つ記事を執筆、翻訳している。

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