アジア最終予選のグループBをオーストラリアと勝ち点6で並んでいるのが、中東の強豪・サウジアラビアだ。
ホームでの初戦は、ベトナムに先制されながらも後半に3得点を奪い逆転で白星発進。第2戦も日本が初戦で敗れたオマーンを相手に、敵地で苦しみながらも1-0と辛くも勝利し、2大会連続でのW杯出場に向けて幸先の良いスタートを切っている。
中東の強豪と言えば、真っ先に思い浮かぶのがサウジアラビアだが、近年はアジアでの立場が危ぶまれていた。1994年のアメリカW杯で本大会に初出場して以降は、3大会連続でW杯出場権を獲得していたが、2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会と2大会連続で出場権を獲得できず。AFCアジアカップを最後に制したのも1996年と25年前まで遡る。アジアの中でもオマーンやカタール、バーレーンなど近隣国の台頭もあって、昔ほどの絶対的な地位を築けていない。
それでも前回大会の2018年ロシアW杯では、3大会ぶりに出場権を獲得。風向きが変わりつつある中で、中東で開催されるカタールへの切符も逃すわけにはいかないところだ。
指揮官は2度のアフリカネーションズカップ制覇を誇る名将
2019年7月に同国史上初のフランス人監督に就任したエルヴェ・ルナール氏は、これまでの監督キャリアで主にアフリカ諸国を率いて実績を積み重ねてきた指揮官だ。2012年のアフリカネイションズカップではザンビアを同国史上初の優勝へと導き、2014年から2年間率いたコートジボワールでも2015年アフリカネイションズカップを制覇。2カ国でアフリカネイションズカップを制した初めての監督となっている。
ここまでの最終予選の2試合は、どちらも6割超えのポゼッション率を記録。CB2枚とボランチのMFアルマリキが最終ラインに下がりながらゲームメイクしていくビルドアップは、両SBが高めのポジショニングを取ることで攻撃に厚みを生み出し、特にサイドから攻撃のスイッチを入れていく。実際にオマーン戦の攻撃エリアも、右サイドが41.9%、左サイドが45.9%と9割近くサイドからの攻撃という数字も出ている。また1トップのFWアルシェフリをターゲットにアーリークロスを多用するのも特徴の一つだ。
アタッキングサードは、個人で局面を打開できるトップ下のMFアルファラジや左サイドハーフのMFサーレム・アルドサリの突破力がアクセントとなっていたが、アルファラジが今回は招集外。攻撃のキーマンを一人欠くことは、日本にとっても朗報と言える。
左のDFアルシャーラニと右のDFアルガンナムのサイドバックコンビは、サイド攻撃に厚みを出すため積極的に攻撃参加を仕掛けていく。ただ、不用意なボールの失い方をするとその上がったスペースを使われて、一気にピンチを迎えることも珍しくない。加えて、サイドのスペースカバーにボランチが釣り出されることが多く、日本が深いエリアまで進入できれば、マイナス方向のクロスは有効だろう。狙うべきはボールを奪った後、そして押し込んだ後に空くバイタルエリア。この2つを効果的に突けるかが日本にとって大きなポイントとなる。
個性派揃いのタレントの中でも最も警戒すべきは、右サイドハーフのFWアルムワラドだ。サウジアラビアの攻撃陣は足下でボールを受けてからプレーを始める選手が多いが、ボールを持っていない時に動き出しで変化を起こせる数少ない選手。隙あらばチャンスを狙っているタイプで、オマーン戦では絶妙な動き出しでボールを受けたところから決勝点をアシストした。守備時の寄せも速く、攻守両面で献身的な働きぶりを見せている。警戒すべき選手であることは間違いない。
8日、2:00からキックオフを迎える日本戦。急遽、一般観客の収容人数を100%に引き上げられることが決まり、6万人近い完全アウェイの中での開催も予想されている。これは間違いなくサウジアラビアへの強烈な後押しになるだろう。難関となり得るアウェイゲームを日本は難なく乗り越えられるだろうか。
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