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【プレビュー】あの最高だったころの激闘をもう一度見せてくれ | ユナイテッド対アーセナル | プレミアリーグ

【プレビュー】あの最高だったころの激闘をもう一度見せてくれ | ユナイテッド対アーセナル | プレミアリーグ(C)Getty Images
【コラム】かつてプレミアリーグを代表する一戦だったマンチェスター・ユナイテッド対アーセナル。だが、ここ最近は色褪せている感は否めない。ここはひとつ、あの激闘の再現を――。そう渇望する粕谷秀樹氏によるプレビューをお届けする。

その昔、サー・アレックス・ファーガソンとアルセーヌ・ヴェンゲル両監督がマインドゲームも含めて激しく競い合っていたころ、マンチェスター・ユナイテッド対アーセナル戦はプレミアリーグが世界にお届けする最良にして最高のコンテンツだった。

Fワードが飛び交い、骨がきしむような音がピッチから聞こえてくる。ユナイテッドのロイ・キーン、アーセナルのパトリック・ヴィエラの両キャプテンが試合開始前からつかみ合いを始めた。ユナイテッドのロッカールームに、何者かが投げ入れたピザがファーガソンに直撃。犯人はセスク・ファブレガス説が濃厚だ。トラブル、ニュースは枚挙に暇がない。

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しかし、その後は両チームとも補強で後れをとり、リヴァプールやマンチェスター・シティに並ばれ、あっという間に引き離される。昨シーズンもユナイテッドは優勝したリヴァプールに33ポイント差、アーセナルに至っては43ポイント差という醜態をさらした。したがってユナイテッド対アーセナル戦は、コンテンツとして色褪せたといえなくもない。

意地を見せ、あの激闘を再現してほしい

「ふざけるなよ」

両チームにも意地がある。いまでこそプレミアリーグの盟主をライバルに譲っているが、このリーグのすばらしさを世界に提供したのはユナイテッドとアーセナルだ。リヴァプールとシティでは断じてない。ありとあらゆるフットボールファンを恍惚の境地にいざなったあの激闘を、7節の一戦で再現してほしい。

幸い、ユナイテッドは主力のコンディションが上向いてきた。ブルーノ・フェルナンデスは昨シーズンの疲れが少しずつ癒え、ポール・ポグバは新型コロナウィルス感染後の低調から立ち直りつつある。そしてマーカス・ラッシュフォードはチャンピオンズリーグのライプツィッヒ戦でハットトリック。切れ味とスピードが本来のレベルに戻ってきた。

ファーガソンの薫陶を受けたにもかかわらず、オーレ・グンナー・スールシャール監督の采配は貧弱だが、ラッシュフォード、メイソン・グリーンウッド、スコット・マクトミネイなど、下部組織出身者を軸とするチーム創りは偉大なる先達を引き継いでいる。

一方、アーセナルのミケル・アルテタ監督はポゼッションと籠城を巧みに使い分けている。現役当時、理想主義者のヴェンゲルに育てられた反動なのか、現実を見据えてポゼッションにはこだわっていない。

また、ビルドアップにも貢献できるCBガブリエウ・マガリャンイス、万能型MFトーマス、戦術理解度の高いウィリアンといった今シーズンの新戦力が即フィット。6節終了時点で3勝3敗とはいえ、試合内容は昨シーズンから格段の進歩を遂げた。

日程、戦力面でユナイテッドが有利

さて、注目ポイントは試合間隔だ。中四日のユナイテッドに対し、アーセナルは二日しか空いていない。疲労回復度には個人差があるものの、コロナ禍で多くの制約が設けられ、コンディション調整がままならない今シーズンは、試合間隔が勝負を分ける可能性が小さくない。

しかもアーセナルは、前節のレスター戦でダヴィ・ルイスが左大腿部を負傷。ユナイテッド戦には間に合いそうもない。また、カラム・チェンバーズとロブ・ホールディング、パブロ・マリもケガが癒えていないため、アルテタ監督はCBの人選にひと苦労しそうだ。先発濃厚と伝えられるショコドラン・ムスタフィは、細心の注意というものを一切払えない。

ユナイテッドも新型コロナウィルスに感染したアレックス・テレスが使えず、エリック・バイリーとジェシー・リンガードもケガで欠場する。アントニー・マルシャルは出場停止だ。しかし、アーセナルの最終ラインほどダメージはなく、日程の余裕が二日もある。プレー強度が勝敗を左右する昨今のフットボールにあって、この差は非常に大きい。

現状を踏まえると、ユナイテッドが有利だ。日程のほかには使える戦力で少なからぬアドバンテージを得ている。右からファン・マタ、エディンソン・カバーニ、ラッシュフォードと並ぶ3トップが可能で、ベンチにはグリーンウッドとダニエル・ジェームズが控える。マルシャルが出場停止でも、だ。

とはいえ、昨シーズン33節のボーンマス戦を最後に、本拠オールド・トラッフォードでは一度も勝っていない。3分2敗。かなり恥ずかしい。ハリー・マグァイアとヴィクトル・リンデレフの両CBは、スピード不足と脆さを露呈する。かなり危なっかしい。

当然、アーセナルにも付け入る隙はあるはずだ。無観客とはいえアウェーなのだから、無理をして前に出る必要はない。カウンターを得意としているユナイテッドにスペースを与えず、最終ラインを低めに設定する。リスクを冒さず、自陣でチャンスを待つプランも悪くない。

繰り返すがアーセナルは日程的に不利だ。計算が立つCBもカブリエウただひとりだ。したがってエネルギー消費を抑えるためにも、籠城は効果的なゲームプランである。早い時間帯からのスプリント、プレッシングは極力控えるべきだ。

文・粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

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