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サッカー

【コラム】断然有利なアトレティコか、逆転優勝を狙うレアル・マドリードか。決戦の時、"真実の瞬間"が近づいている | ラ・リーガ

小澤一郎
【コラム】断然有利なアトレティコか、逆転優勝を狙うレアル・マドリードか。決戦の時、"真実の瞬間"が近づいている | ラ・リーガDAZN
【プレビュー】2020-21シーズンのラ・リーガ優勝争いを制するのは、断然有利な状況のアトレティコか、大逆転を狙うレアル・マドリードか。ジャーナリストの小澤一郎氏が展望する。

最終節までもつれたラ・リーガの優勝争いがいよいよ決着する。アトレティコか、マドリーか。13-14シーズン以来7年ぶり11回目か、2シーズン連続35回目か。今週末の第38節に優勝する可能性を残したのはマドリード勢だ。

ただし、圧倒的に有利なのはアトレティコ・デ・マドリーだ。勝点83で首位に立つアトレティコは、レアル・マドリーに2ポイント差をつけている。しかも前節のオサスナ戦で劇的な逆転勝利。勢いに乗っている。

最終節の前日会見に臨んだディエゴ・シメオネ監督の振る舞いを見るかぎり、チームには過度な緊張もプレッシャーもない。

ジョレンテが大仕事をやってのける可能性も

そのアトレティコは最終節でバジャドリードと敵地で戦う。37節終了時点で勝点31の19位につける相手は、この試合で勝てなければ2部降格が決定。アトレティコに勝利しても、ウエスカ(17位)が敗れ、エルチェ(18位)が引き分け以下に終わらなければならない。率直に言って、残留の可能性は非常に小さい。

レアル・ソシエダに1-4で敗れた前節は立ち上がりから得点、勝利を求めすぎるあまり、チームがバランスを崩した状態に。バジャドリードは序盤からソシエダのカウンターの餌食となった。アトレティコ相手にも序盤から前掛かりに撃ち合う展開を挑めば、前節以上の大敗を喫する危険性もある。その意味でもセルヒオ監督のゲームプランに注目だ。

この決戦を欠場するアトレティコの選手を挙げれば、出場停止のステファン・サヴィッチと、怪我で間に合わないトマ・ルマル。前者の不在は痛手だが、ここ数試合ベンチを温めていたホセ・マリア・ヒメネスが代役として先発するはず。試合の状況に合わせて3バックにも4バックにも柔軟に可変するCBには、ヒメネス、フェリペ、マリオ・エルモーソと実力者が並ぶため、サヴィッチの欠場が守備力の低下にはつながらない。

攻撃陣も好調だ。前節のオサスナ戦ではエースのルイス・スアレスが決勝点を奪い、交代出場のジョアン・フェリックスもレナン・ロディの同点弾をアシストした。アンカーのコケの配給も抜群で、アンヘル・コレアも依然動きがシャープだ。

2020-12-05-Marcos Llorente-Atletico Madrid

唯一、ここにきてマルコス・ジョレンテに疲れが見えるのが心配だが、年間を通してフル稼働するなど完全にチームの中心となった彼が、優勝を決める最後の試合でも大仕事をやってのける可能性は十分ある。

「レモンターダ(逆転)」の空気感は…

2位レアル・マドリーはホームにビジャレアルを迎える。まずは勝利が絶対条件で、アトレティコの引き分け以下を神頼みする他力本願の状態だ。最終節に向けてセルヒオ・ラモスとラファエル・ヴァランがメンバー入りした点はプラス材料だが、エデン・アザールが再び怪我のためメンバー外となり、コロナ陽性のトニ・クロースも前節同様に欠場となる。

依然として守備陣に欠場者が多いが、前節ビルバオ戦ではサッカーの質もインテンシティーも上がり、辛勝(1-0)ではあったものの久々に力強さを発揮しての勝利を飾った。相手のビジャレアルは翌週に控えるヨーロッパリーグ決勝(対マンチェスタ・ユナイテッド)に向け、ラウール・アルビオル、ダニエル・パレホ、ジェラール・モレーノら主力を温存することが濃厚。そこはマドリーにとってプラスに働くはず。

今週はベンゼマのフランス代表復帰の朗報も飛び込んだが、いまなお退団濃厚とされるジネディーヌ・ジダン監督の去就問題でもちきり。マッシミリアーノ・アッレグリやラウール・ゴンサレスといった次期監督候補の名前が、連日メディアを賑わせていた。

本来であればマドリー寄りのメディアを焚き付けて逆転優勝に向けた機運を生み出したいところだが、同じマドリード勢のアトレティコがライバルということでさほど「レモンターダ(逆転)」の空気感は出ていない。

2021-02-14-zidane-kroos-real-madrid

シーズン終盤の会見での振る舞いやコメントを見るかぎり、ジダン監督の退任は既定路線。契約が満了となるS・ラモスの退団も濃厚で、オファー次第ではヴァランの移籍(売却)もある。コロナショックによる減収で補強費はないため、フロレンティーノ・ペレス会長自慢の"銀河系補強"はかなり難しいが、間違いなく今夏のマドリーは次なるサイクルに向けて新たな一歩を踏み出すことになるだろう。

最後の最後までわからない

コロナ禍でのイレギュラーなシーズンを象徴するように、今季はアトレティコもマドリーもイレギュラーな事態や結果があった。だからこそ、最後の最後まで、試合終了のホイッスルが鳴るまでどちらが優勝するかはわからない。

アトレティコの断然有利は間違いないが、マドリーが早い時間帯に先制し、逆にアトレティコがバジャドリードに先手を取られるような展開になれば、勝点2の差など関係なくなる心理戦に突入だ。

断然有利なアトレティコか、大逆転を狙うマドリーか。決戦の時、真実の瞬間は近づいている。ラ・リーガのシーズン総決算、優勝を決める38節の2試合を見逃すな。

文・小澤一郎

1977年生まれ、京都府出身。サッカージャーナリスト。社会人経験を経て2004年にスペインに移住。バレンシア在住歴5年、スペインでは育成年代の指導者経験もあり。現在は、DAZNでラ・リーガ中継の解説も務める。(株)アレナトーレ所属。

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