ザルツブルクで公式戦22試合29ゴール、2020年1月に加入したドルトムントで同12試合12ゴールと類稀な得点力を見せつけ、一躍トップシーンに躍り出たアーリング・ハーランド。2018-19シーズンまでほぼ無名のティーンエイジャーに過ぎなかったが、いまやキリアン・ムバッペと並び、向こう10年のサッカー界を牽引しうる大器として注目を集めている。レアル・マドリードやパリ・サンジェルマンから狙われているように、20年夏以降の移籍市場における主役候補でもある。
16年に母国ノルウェーのブリンでシニアデビューを果たし、17年2月に加入したモルデでオレ・グンナー・スールシャール監督（現マンチェスター・ユナイテッド）の指導を受けたハーランドが、その名を世界に轟かせたのは昨年5～6月開催のU-20ワールドカップ。ホンジュラス戦で衝撃の9ゴールを挙げ、ゴールデンブーツ（得点王）を受賞した。
その大会後、わずか6日間の休暇でザルツブルクに再合流。加入2シーズン目のオーストリア王者で定位置を掴むべく、ジェシー・マーシュ新監督に猛アピールした結果、セビージャに移籍したFWムナス・ダブールに代わるエース候補に名乗りを上げた。その後の活躍はまさに圧巻で、UEFAチャンピオンズリーグ（CL）デビュー戦で史上3番目の若さ（19歳58日）でのハットトリックを達成。そこから5戦連発の離れ業もやってのけた。
ハーランドの勢いはドルトムント加入後も一向に衰えず、ブンデスリーガ初戦（18節アウグスブルク戦）で途中出場から3ゴールを挙げると、続くケルン戦でリーグ史上最速で計5ゴールに到達。CLパリ・サンジェルマン戦では火を吹くような衝撃弾を突き刺した。記録にも記憶にも残る鮮烈なパフォーマンスで世界のファンを熱狂させている。
プレースタイル
シュートセンスは文字通りピカイチ。インステップの強烈なシュートとコース重視のインサイドキックを使い分け、ペナルティーエリアの内外を問わずにゴールを狙いに行く。クロスに合わせるセンスや密集エリアでマークを外す動き出しの良さも持ち味だ。
194cm・87kgと恵まれた体躯を誇り、ポストプレーの上手さや空中戦の強さといった大型FWの典型的な特徴を備える一方で、スピードやアジリティーにも優れ、裏への鋭い飛び出しも秀逸。守備も献身的にこなすなど、フィニッシュ以外の局面でも貢献度が高い。
動画：プレー＆ゴール集
プライベート
元ノルウェー代表の父親アルフ・インゲ・ハーランドがリーズでプレーしていた00年7月に英国で生まれ、3歳の時に家族とともにノルウェーに移り住んだ。代理人はズラタン・イブラヒモヴィッチ（ミラン）やマリオ・バロテッリ（ブレッシャ）を顧客に持つ大物エージェントのミーノ・ライオラ。ドルトムントでの 住まいはフェニックス湖ほとりのアパート で、雰囲気は故郷ブリンのそれに少し似ているようだ。
プロフィール・経歴
アーリング・ハーランド／Erling Haaland
2000年7月21日生まれ 194cm・87kg 利き足：左
| シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
|---|---|---|
| 2016 | ブリン | 16試合・0得点 |
| 2017 | モルデ | 14試合・2得点 |
| 2018 | モルデ | 25試合・12得点 |
| 2018-19 | ザルツブルク | 2試合・1得点 |
| 2019-20 | ザルツブルク | 14試合・16得点 |
| ドルトムント | 15試合・13得点 | |
| 2020-21 | ドルトムント | 20試合・19得点 |
※成績は国内リーグ（2021年3月18日現在
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