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【コラム】久保建英が復活へ!舞台裏にあった努力の日々「復帰に近づく度、試合に勝ったような表情を浮かべていた」| ラ・リーガ

【コラム】久保建英が復活へ!舞台裏にあった努力の日々「復帰に近づく度、試合に勝ったような表情を浮かべていた」| ラ・リーガ(C)Getty Images
【海外サッカー プレビューコラム】ヘタフェ戦でマジョルカの招集メンバーに含まれることになる久保建英。地元紙『ディアリオ・デ・マジョルカ』のマジョルカ番記者が、日本人MFの負傷から復帰を果たすまでの道程を描出する。

「おはよう。今日は何をすればいい?」

ここ数週間、久保建英が最も繰り返していた質問だ。毎朝、黒いアウディSUVに乗ってマジョルカの練習場にやって来る彼は、人と触れ合うときには笑顔を絶やすことがない。しかし、ひとたびリハビリや練習を開始すれば、最大限の集中力を発揮する。その鋭い眼差しが見据えていたのはもちろん、怪我からの回復を果たすこと、実戦復帰を果たすことだった。

11月最終週、久保はようやくトンネルの先の光を見た。27日に行われるラ・リーガ第15節、本拠地ソン・モッシュでのヘタフェ戦で、彼はピッチに立つ可能性がある。9月22日のラ・リーガ第6節、サンティアゴ・ベルナベウを舞台とした所属元レアル・マドリーとの試合で右ひざを痛めてから約2カ月が経ち……、人目にほとんど触れなかった久保の努力が報われることになるのだ。

負傷した当初は様々な情報が交錯していたが、マジョルカはその頃から久保が8~10週間で復帰を果たすことを想定していた。実際、これまで個別にリハビリや練習に励んできた久保は、24日にチームの全体練習に参加。練習場に登場した際には、チームメートがつくった花道をくぐって、頭を小突かれる“あたたかな”祝福を受けた。それは新加入選手が初めて練習に取り組むときに行われる洗礼だが、久保も待望の補強選手と称せるのかもしれない。マジョルカはラ・リーガここ8試合でわずか1勝しか挙げておらず、救世主を必要としていたのだから。

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さて、ここから久保が復活するまでの道程を記していこう。右ひざを痛めてレアル・マドリーの医療スタッフによる検査を受けた彼は、まず自宅で休養を取ることになった。基本的に家から出るのは、17キロの距離にあるマジョルカの練習場に赴くときのみ。練習場では、10年以上にわたりマジョルカの選手たちの世話してきた理学療法士マギ・ビセンスが、松葉杖で負荷をかけないようにしているひざのケアを担当した。そして松葉杖が必要なくなると、リハビリトレーナーのラウール・ロペスがつきっきりで久保を指導している。

久保はラウールの指導のもと、筋肉量を落とさないためにジムで練習に励み、並行してビセンスによる治療も受け続けた。この間、ラウールとビセンスは久保とっての最善が何かということを何度も、何度も話し合っている。彼らが言うには、若き日本人選手は少しでもひざが快方に向かうと、まるで試合に勝利したように喜びの表情を浮かべていたという。ただマジョルカが本当の試合では勝てていないため、チームを助けられないことには歯痒さを感じていたようだ。そう感じていたのは、何も久保だけではなかった。マジョルカ監督ルイス・ガルシア・プラサは毎週にわたって、彼の回復具合についてラウールとビセンスに問いかけ続けていたのだった。

久保は数週間前に飛行機に乗ってマジョルカ島からスペイン首都へと飛び、再びレアル・マドリーの医療スタッフの検査を受けた。その結果はこれ以上ないものであり、久保本人はもちろんのこと、ラウールとビセンスの努力も報われている。ラウールは22日に行われたラージョ・バジェカーノ戦(1-3)の前に、久保がすでに全体練習に合流できる状態であることをルイス・ガルシアに報告したが、指揮官は試合後まで待つことにした。こうして24日、久保は晴れて全体練習に合流し、チームメートたちから新加入選手としての洗礼を受けることになったわけだ。

ルイス・ガルシアの当初の想定では、久保は12月4日のアトレティコ・デ・マドリー戦で復帰させる予定だった。しかしながら彼の調子と意気込みはその想定を上回るほど素晴らしく、そのため全体練習に合流した直後のヘタフェ戦で、いきなり実践復帰を果たす可能性すら生まれている。ルイス・ガルシアは試合前の会見で、次のように述べた。

「タケはまだ少ししか練習に取り組めていないが、招集メンバーに含まれることになる。必要な状況が生まれない限り起用することはない。もう少し確実に、練習に取り組ませたいからね。彼のひざの状態は素晴らしいよ。しかし、まだ試合勘が足りていないんだよ。とにかく、素晴らしいニュースとなった。タケは負傷するまで、このチームにとって本当に大切な選手だったからね」

「タケが先発でプレーするまでは、まだほんの少しだけ時間がかかるだろう。100%……、いや、少なくとも60分間プレーできる状態になったらそうさせてもらうよ。今は短時間だけプレーできるコンディションで、今回の試合はギリギリ間に合ったと言っていい。いずれにしても、彼は私たちが持っている弾であり、必要ならば15~20分間だけ起用することになるかもしれないね」

ひざを痛めてから66日……、階段を一歩一歩のぼってきた久保は、大好きでたまらないフットボールにまもなく興じることができる。そしてマジョルカは、そんな彼の才能を必要としている。


文/セバスティア・アドロベル(Sebastia Adrover)、マジョルカ地方紙『ディアリオ・デ・マジョルカ』

翻訳/ 江間慎一郎(Shinichiro Ema)

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