フランシス・コクランのキャリアは決して順風満帆なものではなかった。
2008年の夏、当時アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督にその才能を高く評価されてラヴァルからガナーズ入りしたコクランは、同年にトップチームデビュー。10代時にはロリアン、フライブルクなどへのレンタル移籍で武者修行に出た。
2014年の冬には中盤に負傷者が続出したアーセナルに呼び戻されると、年明け以降に不動のレギュラーとして躍動し、8連勝などを達成したチームに大きく貢献。このパフォーマンスが認められ、2015-16シーズンと2016-17シーズンも主力として活躍した。
しかし、2017-18シーズンは負傷で出遅れたこともあって定位置を失うと、2018年1月にはバレンシアへ移籍。3月にはアキレス腱断裂の重傷を負ったことで、シーズンを棒に振ることになった。アーセナルでポジションを失い、新天地として選んだバレンシアでも負傷に泣かされ、コクランのキャリアは暗いトンネルを歩むことになるかとも危惧された。
翌シーズンも負傷の影響で出遅れ。だが、復帰したコクランは周囲の懸念を振り払うかのように躍動した。リーグ4位フィニッシュだけでなく、コパ・デル・レイではバルセロナ相手にハイパフォーマンスを披露。11シーズンぶりのタイトルを獲得したチームの重要人物となった。
マルセリーノ監督、さらに後任のセラーデス監督の解任と揺れた2019-20シーズンもコクランは安定感あるプレーを継続。バレンシアニスタからも信頼を勝ち取っていたが、クラブ財政面や上層部の意向とも伝えられて売却対象に。そこにすかさず目を付けたのはビジャレアル。推定500万ユーロで加入することが決定し、2020-21シーズンは“イエローサブマリンの新たなエンジン”として大きな期待が寄せられている。
プレースタイル
豊富な運動量と高いボール奪取能力が特長のセントラルMF。プレミアリーグで培ったフィジカルと鋭いタックルでボールを刈り取り、攻撃の起点となるパスを出すことができる。闘志溢れるプレースタイルながらもピッチを俯瞰できる冷静さも持ち合わせており、最終ラインのカバーやバイタルエリアのスペースを埋める器用さも備えている。
プロフィール・経歴
フランシス・コクラン/Francis Coquelin
1991年5月13日生まれ 178cm 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2010-11 | ロリアン | 24試合・1得点 |
2011-12 | アーセナル | 10試合・0得点 |
2012-13 | アーセナル | 11試合・0得点 |
2013-14 | フライブルク | 16試合・0得点 |
2014-15 | チャールトン | 5試合・0得点 |
2014-15 | アーセナル | 22試合・0得点 |
2015-16 | アーセナル | 26試合・0得点 |
2016-17 | アーセナル | 29試合・0得点 |
2017-18 | アーセナル | 7試合・0得点 |
2017-18 | バレンシア | 9試合・1得点 |
2018-19 | バレンシア | 26試合・0得点 |
2019-20 | バレンシア | 26試合・0得点 |
2020-21 | バレンシア | 14試合・0得点 |
※成績は国内リーグ(2021年2月16日現在)
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