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AFCアジア最終予選

【コラム】サイドバックの地殻変動。日本代表にも起こり始めた「サイドバック=ゲームメーカー」の流れ | サッカー日本代表

【コラム】サイドバックの地殻変動。日本代表にも起こり始めた「サイドバック=ゲームメーカー」の流れ | サッカー日本代表(C)2021 Asian Football Confederation
【サッカー日本代表 レビューコラム】AFCアジア予選 (FIFAカタール・ワールドカップ2022 アジア最終予選)の折り返しとなったベトナム戦。様々なアクシデントを乗り越え辛勝ながら勝点3を掴んだ一戦は、視点を変えれば、日本代表のサイドバックにも“確かな変化”が起こった90分でもあった。その地殻変動をエル・ゴラッソで日本代表を担当する西川結城氏に明かしてもらった。
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ベトナム戦の“隠れ注目ポジション”

欧州組の選手たちを乗せたチャーター便の到着が大幅に遅延し、選手全員が揃っての練習は試合前日のみ。そんなアクシデントも、森保ジャパンは1-0の勝利で乗り切ってみせた。コンディション面や時差など試合環境に適合できないまま試合に突入した選手たちは多く、そうした事実はもちろんこの僅差の辛勝という結果に対する、エクスキューズにもなり得るだろう。

ただ、万全ではない状態が理由で、チームパフォーマンスが鈍化したのかどうかは他の記事に譲りたい。今回はチームの総論ではなく、あえてこのベトナム戦で見えた各論、あるポジションの今後について考察していきたい。

そのポジションとは、サイドバック。この試合をDAZNで解説していた内田篤人氏は「サイドバックがゲームメーカーになるしかないですよ」と語っている。数的優位か否かといった、数の論理で人の当てはめやズレを生じさせることが現代フットボールの中盤では頻繁に起きている。そうなれば自ずと、ボールの逃げ場になる、且つプレーに変化を生みやすい位置が、サイドになってくる。なかでも後方位置にいて、ピッチと布陣全体を見渡しながらプレーしやすいサイドバックは、どこに自分が立ち、視野を確保し、パスを通していくかを比較的自在に判断できる立場にある。つまり、かつてより優れた戦術眼やプレービジョンが必要になってきたポジションだと換言できる。

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酒井の不在。抜擢された山根の特徴

この記事を書くきっかけとなったのが、ベトナム戦でピッチに立った二人のサイドバック、右サイドで先発出場した川崎フロンターレの山根視来と、63分から途中出場したオランダ(ズヴォレ)でプレーする中山雄太である。

山根の抜擢は、本来右サイドバックで不動の存在である酒井宏樹(浦和レッズ)が負傷のため欠場したことが理由だった。プレー強度の高さで右に出る者はいない存在の酒井。それは3年前のロシアワールドカップや今夏の東京オリンピックと、世界の舞台でも大きな武器となっている。

2021-11-12-Japan-Yamane

一方、10月のオーストラリア戦(2◯1)から採用した[4-3-3]システムの機能に向けて、またそれに付随した起用人選の是非といった話題になってくると、必ず名前が出てくるのが山根だった。同じく[4-3-3]でプレーする川崎Fにおいて、一つ内側のレーン(ハーフスペース)を攻略するポジショニングや、そこから神出鬼没に相手DF背後やゴール前に飛び込んでいく攻撃センスは、単なるサイドプレーヤーの領域を超えた多彩さを誇る。

また、彼の魅力として挙げられるのが「パスを出せる」サイドバックであるところ。いわゆる内田氏が言う「サイドバックがゲームメーカーの役割をする」という着目であり、CBやボランチが前線にくさびのパスを入れるように、彼が前方中間ポジションを取る味方に向けてグサりとボールを入れられることが大きな武器となっている。

吉田の要求に応え、伊東の武器を生かす

ベトナム戦、山根は川崎Fでのプレー時よりもスムーズさは欠いていた。チームで右サイド縦のコンビを組むのは、Jリーグ屈指のキープ力とテクニックを誇る家長昭博。彼のタメを作るプレーと山根のフォローアップする動きが絡み合う関係である一方、この試合で縦の関係となった伊東純也は、敵陣突破にあまり連係を必要としないスピードアタッカー。二人の連なりから何かが生まれるという場面は少なかった。ただ、右のインサイドハーフに位置した田中碧とは、元々川崎Fのチームメイト。山根が内側の位置に入ってくると田中がそこのスペースを空け、また小気味よいパス交換を見せるなど意図のある二人のプレーは存在した。

最終ラインでともにプレーした主将のDF吉田麻也は、山根についてこう話す。

「今回、視来はチーム(川崎F)とやり方が同じで、よりチームのほうが攻撃参加する形が多いと思うけど、そこは彼と話して、『今回は相手のカウンターに(守備で)備えてほしい』と伝えた。(同じ[4-3-3]でも)川崎Fのほうがより攻撃的でボールを保持して、やっていいプレーと駄目なプレーが明確だけど、代表ではリスクマネジメントを考えて後ろに比重を置いてもらった。それでも相手が[5-3-2]とか[5-4-1]の5バックでブロックを作るので、サイドバックは顔を上げてどうしようかという時間が長くなるものだけど、そこでもパスを出して攻撃を組み立てていた。もちろん守備でもピンチを救ってくれていた」

中盤でフリーになった選手を見逃さず、斜めに入れていくパスをベトナム戦でも見せていた。また後半には前方の伊東の速さをシンプルに生かすスピードパスを入れるなど、試合の中で味方の特徴を理解し、すぐにアジャストしていく能力も垣間見せた。

現状の布陣で攻撃のビルドアップを機能させることを考えた場合、山根の存在は確実に起用の選択肢に入ってくる。たとえ酒井という確かな選手がいても、チョイスが悩ましくなるほどの急上昇株だ。

中山雄太が示した、スイッチ役の働き

2021-11-12-Japan-Nakayama

その「ビルドアップを機能させる」という観点からすると、逆サイドにも地殻変動が起きてもおかしくはない。ここには言わずと知れた、絶対的存在として左サイドバックでプレーし続けるDF長友佑都がいる。ただ、ここまで山根について考察してきた同じ文脈で、ベトナム戦で途中出場した中山が見せたプレーにも適応能力の高さが見て取れた。

長友の最大の武器は、試合を通してサイドを上下動できる豊富な運動量。この試合でもそれは健在だった。一方、現代フットボールのサイドバックに求められる「ゲームメーカー気質」のプレーをするタイプではない。優れたボールの受け手であるものの、彼がボールを動かすこと自体が攻撃のスイッチングになることは少ない。

途中出場の中山が見せたのが、このスイッチを入れるようなボール出しだった。例えば、自陣左サイドから浮き球で中盤中央にパスを届けたプレー。味方や敵を複数人飛ばし、的確に配給したそのパス出しは、まさにサイドバックが司令塔然となった瞬間だった。また、同じく途中出場の浅野拓磨の速さを縦方向に生かすフィードも放っていった。

中山本人は以前、「長友さんのように高い位置で仕掛けていくプレーが、自分の課題。その解消に取り組んでいる」と話していた。とはいえ、彼は相手の立ち位置を見ながら柔軟に人とボールを引き出してしていく現代フットボールでは、そのキックの多彩さという武器をサイドバックでも十分に生かせる存在だ。

「サイドバック=ゲームメーカー」の時代

いますぐ、長友や酒井にとって代わって彼らにポジションを与えるべきだ、といった極論を記しているわけではない。相手のタイプ、戦況といった試合要素を考えた場合、世界の高いレベルで戦ってきた二人が強みを発揮するシーンはまだまだ数多い。

ただ、現代フットボールの最前線では、サイドバックがMFのように振る舞う流れが醸成されて早数年は経っている。Jリーグでロジカルなサッカーで優位に走る川崎Fや横浜F・マリノスを見ても、山根や登里享平(川崎F)、松原健やタイ代表のティーラトン(横浜FM)と、攻撃のスイッチャーとして機能する人材がサイドバックを務める。

日本代表にも、「サイドバック=ゲームメーカー」の流れがやってくる――。ここ最近、誰もが薄々感じていたかもしれない予感が、現実となっていくかもしれない。

文・エル・ゴラッソ日本代表担当 西川結城

サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の日本代表担当記者兼、事業開発部統括マネージャー。過去に名古屋、川崎F、FC東京担当を歴任。名古屋担当時代に本田圭佑や吉田麻也を若い時代から取材する機会に恵まれる。その他雑誌『Number』や新聞各紙にも寄稿する。

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W杯アジア最終予選|試合日程・配信/放送予定

W杯アジア最終予選では、日本代表のホームは地上波(テレビ朝日)とDAZNが同時に中継・配信を行うが、アウェイではDAZNが独占配信する。

11月17日(水)01:00 オマーン vs 日本(グループB第6節)

 00:00 やべっち・内田の裏チャンネル
(解説:内田篤人氏 MC:矢部浩之氏)

試合の解説とMC中国とのは第2戦でもコンビを組んだ内田篤人氏と矢部浩之氏。気になるシーンを即座にリプレーで振り返って解説します。キックオフ1時間前からお届けする直前情報コーナーには、メインチャンネルで解説を務める佐藤寿人氏も参加。発表されたスタメンを軸に、サイドバックの視点から内田氏が、FWの視点から佐藤氏が、サポーター代表としてやべっちが試合の行方を占います。試合後は再び佐藤氏が合流して3人で試合を詳細に振り返るのはもちろんのこと、2022年に行われる予選残り4試合に向けた展望も行います。また配信中はツイッターで視聴者からの質問を募集し、内田氏がライブで回答します。ハッシュタグは「#やべっち内田の裏チャンネル」となります。ぜひご参加ください。

 00:45  メインチャンネル
(解説:佐藤寿人氏 ゲスト解説:岡田武史氏 実況:西岡明彦氏)

解説には、DAZNでは毎週金曜配信の『Jリーグ プレビューショー』でホストを務めている佐藤寿人氏。ゲストにはW杯で2度に渡って日本代表を率いた岡田武史氏を迎えてお届けします。オーストラリア戦では極限の緊張感での一戦を勝ち切った森保一監督に寄り添う試合後のコメントが話題となりました。第6戦オマーン戦でも日本を指揮した経験者にしか分からない監督の心理を紐解きます。

開催日試合配信・放送予定

DAZN
解説・実況

11月17日(水)
1:00
[MD6]
オマーン vs
日本
DAZN  ※メインチャンネル解:佐藤寿人
ゲ:岡田武史
実:西岡明彦
11月17日(水)
1:00
[MD6]
オマーン vs
日本
DAZN  ※裏チャンネル
【24:00配信開始】
「やべっち・内田の裏チャンネル」
解:内田篤人
MC:矢部浩之
1月27日(木)[MD7]
日本 vs
中国
DAZN  
テレビ朝日
 
2月1日(火)[MD8]
日本 vs
サウジアラビア
DAZN  
テレビ朝日
 
3月24日(木)[MD9]
オーストラリア vs
日本
DAZN  
3月29日(火)[MD10]
日本 vs
ベトナム
DAZN   

AFCアジア予選 – Road to Qatar – オリジナルコンテンツ配信予定

11月12日(金)AFCアジア予選 第6戦オマーン戦プレビュー

初戦で敗れたオマーンとのリターンマッチをプレビュー。またグループB注目の首位争い、オーストラリア vs サウジアラビアの結果も詳しくお伝えします。(主な出演者:佐藤寿人氏、水沼貴史氏))

11月13日(土) or 14日(日)代表選手 単独インタビュー

11月14日(日)やべっちスタジアム #48

中田浩二氏、中村憲剛氏のダブル解説で第5戦ベトナム戦の振り返りと第6戦オマーン戦を展望します。(主な出演者:矢部浩之氏、中田浩二氏、中村憲剛氏)

11月16日(火)森保一監督 オマーン戦前日会見

第6戦オマーン戦を翌日に控えた森保一監督の共同会見の模様を配信いたします。

11月16日(火)Jリーグ ジャッジリプレイ #35

話題となった判定を振り返るDAZNの名物番組「Jリーグ ジャッジリプレイ」。今回は11日に行われたベトナム vs 日本の試合から注目のジャッジを取り上げます。※ジャッジリプレイの対象になる事象がなかった場合は、変更となる可能性があります。(主な出演者:原博実氏、平畠啓史氏、桑原学氏)

11月19日(金)AFCアジア予選 第5&6戦レビュー -ROAD TO VICTORY-

AFCアジア予選の第5戦ベトナム戦、第6戦オマーン戦を中心に日本代表の戦いを振り返ります。これまでの試合で採用された戦術と選手起用について徹底討論。2022年1,2月に行われる第7戦中国戦、第8戦サウジアラビア戦に向け、勝利の方程式を導き出す特別番組です。(主な出演者:岩政大樹氏、佐藤寿人氏ほか)

11月21日(日)やべっちスタジアム #49

第6戦オマーン戦を振り返ります。またこの一戦が日本代表年内最後の試合となることから、9月に行われた第1戦から第6戦までを総括して、翌年に残された残り4試合の戦いを占います。※詳細未定(主な出演者:矢部浩之氏、他(未定)

11月23日(火)Jリーグ ジャッジリプレイ #36

16日に行われたオマーン vs 日本の試合から注目のジャッジを取り上げます。※ジャッジリプレイの対象になる事象がなかった場合は、変更となる可能性があります。(主な出演者:原博実氏、平畠啓史氏、桑原学氏)

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