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明治安田J1リーグ

【コラム】豪華な顔ぶれの中にアンドレス・イニエスタの存在あり。観る者を魅了するヴィッセル神戸のサッカー

小野慶太
【コラム】豪華な顔ぶれの中にアンドレス・イニエスタの存在あり。観る者を魅了するヴィッセル神戸のサッカーDAZN
【国内サッカー・ライターコラム】リーグ再開後2試合を消化した明治安田生命J1リーグ。アンドレス・イニエスタを中心に個性際立つメンバーが揃うヴィッセル神戸は、敵地で大分トリニータと対戦。古巣対決となるFW藤本憲明が出場するのか注目だ。
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■観る者を感嘆させるスペインの至宝・イニエスタ

明治安田生命J1リーグ第3節、アウェイでのサガン鳥栖戦。その75分、後方からの浮き球パスにヴィッセル神戸のFWドウグラスが応じる。迷うそぶりもなく、跳躍しながら繰り出したボレーシュートは、力強い弾道で鳥栖のゴールネットに突き刺さった。

序盤から圧倒的なポゼッションで攻め続けたアウェイチームに、ようやく訪れた歓喜のとき。1-0の勝利を収める価値ある決勝弾。試合終了直後に行われたDAZNのインタビューで、ヒーローはそのスーパーゴールを冷静に振り返っている。

「中央からの崩しでは、本当に質の高いプレーを出せると思う。特にアンドレス(イニエスタ)が関わってくると、相手が予想できないようなパスが出てくるので、僕らはそれに準備しておくだけ。決められて良かった」

得点シーンを巻き戻すと、そこにいたのはMFアンドレス・イニエスタだった。

日本のサッカー界に興奮と感動をもたらし続けるスペインの至宝、魔術師――。味方からのパスを受け、ワンタッチで敵ディフェンダーの頭上を超える、ピンポイントの浮き球パスをドウグラスに届けた背番号8。90分という試合時間で刹那に訪れた芸術的な瞬間は、映像を介し、多くの人が言葉を失い、その衝撃に心を震わせるワンシーンだった。

神戸が掲げるスタイルの根幹はポゼッションだ。ボールを持ってゲームを支配し、人とボールが連動しながら相手ゴールを攻略していく。その中心にいるのがイニエスタであり、鳥栖戦やリーグ再開初戦だった第2節サンフレッチェ広島戦でも数多くの“違い”をピッチで示し続けている。

ボランチやトップ下、インサイドハーフなど、中盤の様々なポジションで起用され、トルステン・フィンク監督が構築する戦術の中で、指令役として君臨するイニエスタ。相手には嫌で、味方にとっては頼もしいポジショニングを繰り返し、ゲームを作り、展開すれば、キラーパスを造作もなく通す。必要に応じて自らドリブルを仕掛けてチャンスメイクし、ゴール前に飛び込んで得点を狙うことも。ピッチレベルの選手でさえ“予測できない”プレーは、観る者を驚愕の渦に引き込んでいく。

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■鳥栖戦の勝利は自信を取り戻すきっかけに

昨季途中から指揮を執るトルステン・フィンク監督率いる神戸は今季、最良のスタートを切った。2020年最初のゲームだった新国立競技場での天皇杯、元日決勝で鹿島を破りクラブ史上初のタイトルを獲得。短いオフを経て始動した今季は、FWダビド・ビジャが現役引退し、FWルーカス・ポドルスキが移籍した中で、清水からFWドウグラスを新たな得点源として完全移籍で獲得した。

今季初戦となったFUJI ZEROX SUPER CUPでは、昨季リーグ王者の横浜F・マリノスを相手に、イニエスタのスルーパスからドウグラスが神戸初得点を記録するなど活躍し、PK戦の末に勝利。続くACLグループリーグのジョホール・ダルル・タクジム戦では下部組織出身の生え抜きアタッカーFW小川慶治朗がハットトリックを記録して快勝を収め、韓国の水原三星もアウェイで撃破した。リーグ開幕戦は横浜FCとドローだったが、昨季日本代表に初選出された期待のFW古橋亨梧が同点ゴールを決め、中断前の公式戦4試合で4得点を挙げる存在感を発揮。その躍動感の中心にイニエスタが君臨し、チームは確かな強さとともにあった。

それだけに、新型コロナウィルスによるリーグ中断は、良い流れだったチームには痛恨だったことだろう。およそ4か月を経て再開したリーグ戦、その初戦で神戸は広島に0-3で完敗。ポゼッションで優勢に立ちながらも広島の堅い守りを最後まで崩すことができず、ドウグラスも決定的なチャンスを仕留められなかった。

中3日で迎えた鳥栖戦を前に、「敗北のあとに次の試合がすぐに来るのは良いこと。すぐに勝ち点を取るチャンスが来たということだ」と話していたのはトルステン・フィンク監督。早速訪れたリベンジのチャンスで、神戸はイニエスタ→ドウグラスという今季のホットラインを見事に開通させ、リーグ戦初勝利をつかみとった格好だ。

タレント集団と表現される神戸は、各選手の個性が際立つのも特徴だ。ドウグラスの超人的なバネ、古橋、小川らのスピード、FW田中順也の強力な左足シュートやMFセルジ・サンペールの配球など、各ポジション、ベンチワークを含めて見どころは多彩。それら個性が最大公約数的に発揮されることで、ダイナミックかつ大胆、度肝を抜くプレーが生まれていく。

鳥栖戦は、予期せぬ中断や広島戦の敗戦という過去を払拭し、個々のパフォーマンスや連係への自信を取り戻すきっかけに成り得る勝利。無用に抱えかねない緊張やプレッシャーから解放され、スーパープレーを目撃する確率を格段に高めたとも換言できる。

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■古巣対決となる藤本憲明に出番は訪れるか

今節は再開後2連勝中と好調な大分のホームに乗り込む一戦。鳥栖戦から中2日と過酷なスケジュールであり、メンバー編成は流動的になりそうだが、例えばFW藤本憲明は鳥栖戦で途中出場ながら好パフォーマンスを見せていただけに、昨季途中までエースとして活躍した大分の地で大暴れする準備は十分だろう。

藤本は「神戸に来てから2回、大分と対戦し、リーグ戦ではアウェイで引き分け、天皇杯では勝つことができたたけど、個人として結果、勝利に貢献することはできなかった。勝利に貢献してゴールを決めるところは常にもって行きたい」と意気込みを口に。今節は“有観客″での1試合目ともなるが、「去年の夏に(神戸へ)移籍してきた時も最初の試合が大分だった。そういう縁もあると思う。大分で僕が育ててもらったのもあるので、ゴールという形で恩返しじゃないですけど、勝利を前提に置いてアウェイでも勝ちたいと思う」と必勝を誓った。

鳥栖戦のゴールシーンをあらためて振り返れば、イニエスタにパスを出した今季の飛躍が期待される郷家友太のワンタッチパスも爽快であり、一連の″崩し″の流れそのものがアーティスティック。サッカーの醍醐味を教授するような魅力に満ちていた。

いつ、その瞬間が登場するのか。見逃せないシーンが訪れること必至の神戸戦をチェックしない選択肢はないだろう。そういう期待を神戸は背負い、そして、最高のパフォーマンスで応える準備を整えていることは間違いない。

文・小野慶太

2011年からサッカー専門新聞「エルゴラッソ」でヴィッセル神戸を担当。精力的に現地取材を行い、神戸の今を届けている。

明治安田生命J1リーグ第4節 放送予定

日時対戦カード会場放送予定
7月11日(土)19:00川崎フロンターレ vs 柏レイソル等々力DAZN
NHK BS1
7月11日(土)19:00大分トリニータ vs ヴィッセル神戸昭和電ドDAZN
NHK大分
7月12日(日)18:00横浜FC vs ベガルタ仙台ニッパツDAZN
7月12日(日)18:00清水エスパルス vs ガンバ大阪アイスタDAZN
7月12日(日)18:00サガン鳥栖 vs サンフレッチェ広島駅スタDAZN
7月12日(日)19:00浦和レッズ vs 鹿島アントラーズ埼玉DAZN
テレ玉
7月12日(日)19:00湘南ベルマーレ vs 北海道コンサドーレ札幌BMWスDAZN
7月12日(日)19:00セレッソ大阪 vs 名古屋グランパスヤンマーDAZN
7月12日(日)19:30横浜F・マリノス vs FC東京日産スDAZN

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