ベティスでのホーム最終戦を終えたDFエクトル・ベジェリンが、試合終了後に見せた振る舞いが大きな話題となっている。
昨夏の移籍市場で、1年のレンタル移籍によってベティスに加わったベジェリン。条件的にはもっと良いオファーがあったようだが、セビージャ出身の祖母や父がその人生をかけて愛し続け、そのために自身もファンであったということが、緑白のクラブ加入の決め手だったという。
ベジェリンはベティスでヨーロッパリーグ出場権獲得、そしてクラブにとって久々のタイトルとなったコパ・デル・レイ優勝に貢献。そして15日、本拠地ベニト・ビジャマリンでの今季最終戦グラナダ戦(2-0)終了後には、あふれる思いを止められなくなってしまった。
試合後、観客がまばらに残ったスタジアムでベジェリンはピッチを一人歩き回り、その名を呼ばれると胸のエンブレムを指し示したり投げキッスをしたりして返答。その後スパイクを脱いで裸足で芝生を感じながら座り込み、感傷的な表情を浮かべていた。そんな彼のもとには、まずチームメート、その次に家族が近寄ってきた。ベジェリンは父親と力強く、それでいて優しい抱擁を交わすと、そこで涙があふれ出すことに。両手で顔を覆い、涙を拭うなどしながら、何とか平常心を保とうとしていた。
ベティスはこのベジェリンの映像をSNSを通じて発信したが、大きな反響を呼んでいる。ベティス出身の現レアル・マドリードMFダニ・セバジョスは「どれだけのベティスモ*ベティス主義)がこの映像にあるんだ。センチメントの模範だ」とつぶやき、その一方でFWボルハ・イグレシアスはFWアイトール・ルイバルに対して「聞いてくれ、ベジェリンが残れるようにクラウドファインディングをやるか?」と問いかけて、ルイバルから「必要だ」と返答された。
ベジェリンと彼が今夏復帰を果たすアーセナルとの契約はあと1年残っており、ベティスが来季も戦力に加えたい場合には、移籍金がかかること必至だが……。果たして、ベティスに自分の居場所を見出した男は、来季も緑白のユニフォームを着ることができるのだろうか。
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