アルゼンチン・ブエノスアイレス州に生まれたエミリアーノ・マルティネス。母国のCAインデペンディエンテのユースチームで選手キャリアをスタートさせると、2009年のU-17南米選手権での活躍が注目を集め、イングランドの名門アーセナルからオファーを受ける。後のインタビューで本人は、悩みに悩んだが、貧しい家族を支えるために欧州挑戦を選択したと明かしている。
そんな葛藤もありながら、2010年にアーセナルの下部組織へと完全移籍。2年後には、当時リーグ2(4部相当)に所属していたオックスフォード・ユナイテッドへ初のレンタルを経験する。その後も名門の激しいポジション争いに絡むことができず、アーセナルではほとんど出番なし。在籍10年間で計6クラブへとレンタルされる。
悔しい思いを抱えながらも着実にレベルアップしていくと、2019-20シーズンはアーセナルでのポジション争いを決意して残留する。しかし、正守護神ベルント・レノの壁は厚く、第2GKとして控えに甘んじていた。それでも諦めずにトレーニングを続けると、レノの長期離脱に伴い、終盤戦にポジションを獲得。すると目覚ましい活躍を見せ続け、FAカップ優勝の立役者となった。試合後のインタビューで応援し続けてくれた家族について問われると、「本当に何も言えないんだ」と人目をはばからず号泣する姿が感動を呼んだ。
この活躍に自信を手にしたマルティネスだったが、レギュラーポジション獲得のために10年在籍したアーセナルから退団することを決意。2020年夏にアストン・ヴィラへと加入すると、プレミアリーグ第15節終了時点でセーブ率「76%」と高いスタッツを記録。好調を維持し続け、躍進するチームを最後方で支えている。
プレースタイル
195cmの体躯と長い手足、強靭なフィジカルを持つショットストッパー。抜群の反射神経と判断の良い飛び出しでゴールを守るだけでなく、空中戦でも強さを誇る。そして、足元の技術も大きな武器。ボールを持つ際にも焦らず、冷静に見方の位置を確認することが可能で、長短のパスを織り交ぜながらビルドアップで大きな役割を果たしている。安定感の欠如を指摘された時期もあったが、トップリーグでレギュラーポジションを掴んでからは毎試合見事なプレーを続けている。現在プレミアリーグトップクラスの守護神と言ってもいいだろう。
プロフィール・経歴
エミリアーノ・マルティネス/Emiliano Martínez
1992年9月2日生まれ 195cm 88kg 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2011-12 | オックスフォード | 1試合・0得点 |
2013-14 | シェフィールド・ウェンズデイ | 11試合・0得点 |
2014-15 | アーセナル | 4試合・0得点 |
2014-15 | ロザラム・ユナイテッド | 8試合・0得点 |
2015-16 | ウォルバーハンプトン | 13試合・0得点 |
2016-17 | アーセナル | 2試合・0得点 |
2017-18 | ヘタフェ | 4試合・0得点 |
2018-19 | レディング | 18試合・0得点 |
2019-20 | アーセナル | 9試合・0得点 |
2020-21 | アストン・ヴィラ | 15試合・0得点 |
※成績は国内リーグ(2021年1月9日現在)
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。