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プレミアリーグ

【コラム】王者同士のプレミアリーグ頂上決戦。注目は“最後尾のプレーメーカー” だ| マンチェスター・シティ対チェルシー

【コラム】王者同士のプレミアリーグ頂上決戦。注目は“最後尾のプレーメーカー” だ| マンチェスター・シティ対チェルシー(C)Getty Images
【欧州・海外サッカー 展望コラム】プレミアリーグ第22節のマンチェスター・シティ対チェルシー(日本時間15日21:30~)。この頂上決戦で注目すべきは“最後尾のプレーメーカー”として機能しているエデルソンとチアゴ・シウヴァだ。

世界中が注目するプレミアリーグの頂上決戦。独走態勢に入った首位のマンチェスター・シティと、現在2位のチェルシーが激突する。「イングランド王者 vs ヨーロッパ王者」の大一番だ。

勝点10のリードを持つシティは、リーグ連覇に向けて視界良好だ。DFナタン・アケがゴールライン上で失点を防いだ前節のアーセナル戦では、リーグ戦での連勝を「11」まで伸ばした。ちょうど3年前の年始に、DFジョン・ストーンズがあと「1cm」で失点というピンチを救って優勝を手繰り寄せた名シーンが思い出される。

ただ、懐かしがってばかりもいられない。まだまだ越えるべきハードルが残っていて、その1つがこのチェルシー戦だ。

注目したいのは両チームのGKだ。逆転優勝のために3ポイントが欲しいチェルシーは現在、正守護神がチームを離れている。リーグ2位のセーブ率を誇るセネガル代表GKエドゥアール・メンディがアフリカネーションズ杯に参加中で、今回のビッグマッチではケパが代役を務めることになりそうだ。

そのスペイン人は2018年8月、アトレティック・クルブからGK史上最高額の移籍金(8000万ユーロ)で加入するも、昨季からメンディに次ぐ二番手に甘んじている。今季のリーグ戦はここまで1試合に出場したのみ。少し不安も感じられるが、トーマス・トゥヘル監督は「信頼している」と口にした。

パス成功率1位のエデルソン

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チェルシーを本拠地に迎えるシティには、プレミアリーグで2季連続ゴールデングラブを受賞したエデルソンがいる。2年連続の最多クリーンシートだけでも凄いが、彼の場合はそれ以上の仕事をこなしている。最後尾の“プレーメーカー”として機能しているのだ。

積極的に最終ラインのビルドアップにも参加するエデルソンは、プレスをかけられても冷静にボールを回す。チームメイトのDFカイル・ウォーカーが「パニックに陥ることはあるの? 見ている俺の方がパニックになるよ」と漏らすほどの落ち着きぶりだ。

元日のアーセナル戦でも、センターバックに並んでビルドアップに加わると、アタッカー陣に中・長距離のパスを振り分けて攻撃の起点となった。

ワンステップで右サイドのリヤド・マフレズに正確なロングボールを届けるなど、ゴールキックも光ったエデルソンはアーセナル戦でパス成功率92%(38本)を記録。相手のイングランド代表GKアーロン・ラムズデールの成功率37%(35本中)と比べると、どれだけ驚異的な数字か見て取れる。そうやってエデルソンは、いつもの美しいビルドアップが影を潜めたチームを最後尾からサポートしたのだ。

勝敗を分けたのも彼の一本のロングパスだった。DFアケがあわやオウンゴールの危機を救った直後、センターサークル付近でFWガブリエウ・ジェズスが倒される。敵DFにはレッドカードが出されたが、そのシーンをお膳立てしたのがエデルソンだった。

ゴールキックからピンポイントでライナー性のパスを最前線のジェズスに供給。それを同選手が胸トラップで反転し、相手のファウルを誘ったのである。そして、このレッドカードで試合の流れが一変し、数的優位になったシティが終了間際に決勝ゴールを奪ったのだ。

無論、アーセナル戦に限った話ではない。今季プレミアリーグのロングパス(27.5m以上のパス)の成功率を見ると、エデルソンはGKとしては最高の74.8%を記録している。彼の他に成功率70%を超えるGKはいない。ちなみに同じブラジル代表のアリソン(リヴァプール)が、66.1%で2位になっている(『FBref』参照)。

常に一番遠い所を意識して

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最終ラインからのロングフィードなら、チェルシーも負けていない。彼らにはDFチアゴ・シウヴァがいる。このCBのパス精度は折り紙付きで、パリ・サンジェルマン時代の2019-20シーズンには、長短のパスを含めて95.5%という欧州5大リーグで最高の成功率を記録した。

彼もエデルソン同様、常に一番遠い所を意識しており、今季のロングパス成功率はリーグ全体で見ても9番目に高い82.6%となっている。

そして、好機を生み出すパスも多い。アタッカーの飛び出しやウイングバックのオーバーラップを見逃さずにパスを放つ。敵陣ボックス内へ通したパスの数は、純粋なセンターバックとしては同僚のDFアントニオ・リュディガーに次ぐリーグ2位の10本。そういう決定的な仕事ができるため、今のチェルシーは世界的なパサーであるMFジョルジーニョに依存する必要がないのだ。

現に1月2日のリヴァプール戦(2-2)では、ジョルジーニョがベンチスタートだった。それでもチェルシーは、チアゴ・シウヴァが両チーム合わせて最多となるパス(ロングパスも最多)を送り、うまく攻撃を組み立てていた。

ジョルジーニョ不在の中盤では、運動量豊富なエンゴロ・カンテとコンビを組んだマテオ・コヴァチッチが獅子奮迅の活躍。自らボールを回収してパスやドリブルで攻撃のリズムを生み出し、超絶ボレーシュートまで決めてみせた。

チアゴ・シウヴァに展開する役割を任せることで、コヴァチッチとカンテの2ボランチが機能するというわけだ。

だからシティ戦でもチェルシーの中盤の構成は注目だし、個人的な希望を言えばコヴァチッチとシティのMFイルカイ・ギュンドアンの“競演”を見たい。彼らはタイプこそ違えど、どちらもボールの貰い方と局面の打開が巧い。ダイナミックなコヴァチッチと優雅なギュンドアン。彼らは今のプレミアリーグで最も子供たちに見て欲しい選手だ。

そんな見どころ満載の頂上決戦だが、「優勝争い」という観点から考えると、勝たないといけないのはチェルシーだ。

文・田島 大

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まった『フットメディア』所属。英国在住歴を持つプレミアリーグのエキスパート。

試合情報

プレミアリーグ第22節
マンチェスター・シティ対チェルシー

  • 配信: DAZN
  • 配信開始:1月15日(土)21:30
  • 解説:中村憲剛 実況:野村明弘
  • 会場:エティハド・スタジアム

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