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ラ・リーガ

【コラム】小澤一郎氏のエル・クラシコ展望「確実にサッカー界の歴史の1ページに刻まれる」| ラ・リーガ第7節

【コラム】小澤一郎氏のエル・クラシコ展望「確実にサッカー界の歴史の1ページに刻まれる」| ラ・リーガ第7節(C)Getty Images
日本時間10月24日23時開催のエル・クラシコ(ラ・リーガ第7節)。DAZNで解説を担当予定の小澤一郎氏は、この大一番が「確実にサッカー界の歴史の1ページに刻まれる」と綴る。バルセロナとレアル・マドリードの近況や試合の見どころも網羅したマッチプレビューをお届けしよう。

レアル・マドリード周辺に悲観的観測が

世界中の視線が集まり、スペインという国全体の動きが止まるエル・クラシコの開催が近づいてきた。

コロナ禍でのイレギュラーなシーズンの幕開けで、各チームの消化試合数にばらつきがある今季のラ・リーガ。その第7節(日本時間10月24日23時キックオフ)に、 バルセロナ がホームのカンプ・ノウに レアル・マドリード を迎える。

代表ウィーク明けの前節は両チームともにまさかの黒星。バルセロナはヘタフェのプレスと激しいプレーに苦しんだ末に0-1の惜敗を喫し、レアル・マドリードはホームで昇格組のカディスに0-1と金星を献上した。

ただ、ミッドウィークに行われたUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)では明暗が分かれた。

バルセロナはハンガリー王者のフェレンツヴァーロシュとのホームゲームで5-1の大勝。レアル・マドリードはウクライナ王者のシャフタール相手に2-3の敗戦を喫した。

この結果を受けて、レアル・マドリード周辺に批判と悲観的観測が漂っている。

カディス戦、シャフタール戦のどちらも試合の入りが悪く、序盤から中途半端なプレスを回避されカウンターで攻め込まれるピンチが続き、シャフタール戦では前半だけで0-3という屈辱を味わった。

昨季まであったベースまでもが消滅

レアル・マドリードの抱える問題ははっきりしている。

昨季34度目のリーグ優勝を達成できたのは ティボー・クルトワ セルヒオ・ラモス を中心とした堅守と、 フェデリコ・バルベルデ 、ルカ・モドリッチが中盤から前線に飛び出すハイプレスに拠るところが大きかった。しかし、今季の序盤は特にハイプレスが影を潜めている。

その理由も簡単。ジネディーヌ・ジダン監督が試合毎に選手を入れ替えるのみならず、基本システム(4-3-3)とは異なる4-4-2を開幕直後から試していたため。

レンタルバックのMF マルティン・ウーデゴール や2年目ながら未だフィットしないFWルカ・ヨヴィッチを積極起用することで、ベースのあるチームに戦力的な上乗せをしたい。それがジダン監督の意図。だが、選手やシステムをいじりすぎたことで逆に昨季まであったベースまでもが消滅している印象を受ける。

レアル・マドリードのハイプレスは2枚のインサイドハーフがCF カリム・ベンゼマ と同ラインまで飛び出し、相手CBの自由を奪うことで初めて成立するものであったが、人とシステムを替えた時のチームとしての約束事、戦術的微調整が見えない。

そこはジダン監督の責任だ。

ただ、序盤から多くの選手を試したことでこの時点ではっきりとチーム内での序列は決まった。

特にクルトワ、S・ラモス、 カゼミーロ 、ベンゼマのセンターラインは替えが利かず、左サイドもフェルラン・メンディ、 ヴィニシウス・ジュニオール と同レベルの代役はいない。

怪我でエル・クラシコを欠場予定の主力は、 ダニエル・カルバハル 、ウーデゴール、 エデン・アザール 。カルバハルの右サイドバックはアルバロ・オドリオソーラも離脱中で、ナチョの先発が確定的になっている。

シャフタール戦を欠場したS・ラモスは、連敗中のチームを救うべく確実に出場するだろう。

怪我人が少なく、先発のバリエーションが豊富なのはインサイドハーフと右ウイングだ。前者は順当にモドリッチ、 トニ・クロース と予想するが、 ロドリゴ マルコ・アセンシオ の直近の試合でのプレーレベルから判断して、右ウイングには本来MFのバルベルデが起用されると見ている。

17歳コンビが大きな仕事をやってのけるか

一方のバルサは、ロナルド・クーマン新監督が導入した4-2-3-1の新システムが浸透しつつある。

リオネル・メッシ を偽9番に使い、そのエース以外の10人でハードワークする戦い方で守備面での安定感は出てきた。新戦力の適応やフィリペ・コウチーニョのトップ下起用も順調だ。

エル・クラシコに向けた焦点は怪我明けの ジョルディ・アルバ が間に合うかどうか。ただし、新加入のセルジーニョ・デストが本職ではない左SBで良いプレーを披露している。仮にジョルディ欠場となっても不安はない。

バルサが唯一抱える問題はむしろ アントワーヌ・グリーズマン 。このフランス代表アタッカーは新体制下でも精彩を欠いている。ウスマン・デンベレのコンディションが上向き、かつ新加入の フランシスコ・トリンカォン もフィットしてきているため、クーマン監督はグリーズマンにこだわる必要はない。

エル・クラシコでUCLに続く先発落ちとなれば大きなニュースとなりそうだが、チームとして結果が出れば大事にはならない。

代表ウィーク明けで疲れの見えるメッシをベンチに温存できないクーマン監督の采配は気がかりだが、グリーズマン問題は指揮官にとって大きな火種とならないだろう。

今季の攻撃もメッシを中心にオーガナイズされている。不動のエースは中盤に降りてゲームメイクすることも多いため、最後の崩しとフィニッシュに関しては アンス・ファティ やコウチーニョがエル・クラシコでもキーマンとなりそうだ。

個人的にはファティと ペドリ の17歳コンビが大舞台で大きな仕事をやってのけるのではないかと期待込みの予想も持っている。

新たな歴史を今週末、必ずや目撃せよ

予想されるのはレアル・マドリードがキックオフからバルサのビルドアップに対してハイプレスを仕掛ける展開。そこで奪うか、それともバルサが相手のプレスをいなして敵陣に前進できるかが序盤のポイントとなる。

ここ数年での両チームの欧州での結果や主力の高齢化、コロナ禍での経済的ダメージで開幕前に大型補強を敢行できなかった問題などはあるにせよ、メッシやS・ラモスといった世界最高レベルのスター選手たちが集い、いまなお欧州最高峰に君臨するメガクラブ同士によるプライドと意地を賭けた戦い。

公式戦通算245回目のエル・クラシコも確実にサッカー界の歴史の1ページに刻まれる。

コロナ禍での無観客開催は残念だが、プラスに見れば日本にいる我々も含めて世界中のファンに平等に歴史の証人となる権利を与えてくれる。

エル・クラシコの、世界のサッカーの新たな歴史を今週末、必ずや目撃せよ。

文・小澤一郎

1977年生まれ、京都府出身。サッカージャーナリスト。社会人経験を経て2004年にスペインに移住。バレンシア在住歴5年、スペインでは育成年代の指導者経験もあり。現在は、DAZNでラ・リーガ中継の解説も務める。(株)アレナトーレ所属。

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