1年でのJ1復帰に向けた号砲を鳴らしたのは、クラブ生え抜きの男だった。
40分、高い位置でボールを奪ったFW長谷川竜也がMF高木友也へ預ける。試合の中で「自分のところにスペースがあることは感じていた」齋藤はボランチの位置からタイミングよく前へ出て行き高木からパスを受けると、「右足よりも自信のある」左足でシュートを打てるところにトラップ。次の瞬間、思い切り左足を振り抜き、「長い年数共に戦い、リスペクトしている先輩」であるGK南雄太の手の届かない完璧なコースに蹴り込んだ。
ケガやコンディション不良に苦しみ昨季はほとんどピッチに立つことができず、チームはJ2に降格。悔しさだけが募る1年であった。だからこそ、今季はその思いを胸にプレーすることを誓う。また、齋藤にはチームを引っ張っていく義務がある。昨季途中から今季にかけて大きく選手が入れ替わった中で、13年ぶりのJ1昇格を成し遂げた2019シーズンを知る数少ない選手として担う役割は小さくない。
「横浜FCはJ1で戦わないといけないクラブだと思っている。自分もいろいろな経験をさせてもらっているし、今季は他にも経験のある選手がそろっているので、1つずつ戦っていって、結果的にJ1昇格できればよい」
愛するクラブを本来いるべき場所に再び戻すために、アカデミー育ちで最古参の背番号8が先頭を走り続ける。
文・須賀大輔
1991年生まれ、埼玉県出身。学生時代にサッカー専門新聞『ELGOLAZO』でアルバイトとして経験を積み、2016年からフリーライターとして活動。ELGOLAZOでは柏レイソルと横浜FCの担当記者を経て、現在はFC東京と大宮アルディージャの担当記者を務めている。
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