2019年10月にマルコ・ジャンパオロの後任としてミラン指揮官に就任すると、幹部を務めるOBパオロ・マルディーニ氏らのサポートを受け、長らく低迷が続いていた名門クラブの立て直しに取り組んできたピオリ。FWズラタン・イブラヒモヴィッチやDFシモン・ケアーらベテラン勢の助けも借り、FWラファエウ・レオンやMFサンドロ・トナーリら若手の成長を促すことに成功すると、監督就任から3年弱でチームをセリエAの頂点へと導いた。
23日、レッジョ・エミリアのマペイスタジアムで3-0とサッスオーロに勝利を収め、11年ぶり19回目となる悲願のスクデットを手にしたピオリは、初めてのタイトル獲得に歓喜するとともに周囲へ感謝の意を伝えた。
「私はいま、とても幸せだ。私自身だけでなく、選手たちやスタッフ、クラブ、そして最高のファンのことを思うとうれしく感じている。ミランに関わるすべての人々がこのスクデットに値する。スクデットの獲得を信じ、プレーしてきた我々の姿勢は、優勝にふさわしかったと思う」
「幹部のマルディーニや(フレデリック)マッサーラは、私を信じ、最高のサポートをしてくれた。これほどのレベルに到達できたのは、チームからフロント陣、ファンに至るまで、すべてのメンバーが全力を尽くしたからだ」
優勝のカギは継続性と勝者のメンタリティ
シーズン序盤からナポリやインテルとともに繰り広げてきたスクデット争い。シモーネ・インザーギ率いるインテルとは、最終節までもつれ込んだ。
「ミランはインテルよりも継続性を示すことができた。最後に敗れたのは、(1月の)スペツィア戦まで遡る。つまり選手たちは、重要なメンタリティと実力、さらにプレーのアイデンティティを示し、決してあきらめなかった。ベンチスタートの選手も含めて全員が最高だった。チームはナポリやラツィオ、ローマなどとの難しい試合に勝ち、ダービーでは逆転勝利を収めた。継続性を示してきだけにスクデットにふさわしかったと言える」
「私もスタッフも、この選手たちと仕事をしてきて楽しかった。我々は、前年の順位表を上回ることを目標にスタートしており、スクデット争いに加われることは予想していた。このチームは強いが、首脳陣が若手とベテラン勢がミックスされた勝者のメンタリティを持つチームを上手く作ってくれたからだろう」
「私は選手たちの能力を高めていけるように指導を行っているが、選手たちに才能がなければ難しい。首脳陣に才能ある選手を見極める能力があったおかげで、チームは成長することができた。個人が成長すれば、チーム全体が成長する。こうした過程を経て、最強チームになることができた」
優勝セレモニーでは、11年ぶりのスクデットに歓喜したサポーターの多くがピッチへとなだれ込んだ。そんな中、ミラン指揮官が優勝メダルを紛失するアクシデントも発生した。『ダゾーン・イタリア』の司会者マルコ・カッターネオ氏は、「ピオリのメダルが盗まれた。すぐに返却するようお願いしたい」と呼びかけたが、レーガ・セリエAは、SNSで素早く反応。「ピオリ監督、明日、新しいメダルを渡そう」とツイートしている。
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