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【中村憲剛引退特集】12年練習場に通い続けた番記者が語る、戦友"中村さん"との心に残る忘れられないやりとり | Jリーグ

【中村憲剛引退特集】12年練習場に通い続けた番記者が語る、戦友"中村さん"との心に残る忘れられないやりとり | JリーグDAZN
【Jリーグ コラム】先日、現役引退を発表した中村憲剛。川崎フロンターレ、Jリーグ史に名を残した中村の幕引きにあたり、川崎F取材歴12年のいしかわごう氏に、中村との思い出を振り返ってもらった。
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将棋の感想戦のような感覚で

11月6日は報道陣向けの練習公開日だった。

それは中村憲剛が今シーズン限りでの現役引退を発表して以来、初めてとなる麻生での練習公開日でもある。

ロンドやボール回しでは卓越したボールタッチを見せ、ポジションをシャッフルして実施されたハーフコートのゲームでは、ごっつぁん気味のゴールを決めて少年のように喜ぶ。そこにあったのは、これまでと変わらない「麻生での中村憲剛」だった。だが、そんな光景が観られるのも、あと1ヶ月半足らず。やはり寂しいものがある。

麻生とは、川崎フロンターレの練習場である麻生グラウンドのことだ。選手たちはここで日々トレーニングを行っており、番記者は試合に向けた練習取材で、ここに足を運ぶ。

自分の麻生通いは、かれこれ12年目になる。

コロナ禍による取材制限が入った今年は別として、それまでは中村と毎週のように麻生で顔を合わせ、練習後に話を聞くのが、ある種のルーティーンのようになっていた。

練習の感想もそうだし、次の試合に向けたポイント、あるいは直近の試合後のミックスゾーンで触れなかった局面の見解を、将棋の感想戦のような感覚でやり取りをしながら、あれこれと振り返ってもらうことが日常だった。

記者席から観ているだけでは気づかないような視点を提示してもらい、丁寧な言葉で噛み砕いて解説してくれるのだから、この10年で何度目から鱗が落ちたことか。ある意味、中村からサッカーの授業を受けていたようなもので、試合を観る自分の眼も随分と成長させてもらったと思う。幸いにも、彼の著書の構成を2冊担当させてもらう機会に恵まれたが、そうした経験も含めて、本当に感謝しかない。

どこか「近所の兄ちゃん」のような親しみやすさ

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ちなみに皆から「ケンゴ」の愛称で親しまれている彼のことを、川崎フロンターレの番記者陣は「中村さん」と呼ぶことが多い。なぜあえて名字で呼び始めたのかはよくわからないが、それもしっくり来るので、自分も「中村さん」派である。

インタビュー取材がない時の中村さんは、帰り際にプレスルームにひょいと顔を出して、気心の知れた番記者陣とたわいもない雑談をしてから帰っていくことも珍しくなかった。“選手”と“記者”といった垣根もなく、ときに気の合う友達のような感覚で接してくれる。気づけば30分も経っていた、なんてこともしばしば。たまたま通りがかった選手が「新しい記者の人かと思いましたよ」と、その場の溶け込み具合に笑っていたほどだ。

これだけメディアとフレンドリーに接してくる有名選手もそうはいないはずで、そのあたりの意識を本人に聞いたことがある。

「サッカーをやっているときは、サッカーをしている中村憲剛だけど、それ以外は普通の人だからね。別に着飾らないというか、そこはあんまり意識したことはないなぁ」と彼はサラリと言っていた。

演じているわけではなく、きっとそういう性分なのだろう。番記者に限らず、メディア関係者からもこれだけ好かれているのは、プレーに加えて、誰にでも親しみを持って接してくれる人間性があってのことだ。

「誰にでも愛されるあのキャラクターは天性のものだよ」

川崎フロンターレのプロモーション部・天野春果部長が、かつてそんな風に話していたのを思い出す。中村とは入団した2003年からの長い付き合いで、この性格は当時から変わっていないと話していた。

「背番号26番をつけていた2003年から、あの性格は変わっていない。新人時代の商店街回りから年配者に親しげに話しかけられていたし、サポーターからは早くも『ケンゴ』と下の名前で呼ばれていた。気取ったところもないし、自然に人を引きつける力があるんだろうね」

彼が老若男女のサポーターに好かれているのも、どこか「近所の兄ちゃん」のような親しみやすさがあるからだろう。Jリーグを代表する選手であり、川崎フロンターレというクラブの顔であったとしても、サッカーがうまいだけでは、ここまでの人気者にはならなかったに違いない。

心に残る忘れられないやりとり

そんな中村さんと僕個人の忘れられないやりとりを挙げるとすれば、やはり初優勝を遂げた2017年だろうか。劇的な優勝を遂げて、等々力のピッチで泣き崩れた彼は、その後も様々な祝福を受けていた。

シーズン後、書籍の打ち合わせで顔を合わせる機会があった。「ようやく優勝原稿を世に出せたよ。ありがとう」と、こちらが感謝の言葉を伝えると、彼は長く麻生で取材している僕らライター陣の名前を挙げて、自分のことのように喜んでくれたのである。

「俺は携わってくれた人が優勝原稿を書けたことも本当によかったと思うんだよね。ごうさんとか江藤さん(江藤高志)、隠岐さん(隠岐麻里奈)、麻生さん(麻生広郷)・・・ずっと一緒だったから。(優勝原稿を)世に出せないライターの方もいるわけじゃないですか。サポーターもそうだけど、それが嬉しい」

サポーターやチームメート、スタッフ、家族だけではなく、麻生で接していた番記者陣の喜びにも思いを汲んで、しっかりとつながりを分かち合ってくれる。彼の人柄が垣間見れた場面だったと思う。

あの初優勝から4年。

長期離脱からのリハビリと復帰、そして練習後の取材がオンライン対応なため、今年は麻生で中村さんから話を聞く機会が激減してしまったのは残念だが、シーズンの戦いはまだ残っている。

等々力だけではなく、麻生での中村憲剛の姿もしっかりと見届けたいと思っている。

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文・いしかわごう

北海道出身。大学卒業後、スカパー!の番組スタッフを経て、サッカー専門新聞「EL GOLAZO」の担当記者に。現在はフリーランスとして、川崎フロンターレを中心に取材。中村憲剛の著書「サッカー脳を育む」、「サッカー上達のためのマインドとメソッド」(ぴあ)の企画&構成を担当。

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川崎フロンターレの試合日程

日時対戦カードスタジアム放送予定
12/22(土)15:03サガン鳥栖 H等々力△ 0-0
27/4(土) 19:00鹿島アントラーズ H等々力〇 2-1
37/8(水) 19:30FC東京 A味スタ〇 4-0
47/11(土) 19:00柏レイソル H等々力〇 3-1
57/18(土) 18:00横浜FC Aニッパツ〇 5-1
67/22(水) 19:30ベガルタ仙台 Aユアスタ〇 3-2
77/26(日) 19:00湘南ベルマーレ H等々力〇 3-1
88/1(土) 19:00ガンバ大阪 Aパナスタ〇 1-0
98/8(土) 19:00大分トリニータ H等々力〇 2-0
108/15(土) 14:00北海道コンサドーレ札幌 A札幌ド〇 6-1
118/19(水) 19:00セレッソ大阪 H等々力〇 5-2
128/23(日) 18:00名古屋グランパス A豊田ス● 0-1
138/29(土) 19:00清水エスパルス H等々力〇 5-0
149/5(土) 18:00横浜F・マリノス A日産ス〇 3-1
159/9(水) 18:30ヴィッセル神戸 H等々力〇 3-2
169/13(日) 18:30サンフレッチェ広島 H等々力〇 5-1
179/20(日) 19:00浦和レッズ A埼玉〇 3-0
189/23(水) 19:00横浜FC H等々力〇 3-2
199/27(日) 19:00湘南ベルマーレ ABMWス〇 1-0
2010/3(土) 15:00セレッソ大阪 Aヤンマー〇 3-1
2110/10(土) 18:00ベガルタ仙台 H等々力〇 1-0
2210/14(水) 19:00サンフレッチェ広島 AEスタ〇 2-0
2310/18(日) 19:00名古屋グランパス H等々力〇 3-0
248/26(水) 19:00ヴィッセル神戸 Aノエスタ△ 2-2
2510/31(土) 18:00FC東京 H等々力〇 2-1
2611/3(火・祝) 14:00北海道コンサドーレ札幌 H等々力● 0-2
2711/14(土) 17:00鹿島アントラーズ AカシマDAZN
2811/21(土) 14:00大分トリニータ A昭和電ドDAZN
NHK大分
2911/25(水) 18:30ガンバ大阪 H等々力DAZN
3011/18(水) 19:00横浜F・マリノス H等々力DAZN
3112/5(土) 14:00清水エスパルス AアイスタDAZN
NHK静岡
3212/12(土) 14:00サガン鳥栖 A駅スタDAZN
3312/16(水) 19:00浦和レッズ H等々力DAZN
3412/19(土) 14:00柏レイソル A三協F柏DAZN

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