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【プレビュー】好調2チームが序盤から激突。リヴァプール対チェルシーは見応え充分の上位決戦| プレミアリーグ

【プレビュー】好調2チームが序盤から激突。リヴァプール対チェルシーは見応え充分の上位決戦| プレミアリーグ(C)Getty Images
【欧州・海外サッカー 展望コラム】28日深夜(日本時間29日1:30)シーズン序盤の“プチ天王山”。リヴァプール対チェルシーのビッグマッチが行われる。

連勝スタートのビッグ6同士よるシーズン序盤の“プチ天王山”。リヴァプール対チェルシーは、今季のプレミアリーグ優勝争いを占うような大一番になりそうだ。

11カ月前、昨シーズンも両者はシーズン序盤に激突した。その時はスタンフォード・ブリッジで対戦し、DFアンドレアス・クリステンセンの退場とMFジョルジーニョのPK失敗が響き、フランク・ランパード前監督のチェルシーが0-2でシーズン初黒星を喫した。

結果だけを見れば「単なる不運の敗戦」かもしれないが、当時はリヴァプールとチェルシーの間にあまりにも大きな差があった。だがあれから1年でチェルシーは見違えるほどの変貌を遂げた。今年1月にトーマス・トゥヘル監督を招聘すると、生まれ変わったチェルシーはヨーロッパの頂点にまで登り詰めたのだ。そして今シーズンは5年ぶりのリーグタイトル奪還を目指す。

対するリヴァプールも、昨季のホーム6連敗という悪夢をすっかり払拭しており、今シーズンはマンチェスター・ユナイテッドが持つリーグ優勝の最多記録に追いつくという大きな目標がある。そんな頂点を見据える両チームは、今のイングランドで最も“ストレスフリー”な2チームとも呼べる。

ファン・ダイク復帰で取り戻したダイナミズム

2021-08-22-liverpool-Van Dijk

まずはホームのリヴァプールだ。昨季は怪我人が続出し、とりわけ最終ラインに大きなダメージを負った。フィルジル・ファン・ダイク(VVD)やジョー・ゴメスなどが相次いで離脱し、気づけば公式戦53試合で9名の選手をCBとして起用し、20通りものパートナーシップを試した。だが、そんな不安も世界最高DFの復帰によって一瞬で解消された。

長期離脱から戻ってきたDFファン・ダイクがチームに与える自信は絶大で、彼と一緒だとチームメイトも大胆にプレーできる。2-0で勝利した前節は、センターバックのパートナーを組んだDFジョエル・マティップが肉体派で知られるバーンリーのアタッカーに躊躇なく競り合いを挑んで勝利していた。

さらにファン・ダイクの復帰でストレスも軽減された。彼の効果的なロングパスで敵DFラインの背後やサイドのスペースを余すことなく有効利用できるため、圧倒的な強さで30年ぶりのリーグ制覇を遂げた2019-20シーズンのような、ユルゲン・クロップの求めるダイナミズムが戻ってきたのだ。

引いて守る相手に対しても、針の穴を通そうとパスを回すのではなく、積極的にゴール前にボールを入れる。昨シーズンもクロス本数はリーグ最多だったが、今季は攻撃スピードを止めない意識が高まり、今まで以上に迷わずにクロスを入れるシーンが目立つ。そのため巨漢を揃えるバーンリーに対しても、昨季の1試合平均のクロス本数(22本)を上回る28本もクロスを放り込んだ。

FWディオゴ・ジョタの先制点も、左SBコスタス・ツィミカスの狙いすましたクロスを頭で合わせたものだ。実は、ジョタはウォルヴァーハンプトン時代にプレミアで16得点したがヘディングでは1点も決めていない。それが昨年リヴァプールに来てからは今回のバーンリー戦のヘディングシュートを含め、計11ゴールのうち4点を頭で決めているのだ。

これこそクロップのチームである。クロス本数はあくまでも一例に過ぎないが、彼らが他のどのチームよりも攻撃の流れやリズムを大切にしているかの指標にはなる。「流水は腐らず」と言うが、彼らのサッカーは流れが止まらないので見ていて爽快なのだ。観る側にストレスを与えないチームと言える。

それはチームの決まり事というよりも、クロップの元で選手個々が育んだフットボール知力とアイデンティティの賜物に思える。バーンリー戦のサディオ・マネのゴールなど最たる例だ。ファン・ダイクのサイドチェンジから、サイドに張っていたMFハーヴィー・エリオットがDFアレクサンダー=アーノルドにつなぎ、前方に走り込むマネにワンタッチで渡してゴールが生まれた。

注目すべきは右SBアレクサンダー=アーノルドの立ち位置だ。彼は、逆サイドでビルドアップしている間に、何気なく歩いて“偽サイドバック”さながら中盤に陣取った。その際に、右サイドに張るMFエリオットの位置を何度も確認し、彼をフリーにすべくあえて中央に留まった。そうやって“個人戦術”で得点機会を生み出したのである。

迷わず動き続け、困ったらルカクがいる

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個々の状況判断で局面を打開するシーンはチェルシーにも見られる。

2-0で快勝した前節アーセナル戦の前半36分、最終ラインからビルドアップした際にプレスをかけられて行き詰った。メイソン・マウントが左サイドに流れるとカイ・ハヴァーツまで下りてきて、サイドのスペースが窮屈になりかける。すると、それを察知した左ウィングバックのマルコス・アロンソが、前線のフォワードの位置へと走り出したのだ。彼はパスを貰おうと動いたのではなく、スペースを生み出すために動いたのだ。結局、最終ラインに戻して作り直したわけだが、この一連の動きが今季のチェルシーの強さを象徴している。

選手たちのフリーランニングに迷いが見られず連動して動き続けるため、面白いようにパスが回り、選手も観客もストレスを感じることなくサッカーを楽しめるわけだ。それでも八方ふさがりの苦しい時間帯は必ずくる。そうなったら前方の“怪物”に預ければいい。トーマス・トゥヘル監督も「ロングボールを入れてプレスを回避できる」と古巣に帰ってきたFWロメル・ルカクの使い方を説明していた。

さて、今週末の大一番では“苦しいときのルカク”がファン・ダイク相手にも通用するのか楽しみだ。そしてサイドでの「アレクサンダー=アーノルドvs.アロンソ」の陣取り合戦も興味をそそる。

見応え十分の首位攻防戦になること間違いなしだが、果たして“ストレス”を感じずに試合を観られるのは、どちらのサポーターだろうか?

文・田島 大

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まった『フットメディア』所属。英国在住歴を持つプレミアリーグのエキスパート。

試合情報

  • プレミアリーグ第3節 リヴァプール対チェルシー
  • 会場:アンフィールド
  • 配信: DAZN 配信開始:8月29日(日)01:30
  • 実況・解説:下田恒幸、戸田和幸(敬称略)

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