今シーズンのセリエAにおいて、ゴールを量産してきたジャン・ピエロ・ガスペリーニのアタランタとシモーネ・インザーギ率いるインテル。両チームによる上位対決において、最終的に2人のGKの才能が攻撃力を上回ることになるとは、誰が予想しただろうか。
特に、これまで激しい批判にたびたびさらされてきたサミル・ハンダノヴィッチがピッチにおいて、これほどまでに決定的で、美しく、重要な答えを出せるなど、誰も想像していなかったはずだ。
今回のインテルとアタランタの対戦において際立ったのは、これまでのように両チームの運動量や決定機、得点などではなかった。今回は、幾度となく素晴らしいパフォーマンスで自陣のゴールを封印したインテルの主将サミル・ハンダノヴィッチとアタランタの若きGKフアン・ムッソの殊勲が光った。
攻撃陣が沈黙しても輝いた一戦
白熱したゲヴィススタジアムにおける対決は、見る者を楽しませた。リーグ内で最もインテンシティの高く、堅固な2チームの対戦ではあったが、中盤での攻防は、フィジカルよりもテクニックが際立つことが多かったようにも見える。
それは何を意味するのだろうか。アタランタもインテルも、ピッチにおいて普遍的価値観を示すことのできるチームであるということだろう。そしてチームが一丸となり、指揮官の指示に完璧に従って戦えるチームであることだろう。そんなチームを作り上げたことは、シモーネ・インザーギにとって偉大な勝利であり、ガスペリーニにとっては、日々のトレーニングの成果の証明となったと言える。
ところで、監督のことはさておき、GKに関してアタランタとインテルの間にわずかだが共通点が見られた。いずれもGKがビルドアップに関わっているという点だ。
ハンダノヴィッチを例に挙げよう。インテルGKはアタランタ戦において、味方のために4分以上にわたってボールをキープし、プレーのタイミングを探った。
「僕がボールをキープしたのは、みんながスーペルコッパで消耗していて、いつものような動きが見られなかったからだ。そこで選手たちが少しでも体力を回復できるように、僕がいつもよりボールをキープするようにした。GKは、チームを落ち着かせてプレーの再開のタイミングを計ることも仕事なんだ」
チームのために、献身的にGKの仕事をこなした結果、「1ポイントは獲得することができた」。ハンダノヴィッチは誇らしげにそう締めくくった。
文・クリスティアーノ・コルボ
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