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【ベストイレブン】2020は「経験値がすごく上がった」。守田英正が語る成長の手応えと中村憲剛の言葉 | Jリーグ

林 遼平
【ベストイレブン】2020は「経験値がすごく上がった」。守田英正が語る成長の手応えと中村憲剛の言葉 | JリーグDAZN
2020Jリーグアウォーズで発表されたベストイレブンでは、優勝した川崎フロンターレから史上最多9名の選手が選ばれた。J史上屈指のチームを支えたMF守田英正に受賞への思い、そして今季を振り返ってもらった。
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個人賞を「今年は絶対に取りたいと思っていた」

ーーベストイレブン受賞おめでとうございます。率直な思いを教えてください。

個人としての賞は狙っていました。1年目、割と活躍できた年だったと思いますけど、ベストイレブンに入れなかったことに悔しさがありました。今年は絶対に取りたいと思っていたので、MVPを取るためにはもっと活躍しないといけませんが、一つ目標が叶って良かったと思います。

ーーすると、今回は受賞するのではないかという思いもあったのですか?

どういうポジションで選ばれるか、これまでも後ろの選手を削って前の選手を入れたりなど変則的なメンバー選考の時もあるので、外されるとしたら自分かもなと思っていました。でも、選ばれてもおかしくないなと、何かすごく微妙な位置付けでしたね。 

ーーそういう意味では、自分自身の確かな手応えがあったということですね。

今年は1年目で優勝させてもらった時や去年リーグを優勝できなかった年と比べて、多少胸を張って貢献できたと自信を持って言える年になったのかなと思います。

ーー今年、チームは新たなシステムでシーズンに挑みました。その中、アンカーというポジションで立ち位置を確立した手応えを教えてください。

試合に出させてもらってからは、全体的な評価としては求められていることができたのかなと思います。最後、得点を決められたことも一つ、自分が成長していく上でキーになるのかなと。あとは12連勝していて、さらに記録を伸ばそうとしていた中、自分がミスして失点した試合が敗れたのが北海道コンサドーレ札幌戦でした。そういう細かいところを見れば、まだまだ物足りないし、課題も残るようなシーズンだったと思います。 

ーー「求められていたこと」とは具体的にどんなことだったのでしょうか?

ビルドアップのところはCBの2枚と合わせて3枚で安定させていくことが一つ。あとは自分たちの目指すサッカーの一つに、前からの守備でボールを奪ってそこからのカウンターという形があります。そこは今年目立っていたと思いますけど、前線のメンバーや自分の周りの選手に声をかけて、的を絞って自分のところでボールを奪う、という作業は僕にしかできなかったと思います。それは自分の特徴でもあったので、うまくチームに還元できたと思います。 

ーー振り返ると、今年の頭は出場機会に恵まれていない時期もありました。その時期はどんなことを考えながらプレーしていたのでしょうか?

自分を客観視すると、慢心に近いようなものもあったのかなと思います。そういう気持ちがあったからこその、後半戦からの定着じゃないけど、そういう活躍に向かって行った。自分がこれから先、サッカー選手としてやっていく上では、重要な期間だったのかなと思います。 

ーーそういう時期にいろいろ考えることで、自分の中で整理できたこともありますか?

結局、自分に跳ね返ってくるもの。全て原因は自分。それをわかっているけど、周りのせいにしてしまうところがつき物。そこは改めて自分にベクトルを向けることは再確認できた感じです。

「これからは究極一人でも自分の力だけで奪えるようになりたい」

ーー今年、チームがこれだけ独走して優勝を手にした中で、どんなところに勝ち続けられた要因があったのでしょう。

チャレンジし続けられたことですかね。システムもそうですし、「コロナ禍の中で絶対に優勝して俺たちが盛り上げよう」と鬼さん(鬼木達監督)にも言われていました。記録に関しても絶対に塗り替えようという気持ちがすごくありました。チャレンジを全員がしていたところが大きな要因だったと思います。 

ーー個人としてはどんなチャレンジをしていたのでしょうか?

やはり“得点が取りたい”というのが、個人としてありました。だからこそ、周りの選手が得点を決めていく中で、どんどん取り残されていく感覚がありましたね。だけど、練習後にシュート練習を毎日やったことが結果的に最後のゴールにつながったので、そこでやっと数字で貢献できたなと思いました。やはり得点が取れる、アシストできるという選手が、本当のトップオブトップに近づいていけると思います。そこにこだわっていかないといけないと思います。

ーー得点を取れないことでの葛藤はありましたか?

チャンスはいくらでもありましたし、ポジションがアンカーだから得点が取れないという気持ちもありませんでした。本当に決めたいと思っていた中で決められなかったので、単純に自分の力不足だなと思っていました。いま振り返ってみると、1点しか決められなかったですけど、もっと決められたかなと思います。ただ、1点を取ってもっと得点を取りたいと思うようになりましたし、これから得点を奪っていけそうな気もしています。

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ーー今年、自分の中で印象的なプレーや印象的な試合はありますか?

今年はレンジの長いパスで局面を変えたりする場面が、1試合に1回くらい平均的に出るようになりました。ホームのFC東京戦でアウトサイドで出したボールや最近ならばアウェーのサガン鳥栖戦でロングフィードしたボールなど、結構ピンチっぽい局面からボールを奪って思い切りカウンターに持っていくのは、システム上起こり得ることでもありますし、狙っている部分でもあります。そこは改めてチャレンジしたところかなと思います。割と身の回りのことに対しての余裕が出てきたのもありますし、自分にできない部分をチャレンジしたいとも思えました。そこはなかなか1、2年目にできるものではありませんでした。 

それこそ最近、(中村)憲剛さんから言われたのが、「すごくボールタッチの時間、回数が増えたね」と。「自分的には判断が少し遅くてワンタッチくらいで考えているつもりでも、そういうプレーになっているんですよね」と話したら、「2年目の時にボールを長く持ってしまって判断遅く感じていたけど、今年はそういうのではなくて、いい意味でタメを作ったり時間をうまく使ってプレーしていて落ち着きが見える」と話してもらえた。そういうことを言ってもらえて、成長しているんだなと実感しましたね。

ーーそれは嬉しい言葉ですね。

嬉しいですね。ましてや憲剛さんなので。 

ーー苦しんだ2年目があった中で、今年の成長はどう感じていますか。

シンプルに出場数のところで1、2年目より出場機会が増えたことで、経験値がすごく上がったと思います。選手としてどう変わっていったかというと、正直、成長具合は説明できないですけど、Jリーグ全体を見ても自分がアンカーとしての役割を理解して活躍することができたという自覚はありますね。

ーー今年1年、リーグ制覇、ベストイレブンも手にしました。改めてどんな1年でしたか?

正直、言うと、コロナがあったので仕方がない部分ではありましたけど、代表の活動に入って自分も一緒にプレーしたかった思いがあります。ここは何を言っても仕方がないところですが、自分がJリーグでやってきたこと、活躍を見てもらって、評価された上で代表の舞台でどれくらいできるのか確かめたかったという思いがあります。そこは悔しいというか、今後につなげていきたいところではあります。 

ーー最後になりますが、来季はどんな成長を遂げていきたいと考えていますか?

今年は周りの選手に本当に助けられたなと感じています。僕が毎試合チームのために何ができたかと言うと、細かく見れば影響はあったかもしれないですけど、数字で考れば何もできなかったなと思っています。毎回言っていますけど、ゴールとアシストのところは絶対にこだわらないといけないと思います。あとは守備の部分でもみんなが前線から追ってくれるからコースが限定されて取れていただけなので、これからは究極一人でも自分の力だけで奪えるようになりたいし、それが世界で戦うにあたって必要な部分だと思います。

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文・インタビュー 林 遼平

埼玉県出身の1987年生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、フリーランスに転身。サッカー専門新聞「エルゴラッソ」の番記者を経て、現在は様々な媒体で現場の今を伝えている。

川崎フロンターレの試合日程

日時対戦カードスタジアム放送予定
12/22(土)15:03サガン鳥栖 H等々力△ 0-0
27/4(土) 19:00鹿島アントラーズ H等々力〇 2-1
37/8(水) 19:30FC東京 A味スタ〇 4-0
47/11(土) 19:00柏レイソル H等々力〇 3-1
57/18(土) 18:00横浜FC Aニッパツ〇 5-1
67/22(水) 19:30ベガルタ仙台 Aユアスタ〇 3-2
77/26(日) 19:00湘南ベルマーレ H等々力〇 3-1
88/1(土) 19:00ガンバ大阪 Aパナスタ〇 1-0
98/8(土) 19:00大分トリニータ H等々力〇 2-0
108/15(土) 14:00北海道コンサドーレ札幌 A札幌ド〇 6-1
118/19(水) 19:00セレッソ大阪 H等々力〇 5-2
128/23(日) 18:00名古屋グランパス A豊田ス● 0-1
138/29(土) 19:00清水エスパルス H等々力〇 5-0
149/5(土) 18:00横浜F・マリノス A日産ス〇 3-1
159/9(水) 18:30ヴィッセル神戸 H等々力〇 3-2
169/13(日) 18:30サンフレッチェ広島 H等々力〇 5-1
179/20(日) 19:00浦和レッズ A埼玉〇 3-0
189/23(水) 19:00横浜FC H等々力〇 3-2
199/27(日) 19:00湘南ベルマーレ ABMWス〇 1-0
2010/3(土) 15:00セレッソ大阪 Aヤンマー〇 3-1
2110/10(土) 18:00ベガルタ仙台 H等々力〇 1-0
2210/14(水) 19:00サンフレッチェ広島 AEスタ〇 2-0
2310/18(日) 19:00名古屋グランパス H等々力〇 3-0
248/26(水) 19:00ヴィッセル神戸 Aノエスタ△ 2-2
2510/31(土) 18:00FC東京 H等々力〇 2-1
2611/3(火・祝) 14:00北海道コンサドーレ札幌 H等々力● 0-2
2711/14(土) 17:00鹿島アントラーズ Aカシマ△ 1-1
2811/21(土) 14:00大分トリニータ A昭和電ド● 0-1
2911/25(水) 18:30ガンバ大阪 H等々力◯ 5-0
3011/18(水) 19:00横浜F・マリノス H等々力◯ 3-1
3112/5(土) 14:00清水エスパルス Aアイスタ△ 2-2
3212/12(土) 14:00サガン鳥栖 A駅スタ△ 1-1
3312/16(水) 19:00浦和レッズ H等々力◯ 3-1
3412/19(土) 14:00柏レイソル A三協F柏◯ 3-2

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