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【コラム】リヴァプールは2021-2022シーズンの優勝戦線にふたたび躍り出る | 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ

【コラム】リヴァプールは2021-2022シーズンの優勝戦線にふたたび躍り出る | 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグDAZN
【欧州・海外サッカー コラム】怪我人が続出しながら、プレミアリーグを3位で終えたリヴァプール。前線の拡充など戦力さえ整備すれば、2021-22シーズンはふたたび優勝戦線に躍り出るだろう。

終盤10試合は8勝2分無敗。フィルジル・ファン・ダイク、ジョー・ゴメス、ジョエル・マティップと、主力DFが相次いで長期の戦線離脱を余儀なくされる重傷を負いながら、リヴァプールは2020-21シーズンのプレミアリーグを3位で終えた。

見事、と言うしかない。

20-21シーズンのリヴァプールほど、主力がアクシデントに見舞われた例は少ないだろう。前述した3名に加え、ジョーダン・ヘンダーソンは鼠経部の負傷により、2月中旬から最終節まで戦力にならなかった。チアゴ・アルカンタラは新型コロナウイルスの陽性反応で苦しみ、足首を痛めたアレックス・オクスレイド=チェンバレンはわずか13試合の出場に留まった。

満足に闘えるチーム状態ではない。

負傷者の続出に苦しんだユルゲン・クロップ監督が20パターンの2CBを起用した事実でも分かるように、メンバーを固定できなかったのである。それでもトップ3だ。CL(チャンピオンズリーグ)出場権を獲得した。繰り返すが、見事というしかない。

「マンチェスター・シティがわれわれと同じようなアクシデントに見舞われていたら、はたして優勝できただろうか」

クロップ監督の発言は、決して負け惜しみではない。

苦しみのなかで見出した光明

苦しみのなかで見出したわずかな光明は、ナサニエル・フィリップスだ。主戦を失ったCBがなんとか持ちこたえられたのは、シュトゥットガルトからローンバックした彼の奮闘があればこそだ。とくにエアバトルの強さは圧巻。さしずめ “空の要塞” で、並み居るストライカーを次々に撃墜した。

20201031-Nathaniel Phillips-Liverpool

ファン・ダイクという絶対的支柱がそばにいなくても、フィリップスはプレミアリーグで通用した。来シーズンは世界最高のCBが負傷から立ち直る。多くのビッグクラブが熱い視線を送り、だれもが逸材と認めるイブライマ・コナテをライプツィヒから獲得した。ゴメスとマティプも完全復活を期している。

リヴァプールのCBはヨーロッパ屈指、いやいや世界最強の質と量を誇る。

ハーランドよりマレンやダカを狙う

ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネ、モハメド・サラーとの契約は、いずれも23年6月までだ。更新を焦る時期ではないが、準備だけは整えておきたい。マネとサラーは29歳になり、フィルミーノは10月に三十路を迎える。リヴァプールに骨を埋めるのか、新しいチャレンジに胸を躍らせるのか、年齢的にも決断を迫られるときが、いずれ必ずやって来る。

しかもクロップのフットボールは、尋常ではないエネルギーが要求される。フィジカルの維持が難しくなる年齢に差し掛かり、なおかつプレミアリーグのプレー強度、スケジュールは世界一タイトだ。ディオゴ・ジョタを加えても前線の層は薄く、南野拓実はフィルミーノのようなファイナルサードの司令塔ではなく、ジェルダン・シャキリとディヴォック・オリギも去就は微妙だ。

したがって、この夏のリヴァプールは覇権奪還に向け、前線を拡充するべきではないだろうか。チェルシーのクリスティアン・プリシッチがクロップ監督のお気に入りと、いくつかのメディアが伝えている。コストを踏まえ、リーズのハフィーニャ、PSVアイントホーフェンのドニエル・マレン、もしくはレッドブル・ザルツブルクのバトソン・ダカが第一候補との情報もある。

コロナ禍で1億2000万ポンド(約180億円)もの損失を被っているのだから、推定移籍金3000万ポンド(約45億円)といわれるハフィーニャ、同じく2000万ポンド(約30億円)のマレンやダカを狙うのは当然だ。

クロップ監督も経済的な実状をよく理解しており、獲得資金が1億3000万ポンド(約195億円)を超えるパリ・サンジェルマンのキリアン・エムバペ、ドルトムントのアーリング・ハーランドに手を出すつもりはさらさらないという。

ティーレマンスは高嶺の花か…

また、クロップ監督とディレクターのマイケル・エドワーズ、チーフスカウトのバリー・ハンターで構成する強化委員会は綿密なミーティングを重ね、いま、なにをすべきか熟知している。彼らがミスをする確率は限りなくゼロに近い。ターゲットを絞って迅速に行動。過去にはクロップ監督が交渉に出向き、口説き落としたケースもあったそうだ。前線の拡充は、成功するに違いない。

週給面で折り合いがつかず、パリ・サンジェルマンに移籍したジョルジニオ・ワイナルドゥムに代わるMFも必要とはいえ、コナテの獲得に3400万ポンド(約51億円)を費やしているため、これ以上の出費は避けたい。現時点で頻繁にリンクされているユーリ・ティーレマンス(レスター)も、推定市場価格は5000万ポンド(約75億円)。高嶺の花か……。

2020-10-04-tielemans

九分九厘、クロップ監督は無理をしない。ヘンダーソン、ファビーニョ、チアゴ、ジェイムズ・ミルナー、ナビ・ケイタ、オクスレイド=チェンバレンと、年齢は高いが枚数は揃っている。こうした選手層を考慮しても、補強の優先順位はMFよりも前線だ。

試合中継、コラム、情報番組などで何回も触れてきたように、マンチェスター・シティに伍するプレミアリーグのクラブは唯一リヴァプールだけだ。20-21シーズンは予期せぬアクシデントによって17ポイントもの大差をつけられたが、戦力さえ整えば怖いものはない。

ファン・ダイクは「プレシーズンの開幕からギアを上げる」と意気軒高だった。ヘンダーソンはEURO2020のイングランド代表に選ばれ、元気な姿をアピールした。同じ轍は二度と踏まない。

21-22シーズンのリヴァプールは、優勝戦線にふたたび躍り出る。

文・粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

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