“決勝戦”に等しい大一番。勝利への3つのポイント
大一番がやってきた。
首位・川崎Fを迎え撃つホーム戦。勝ち点11差で追いかけるセレッソ大阪にとって、今節は、負けはおろか引き分けさえも許されない“決勝戦”に等しい試合だ。「11ポイント差で離れている首位を相手に引き分けでは意味がない。我々としては、勝つことだけを考えて臨む」。今節に向け、ロティーナ監督も珍しく語気を強めて決意を語っている。
川崎Fとの前回対戦では、苦汁を舐めた。いい形で試合に入り、幸先良く先制点を奪うも、直接FKとPK、普段なら起こさないようなエラーが絡み失点を献上。前半のうちに逆転されたことが痛恨で最終的には2-5の大敗を喫した。
試合後、「川崎Fのような質の高い相手には、ミスの代償が大きくなる」と語ったロティーナ監督は、「彼らのプレーが我々に集中力を強いるので、エラーが起こりやすい状況になっている」とも分析。今節に向けても「試合でエラーを犯さないことは難しいが、できるだけ少なくすることが彼らと戦うためには大事になる」と話している。
首位を走る川崎Fを止めるため、C大阪がこの試合に勝つためのポイントはいくつもあるが、前回対戦時の反省を踏まえると、特に以下の3つの要素が挙げられる。
- 不要なファウルを与えない
- ボランチの裏のスペースを使わせない
- 川崎Fのギアチェンジに対応する
①不要なファウルを与えない
前述したように、前回の試合で前半に喫した2失点は、MF脇坂泰斗の直接FKとMF家長昭博によるPK。いずれもC大阪が相手に与えたチャンスを決められてしまった。
不要なファウルを与えない、ということは、ロティーナ監督になり、より強調されている部分だが、ファウルに至った過程も注視すべきだ。DF丸橋祐介が家長を倒してPKを与えた場面は、前からの守備がハマらず、ボールをサイドに運ばれ、ペナルティエリア内で丸橋が家長とDF山根視来の2人に対応せざるを得ない状態に追い込まれたことが問題だった。また、1失点目の脇坂の直接FKでは、壁の作り方、GKキム・ジンヒョンの立ち位置にも隙があった。質の高い相手に対しては、より細かい部分も勝敗を分けるポイントになる。
②ボランチの裏のスペースを使わせない
また、外からのクロス対応に無類の強さを発揮するC大阪だが、やはり中のスペースに進入されると失点の確率は上がる。そのため、2列目からどんどんと選手が進入し、ワンタッチ、ツータッチで狭いスペースでもこじ開けてくる川崎Fの攻撃に対し、CBとボランチの間、中を閉じる守備がいつも以上に重要になる。その意味では、前回対戦時コンディション不良で欠場したMFレアンドロ・デサバトに懸かる期待は大きい。
③川崎Fのギアチェンジに対応する
そして最後に、今季の川崎Fが誇る強さの理由の一つが、交代枠5人をフル活用していること。質の高い選手がベンチにも揃っており、試合中にギアを何段階でも上げる余力がある。実際、前回対戦時も後半開始からプレスの圧力を強めてきた相手に対し、C大阪は後手を踏んで3失点目を食らった。加えて、FW三笘薫の投入でさらに活性化してきた相手に2失点。川崎Fのペースチェンジに対応できず、飲み込まれてしまった。一度、肌で感じたスピード感をアドバンテージに変えて、今節はいかなる局面でも後手に回らない対応力が求められる。
まとめると、自陣ゴール前でアラートさを保ち続け、相手のペースチェンジに対応すること。これが今節、C大阪が川崎Fに勝利にするために欠かせないポイントとなる。
逆転優勝に向けて負けられない一戦
ここまでリーグ戦20試合で59得点を挙げている川崎Fだけに、相手の攻撃に対応する内容がメインとなったが、もちろん、C大阪がボールを握って、ゲームをコントロールしながらシュートで完結させることも大切。川崎Fは前からの守備にも迫力がある。いかにプレスをはがし、ボールを前進できるかも、C大阪にとっては大きなポイントになる。今季のC大阪は得点力も増しているだけに、2点取られても3点取るぐらいの逆の発想を持つことも、展開によっては必要になるかもしれない。
今節は、C大阪にとって、逆転優勝に向けた“背水の陣”であることは確かだが、ヒリヒリする試合を味わえることをプラスに捉え、現状を楽しむくらいの気持ちの余裕を持つことも必要だろう。
冒頭の言葉からも分かるように、この試合の持つ意味を誰より深く理解しているロティーナ監督自身、「我々としては、美しい、素晴らしい挑戦になる。試合をしたい意欲に溢れている。選手たちは子どもの頃、プロサッカー選手になることを夢見ていたと思うが、まさにこういう試合を戦うため。このような重要な試合を戦える喜びを持って、試合に臨みたい」と、粋な言葉で選手を鼓舞し、今節に挑む構えだ。
今季の行方を占う“シックスポイントゲーム”。逆転優勝を諦めない、C大阪の選手たちの強い気持ちに期待したい。
文・小田尚史
1980年生まれ。2009シーズンより、サッカー専門紙「EL GOLAZO」にてC大阪と徳島ヴォルティスを担当。2014シーズンよりC大阪専属となり、現在はクラブのオフィシャルライターとしても執筆中。
日時 | 対戦カード | 会場 | 放送予定 |
---|---|---|---|
10月3日(土) 14:00 | 北海道コンサドーレ札幌 vs ベガルタ仙台 | 札幌ド | DAZN |
10月3日(土) 15:00 | セレッソ大阪 vs 川崎フロンターレ | ヤンマー | DAZN |
10月3日(土) 16:00 | 横浜FC vs 柏レイソル | ニッパツ | DAZN |
10月3日(土) 17:00 | サンフレッチェ広島 vs サガン鳥栖 | Eスタ | DAZN |
10月3日(土) 19:00 | ガンバ大阪 vs 鹿島アントラーズ | パナスタ | DAZN |
10月3日(土) 19:00 | 大分トリニータ vs 清水エスパルス | 昭和電ド | DAZN |
10月4日(日) 15:00 | 湘南ベルマーレ vs FC東京 | BMWス | DAZN |
10月4日(日) 16:00 | 横浜F・マリノス vs ヴィッセル神戸 | ニッパツ | DAZN |
10月4日(日) 17:00 | 浦和レッズ vs 名古屋グランパス | 埼玉 | DAZN NHK BS1 |
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