11年ぶりのスクデット獲得を目指すミランは9日、敵地スタディオ・マルカントニオ・ベンテゴーディでヴェローナと対戦。1973年および1990年に2度にわたってリーグ制覇を阻まれた宿命の相手に対し、38分に先制点を奪われ、またしても不吉な予感が漂った。
だが前半終了間際に、8日に22歳の誕生日を迎えたMFサンドロ・トナーリがFWラファエウ・レオンのアシストから同点弾をマークすると、後半序盤にドッピエッタ（1試合2得点）をマーク。試合終了間際には、途中出場のDFアレッサンドロ・フロレンツィが追加点を挙げ、ヴェローナのジンクスをはねのけて3-1と勝利を収めた。
この結果、2日前に暫定首位に浮上していたインテルを再び抜き去り、悲願のスクデットまであと4ポイントに迫ったミラン。早ければ来週末にも優勝決定の瞬間が訪れるかもしれない。ピオリは試合終了後、喜びを隠せない。
「選手たちのことが大好きだ。毎日、一緒に練習に取り組んできて彼らの努力は分かっているし、成長の過程も覚えている。また勝利を収めることができて満足しているが、複雑になることが予想される次戦について、いまから集中していきたい」
「ミランの強さはスピリット？ 勇気や信じる力は、自ら積み重ねてきた経験から生まれる。今日は良い立ち上がりであったにも関わらず、先制点を奪われてしまった。それでも自分たちを信じ続け、すべての障壁を1つずつ乗り越えてきた。この調子を続けていくべきだ」
躍動する22歳の若手2人
さらにミラン指揮官は、この日、コンビで2得点を叩き出した22歳のトナーリとレオンについて賛辞を贈った。
「若いが強い選手たちだ。昨夏、チームの合宿に現れた2人は、昨シーズン終了時点とは別人になっていた。また練習や試合の様子を見ていると、選手たちの新たな特徴が分かってくるようになる。MF2人でビルドアップをすれば、サイドバックをより活かすことができる」
「だがMF1人でビルドアップをすれば、もう1人は今夜のサンドロのようにエリア内に侵入することもできる。トナーリには並外れた足もあるし、タイミングも素晴らしい。攻撃参加に適した選手であり、成長を見せている。彼は偉大なインサイドハーフになるだろう」
これまで元ミランMFのアンドレア・ピルロやジェンナーロ・ガットゥーゾと比較されてきたトナーリだが、ピオリは、元ローマのダニエレ・デ・ロッシを彷彿させる選手だと考えている。
「ピルロやガットゥーゾと比較するのは難しい。最初にトナーリと会った時、私はどのポジションがやりやすいかを尋ねた。すると彼は、『みんなが僕をピルロと比較しているが、僕はどちらかと言うと、ガットゥーゾのような気がする』と話した。だが私から誰かの名前を挙げるとすれば、おそらくデ・ロッシではないだろうか」
(C)Getty images
運命のアタランタ戦へ
最後にピオリは、日本時間16日1:00にキックオフを迎えるアタランタ戦へ意気込みを示しつつ、まさにアタランタが現在のミランの成長のきっかけであったことを振り返った。
「前回のアタランタとの対戦は、おそらく試合開始から70～80分間のパフォーマンスは今シーズン最高の出来だった。相手は強く、組織力だけでなく、個の力もある。守備面ではヴェローナとの共通点も見られるが、これから準備を考えていきたい」
「このミランは（2019年12月の）アタランタ戦でのあの0-5での大敗から生まれた。ネガティブな日ではあったが、あの時、チームに何が必要であるかを理解したように思う」
なお次節では、ミランが勝利を収めてインテルが勝利を逃すか、ミランが引き分けてインテルが敗れるかすれば、ミランの優勝が決定する。
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