7年間にわたってトリノに所属し、セリエAでクラブ通算113得点をマークしたベロッティ。28歳のイタリア代表FWは今月末で契約満了を迎え、フリーとして新たな所属先を模索することになる。
ベロッティの退団の可能性は、数カ月前から話題に上っていたとはいえ、移籍市場において目立った動きはなく、トリノのサポーターもクラブの幹部らも、最終的に主将のチーム残留が実現することを期待していた。
功労者の静かなる別れ
トリノはベロッティに対し、この1年間でオファーを少なくとも3回は提示してきた。イタリア代表FWはケガにも悩まされた今シーズン、ピッチにおける努力を欠かすことはなかったが、オファーに対する答えはすべて「ノー」だった。
将来が不透明な中で迎えた今シーズンの最終戦、ベロッティの退団セレモニーは行われず、ファンから拍手が送られることも、挨拶の場もなかった。イタリア代表FWは、キャリアにおいて重要な7年間を過ごした場所へ、静かなる別れを告げることになる。それでも近年、トリノのユニフォームにすべてを捧げた自負はあるはずだ。
トリノでプレーを続けることへのモチベーションは低下し、昨夏から指揮を執るイヴァン・ユリッチからも、退団の意思を覆すほどに納得できる答えを得られなかったのだろう。
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注目が集まるベロッティの今後の去就
今夏、フリーとなるアンドレア・ベロッティの獲得に関心を示しているクラブは複数ある。フィジカルコンディションさえ整っていれば、セリエAにおいて違いを作り出す能力を持ち合わせており、多くのクラブが彼を重宝するはずだ。
ミランへの片思い
憧れのアンドリー・シェフチェンコと同じミランのユニフォームを身にまとうことを夢見てきたベロッティ。イタリア王者も今夏、強力なセンターフォワードの補強を検討しているものの、トリノFWに対する関心はイマイチのようだ。
野心見せる昇格組モンツァ
ベロッティ獲得へ向けて活発な動きを見せているのは、元ミランの名物会長シルヴィオ・ベルルスコーニ氏がオーナーを務めるモンツァだ。セリエCからわずか3シーズンでセリエA初昇格を果たした野心的なクラブであり、記念すべき初めてのセリエAシーズンの“顔”として迎え入れたいはずだ。
ベルルスコーニ氏とその右腕アドリアーノ・ガリアーニ氏は、1年目から競争力のあるチームを目指しており、ベロッティへ説得を試みるだろう。
脱ヴラホヴィッチのフィオレンティーナ
今夏、信頼できるFWの獲得を目指すもう1つのクラブは、フィオレンティーナだ。今年1月、FWドゥシャン・ヴラホヴィッチをユヴェントスへ売却した一方、ヘルタ・ベルリンから期限付きで獲得したFWクシシュトフ・ピョンテクの買い取りを見送る方針となっている。ベロッティは、計算されたヴィオラの攻撃のフィニッシャーを求めるヴィンチェンツォ・イタリアーノにとって最適なプロフィールと言える。
文・マックス・クリスティーナ
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