所属先のローマからボーナスを含めて年俸420万ユーロ(約5.9億円)の契約延長オファーを受けていたムヒタリアン。だがジョゼ・モウリーニョの説得も空しく、アルメニア代表MFは熟考の末、ローマとの契約延長を拒否し、もはや後戻りできない最終決断を下した。
ムヒタリアンの目の前には、ローマをやや上回る450万ユーロ(約6.3億円)の2年契約を提示したインテルの存在がある。アルメニア代表MFは、リーグ戦で頂点を目指し、UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)への出場も可能となる新たな冒険に少なからず刺激を受けたはずだ。すでにアヤックスを退団するGKアンドレ・オナナを獲得することが決定しているインテルにとって、実現すれば今夏2人目のフリーでの補強となる。Getty
それでもアルメニア人MFは、自身に再生と継続性を取り戻す場を与えてくれたローマに対し、感謝の気持ちがあるはずだ。インテルが中盤の補強にムヒタリアンの獲得を検討し始めたのも、まさにローマにおける今シーズンの活躍があったからだろう。
インテルでのムヒタリアンの立ち位置は?
指揮官のシモーネ・インザーギは、ムヒタリアンの加入を大歓迎するに違いない。厳しい財政状況の中のメルカートにおいては、今回のように訪れたチャンスを効率的に活かしていかなければならない。
アルメニア人選手は、停滞した状況を才能で打開し、非凡な攻撃のオプションを提示できる存在。インテルのプレーに予測不可能な要素をもたらしてくれるはずだ。アルトゥーロ・ビダルの退団も迫る中、人数上では、今シーズン限りで契約を満了するマティアス・ベシーノの後釜となる。
インテルの布陣において、ムヒタリアンは不動の存在とはならないだろうが、レギュラー陣の不在を嘆かせることもないはずだ。特徴的に見れば、ハカン・チャルハノールの代役を務めることができるだろう。
アルメニア人MFの可能性はそれだけにとどまらない。インテルの攻撃陣は今夏、変貌を余儀なくされるだろうが、どれほど深くメスを入れることができるかは、今後の数週間を見守るしかない。そんな中、ムヒタリアンなら、すでにこれまでのキャリアで経験しているように数メートル前の位置でもプレーし、インテルに足りなかった“攻撃のジョーカー”としての役割を必要に応じてこなせるはずだ。さらにはインザーギがシステムの変更をした場合にトップ下を務める可能性もあるだろう。1人3役をこなせるムヒタリアンは、この上ない節約補強と言える。
文・ダニエレ・ヴィティエッロ
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