5位ユヴェントスは10日(日本時間)、UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)出場権争いのカギとなる7位ローマとの一戦に敵地で臨むと、4-3と勝利を収めた。マッシミリアーノ・アッレグリのチームは、一時は敗戦ムードとなった重要な決戦を落とすことなく、立て直しに成功した。
資格停止中のアッレグリに代わってベンチに座ったアシスタントコーチのマルコ・ランドゥッチが表現したように、まさに「気迫の勝利」だった。終盤のDFマタイス・デ・リフトの退場やGKヴォイチェフ・シュチェスニーによるPK阻止など、実に白熱した展開を迎えたオリンピコでのローマ戦。この勝利は、“ユヴェントスの転機の一戦”として数週間後に振り返ることになるかもしれない。
オリンピコに舞い上がったビアンコネーロ(白黒)の不死鳥
ユヴェントスは完全復活を果たしたわけではない。もちろん、数シーズン前の飛ぶ鳥を落とす勢いのチームとは、比較にもならない。だからと言って、チームが完全に息途絶えていたわけではなかった。
2点をリードされ、UCL出場権の獲得という目標までもが、アッレグリの手中からこぼれ落ちようとしているかに見えた、その時だった。真っ暗闇のどん底で、反撃ののろしが上がった。
まずはMFマヌエル・ロカテッリが1点を返し、続いて今シーズンはこれまで、主役級とは言い難かったMFデヤン・クルセフスキとDFマッティア・デ・シリオの2人が、消耗して集中力を失ったローマの隙をつく高いレベルのパフォーマンスを披露。こうして追加点を挙げて試合を引き戻した。
ユヴェントスはローマの本拠地で1-3と追う展開だった上、試合途中でフェデリコ・キエーザを負傷により失っていた。そんな中、チームは崩壊しないどころか、自ら立て直し、歓喜の試合終了を迎えた。この大逆転劇は、これから後半戦を戦っていくアッレグリの土台となるかもしれない。シーズン終了後のドキュメンタリーにおいても、“運命を分けた瞬間”として扱うべき恰好の試合になるはずだ。
強い気持ちで困難を乗り越えたユヴェントス
オリンピコにおける勝利の象徴となったマッティア・デ・シリオは、セリエA初ゴールから実に1505日ぶりとなる得点を挙げた。アッレグリに深い忠誠心を示し、決して荒ぶった振る舞いをすることのないサイドバックは、『DAZN(ダゾーン)』のインタビューで誇らしげに語り、試合を振り返った。
「困難の時はいつもそうだが、僕らは気持ちを前面に押し出してプレーした。試合開始直後も良いプレーをしていたとは言えないので、その時から強い気持ちでプレーするべきだった。上位のチームに追いつくための僕らの武器にしなくてはならない」
アッレグリの2度目の挑戦
第2次アッレグリ体制下のチームのミッションは、数年前までとはまったく異なる。そのことは、トスカーナ人指揮官もスタッフたちも、十分に理解しているはずだ。かつての目標は、最強のトップチームのマネージメントを行い、セリエAを制覇することだった。だが現在、移行期にあるユヴェントスは、若手主体のチームの成長を促していかなければならない。
アッレグリに対する批判は尽きないが、アシスタントコーチのランドゥッチは自信を見せる。
「この挑戦を受け入れた時、困難に直面するだろうことは分かっていた。アッレグリは、このチームのメンタリティを変えようとしており、これまでも良い取り組みができている。我々は最終的に、この挑戦に勝利を収めることができるはずだ。安心して見守っていて欲しい」
文・マックス・クリスティーナ
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