首位インテルと3位ミランによるスクデット争いの直接対決、ミラノダービーがやって来た。シモーネ・インザーギのインテルは、堅固な土台と流動性を特徴とする一方、対するステファノ・ピオリのミランは、爆発力を武器とする。今後の優勝争いを左右するかもしれない大一番において、はたして誰が決定力を示すのだろうか。『DAZN(ダゾーン)イタリア』で解説者を務める元ラツィオのパローロ氏が、両チームの戦術を分析した。
パローロ氏が注目の攻撃陣
チェゼーナ時代の長友佑都の元同僚はまず、攻撃陣について解説。前節のヴェネツィア対インテルの試合終了間際に決勝点を記録したFWエディン・ジェコに注目した。
「強靭なフィジカルを持つジェコは、エリア内に入れば、前節のようにヘッド弾で試合を決めることができる。サイドからのクロスに対し、ファーサイド寄りに陣取る。相手ディフェンダーは、背後のジェコの動きを感じとりながら、後ずさりしなければならない」
「そうなると、ジャンプする際に上手く力が入らない上、ジェコはフィジカルが強い。こうしてインテルFWは空中戦を制し、頭で叩き込む。ミランはフィジカルに優れた(フィカヨ)トモリが復帰できなければ、苦しむかもしれない」
パローロ氏は、ペナルティエリア外におけるボスニア代表FWの役割も重要であると指摘する。
「ジェコはペナルティエリア外において、ビルドアップに参加してチームメートをサポートすることができる。中央左寄りのエリアで(ハカン)チャルハノールと短いパス交換を好むこともあれば、ボールを受け取ると、左サイドへと開き、相手をかわして縦へと侵入することもある」
「そこから中央へ切り込むこともあるが、ベルガモでは、左サイドからクロスを上げ、重要なチャンスを作り出した。彼には相手を抑え込むフィジカルの強さとスピードがある」
そのジェコの相棒には、FWラウタロ・マルティネスが有力だ。元チェゼーナMFはアルゼンチン代表FWの特徴をこう解説する。
「ラウタロは破壊力抜群の選手で、裏を狙った縦への攻撃を得意とする。中でもラツィオ戦でのプレーが印象的だ。味方からパスが出る際、決してラツィオのディフェンスラインを崩さず、相手センターバックとサイドバックの間に隠れるように陣取る。そして絶好のタイミングでゴール前へと飛び出し、冷静にゴールを決める。また、ラウタロはCB2人の間のスペースを狙うのも上手い」
続いてミランの攻撃陣に目を向けると、パローロ氏は、ピオリの戦術においてカギとなるFWオリヴィエ・ジルーのプレーに注目した。
「前節のユヴェントス戦ではベンチスタートだったが、途中出場でチームに貢献した。守備において中盤のサポ―トに回り、裏を狙ったユーヴェの攻撃の芽を摘んだ。また、強いフィジカルを武器に、ボックス内でも存在感を放つ。ヴェローナ戦では、(ラファエウ)レオンが左サイドを駆け上がると、ジルーはゴール前で相手の脅威となれる位置を取る。そしてクロスが上がると、頭で合わせてネットを揺らした」
中盤を制した者が試合を制す
最後にパローロ氏は、昨年11月のダービー(1-1)において試合の流れを左右したように、両チームの中盤の勝負が見どころになると指摘した。
「前回の対戦では、どちらかが中盤を制すると、決定的なチャンスが生まれた。中盤こそが試合を決めることになるだろう。(フランク)ケシエや(サンドロ)トナーリ、(イスマエル)ベナセルのフィジカルとインテンシティを武器とするミラン。対するインテルは、(ニコロ)バレッラやチャルハノール、(マルセロ)ブロゾヴィッチが作り出すクオリティやリズムで勝負する。この中盤の対決に注目して試合を楽しもう」
放送・配信予定
- インテル対ミラン
- 配信:DAZN
- キックオフ:2022年2月6日(日)日本時間2:00
- 解説:細江克弥 実況:北川義隆
- 会場:スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(サンシーロ)
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