今シーズンはセリエBで苦戦し、残留争いに巻き込まれているヴィチェンツァ。そのメンバーの中に、ユヴェントスが格別に熱視線を送り続けている選手がいる。
その選手こそ、2001年生まれの逸材、MFフィリッポ・ラノッキアだ。クリスティアン・ブロッキ率いるチームが困難に直面する中でも実力を示し、セリエAの複数のクラブが関心を寄せている。だが、彼の所有権は、すでにユヴェントスのものなのだ。
フィリッポ・ラノッキアとは何者か?
キャリアの序盤
2001年5月14日、ペルージャに生まれたフィリッポ・ラノッキアは、まさにウンブリア州都のクラブの下部組織でキャリアをスタートし、まずはFWとして活躍を始めた。
その後、時の流れとともに、ポジションを中盤まで下げたラノッキアは、ビッグクラブからの熱視線を浴びるようになる。
いち早く動き出したのがユヴェントスだった。ラノッキアは2019年1月、ビアンコネーロ(ユーヴェの愛称)と契約。しかし若き才能が必要とする、成長のための時間と出場機会を得るため、レンタルの形でそのままペルージャに残った。
ネスタ指揮下でのデビューとユーヴェ移籍
彼の成長をそばで見守っていたのは、当時ペルージャの指揮官を務めていたアレッサンドロ・ネスタだった。そして待望のプロデビュー戦は2019年3月30日に訪れた。ラノッキアはわずか17歳でリヴォルノ戦のピッチに立ち、途中出場を果たした。
当初、ペルージャへのローンは2年間となるはずだったが、まもなく半年間に短縮された。ユヴェントスが若き逸材の成長を手元で見守れるよう、急いでトリノへと呼び寄せたためだ。2019年夏、晴れてユーヴェの一員となったラノッキアは、プリマヴェーラ(U-19)を経て、U-23でプレーするようになる。
プリマヴェーラでは、U-19限定のUEFAユースリーグに参戦し、ヨーロッパの舞台を初めて経験したラノッキア。2020年1月25日には、U-23においてもプロ・パトリア戦に出場し、デビューを飾った。2020年夏にプリマヴェーラを卒業したラノッキアは、2020-21シーズンにU-23の主力となり、31試合に出場、4ゴール3アシストを記録した。
昨シーズン、U-23ユヴェントスはセリエCプレーオフへと進出。ペルージャ生まれのMFはプロ・パトリアとの初戦で得点を挙げ、3-1での勝利に貢献したが、チームは2回戦でプロ・ヴェルチェッリに敗れた。
ラノッキアはその間、U-20イタリア代表においてもデビューを飾ったほか、アンドレア・ピルロ率いるユーヴェのトップチームにも招集され、2021年1月13日のコッパ・イタリアのジェノア戦、同17日のセリエAインテル戦、同20日のナポリとのスーペルコッパでベンチに座った。
アッレグリ指揮下のプレシーズンとヴィチェンツァ移籍
フィリッポは2021年夏、ようやくトップチームでのデビューを迎えることになる。チームには、トスカーナ人指揮官アッレグリが復帰し、プレシーズンにおいて若手選手たちに出場機会を与えた。ラノッキアは、その中で最も実力を示した1人だった。
運命の日は2021年7月31日に訪れた。ユヴェントスが2-1と勝利を収めた第25回トロフェオ・ベルルスコーニのモンツァ戦において、ラノッキアはエリア付近から美しい左足のシュートを放ち、先制点を記録した。
トップチームでのトレーニングや親善試合をこなし、充実したプレシーズンを終えたラノッキアに、セリエBへと戻る時がやって来た。だが今回は、出場機会に恵まれなかったペルージャ時代とは異なる。ヴィチェンツァは、レンタルで加わった彼を主力として受け入れ、ほとんどの試合で起用している。さらにラノッキアは、U-21イタリア代表でも招集を受け、2021年10月8日のボスニア戦でデビューを飾った。
将来性豊かなインサイドハーフ
アッレグリもまた、プレシーズンにおいて、この2つのポジションで起用しており、将来的にビアンコネーロへ復帰し、典型的な現代型インサイドハーフを務めることになる可能性もあるだろう。
戦術眼を持ち、カウンター攻撃を得意とするラノッキアは、体の使い方がうまく、ビルドアップにおいて相手のプレスを受けた際に持ちこたえることもできる。
セリエBでの経験は、ビルドアップの技術に磨きをかけ、プレーのリズムを早めていく上で、間違いなく役に立つはずだ。
プロフィール
誕生日 | 2001年5月14日 |
出生地 | ペルージャ |
ポジション | MF |
身長 | 186 cm |
体重 | 77 kg |
経歴
2013-2019 | ペルージャ |
2019-2021 | U-23ユヴェントス |
2021-2022 | ヴィチェンツァ |
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