昨シーズン、前人未踏のセリエA10連覇を逃したユヴェントス。再起を図ろうと臨んだ今シーズン、過去にユーヴェで5年連続リーグ優勝を果たしたマッシミリアーノ・アッレグリを呼び寄せた。だが、開幕直後の数週間のパフォーマンスは、輝かしい成績とは程遠いものだった。
開幕直後の悪夢のような成績は、現在セリエAで5位につけるアッレグリのチームに少なからず影響を与えてきた。
忘れ去りたいどん底の8月
ユヴェントスは今シーズンの序盤戦において、間違いなく、移籍期間終盤のクリスティアーノ・ロナウドの退団によるあおりを受けた。ポルトガル代表FWのマンチェスター・ユナイテッド移籍は、老貴婦人ユヴェントスにとって、大きな痛手となった。
過去に5回もバロンドールを受賞したC・ロナウドの退団により、彼がそれまで保証してくれた年間30ゴールを計算に入れることはできなくなった。主将のジョルジョ・キエッリーニが認める通り、「クリスティアーノは、このチームの問題を隠してくれる存在」だった。
アンドレア・ピルロからマッシミリアーノ・アッレグリへと、またしても指揮官が交代したことも、序盤の不振につながった。その結果、ユーヴェは開幕直後の4試合において、わずかに2ポイントしか獲得できなかった。
- ウディネーゼ対ユヴェントス: 2-2 (1)
- ユヴェントス対エンポリ: 0-1 (0)
- ナポリ対ユヴェントス: 2-1 (0)
- ユヴェントス対ミラン: 1-1 (1)
第5節以降はセリエAトップレベルの好調を維持
だが第5節以降、風向きは変わった。アッレグリはまず、守備陣の改革に着手。集中して守備に取組み、安定した基盤を作ることで、チームの再出発へつなげた。
UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)では、プレミアリーグの強豪チェルシーとグループHで同居。だが前回王者の存在に発奮したおかげか、グループステージにおいて首位突破という結果もついてきた。
一方、セリエAの順位表へ目を向けると、第5節以降、驚くべき成績を残している。首位は相変わらず、消化試合が「1」少ないインテル(40)だが、ユヴェントス(39)は、ミラン(38)を1ポイントリードして2位へ躍り出た。4位は1試合少ないアタランタ(35)となっている。
順位 | チーム | 試合数 | 勝 | 分 | 敗 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | インテル | 17 | 12 | 4 | 1 | 40 |
2 | ユヴェントス | 18 | 12 | 3 | 3 | 39 |
3 | ミラン | 18 | 12 | 2 | 4 | 38 |
4 | アタランタ | 17 | 10 | 5 | 2 | 35 |
5 | ナポリ | 18 | 10 | 4 | 4 | 34 |
6 | ラツィオ | 18 | 8 | 4 | 6 | 28 |
7 | ヴェローナ | 18 | 7 | 6 | 5 | 27 |
8 | フィオレンティーナ | 17 | 8 | 2 | 7 | 26 |
9 | ローマ | 18 | 8 | 2 | 8 | 26 |
10 | エンポリ | 18 | 7 | 5 | 6 | 26 |
11 | トリノ | 17 | 7 | 4 | 6 | 25 |
12 | サッスオーロ | 18 | 6 | 6 | 6 | 24 |
13 | ボローニャ | 17 | 6 | 2 | 9 | 20 |
14 | スペツィア | 18 | 5 | 3 | 10 | 18 |
15 | ヴェネツィア | 17 | 3 | 6 | 8 | 15 |
16 | サンプドリア | 18 | 4 | 3 | 11 | 15 |
17 | カリアリ | 18 | 3 | 5 | 10 | 14 |
18 | ウディネーゼ | 16 | 2 | 7 | 7 | 13 |
19 | サレルニターナ | 16 | 3 | 2 | 11 | 11 |
20 | ジェノア | 18 | 0 | 9 | 9 | 9 |
この成績が物語るように、ユヴェントスは現在、セリエA上位クラブに値するほどの安定した成績を収めることができるようになったと言える。
激闘の末に逃したタイトル
プレーの流動性はまだ足りないが、ユヴェントスは直近のリーグ戦11試合で、8勝2分(ナポリ戦、ヴェネツィア戦)1敗(アタランタ戦)と、印象的な成績を残している。
不運にも、フェデリコ・キエーザを今シーズン絶望の重傷により失ったユヴェントス。アッレグリはその穴を埋めるために、新たな戦術を編み出さなければならない。そんな中、先週に行われたスーペルコッパでは、昨年のセリエA覇者インテルと激突。120分間の激闘の末、試合終了間際の失点により敗れた。もしタイトルを獲得していれば、今シーズンのこれまでの歩みの意義を変えることができたかもしれないだけに、残念な結果となった。
カルチョに「もしも」は存在しない
だが、こうした結果も今後のプレーに活かしていくべきであることを、指揮官は十分に知っているはずだ。開幕直後の4試合を消し去ることはできない。だからこそ、ユヴェントスはまず今後、UCL出場圏内への浮上を目指していかなければならない。
これから2月末までに、UCLのビジャレアル戦に加えて、ミランやヴェローナ、アタランタ、そしてトリノダービーへと臨む。さらに2月27日には、今シーズン、痛い初黒星を喫した相手である、エンポリとの再戦を迎える。その頃には、今シーズンのユヴェントスの目標について、より具体的な考察ができるようになるはずだ。
文・ルカ・フェオレ
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