前節で判定ミスの影響もあり格下のスペツィアに痛い敗戦を喫した2位ミランと、リーグ戦8試合無敗と調子を上げる5位ユヴェントスによるビッグマッチ。『DAZN(ダゾーン)イタリア』で解説者を務める元ラツィオのパローロ氏が、これまでのデータを基に分析を行った。
ミランのカギはトナーリと左サイドのホットライン
チェゼーナ時代の長友佑都の元同僚は、両チームにとって、いかにプレーのリズムをつかめるかがカギになると指摘する。パローロ氏はまず、ミランの守備におけるキーマンとして、MFサンドロ・トナーリを挙げた。
「リズムはどこでつかむのかというと、それは中盤だ。ミランは中盤においてボールを奪取したり、攻撃のギアを上げたり、インテンシティを高めたりしてゲームをコントロールし、相手チームの脅威となる。そこで重要になってくるのがトナーリだ」
「彼は非常に上手い選手で、守備においてもカバーに回って相手の進路を遮断し、強いフィジカルを活かしてボールを奪いとる。こうして対戦相手は自信を失ってしまう。一方、中盤のインテンシティが足りない場合は何が起きるだろうか。スペツィア戦でも起きたことだが、ミランは出だしでプレスに失敗すると、相手チームにスペースが生まれる。ユヴェントスはそこを突くべきだろう」
続いてパローロ氏は、ミランの攻撃において重要な役割を担う左サイドのDFテオ・エルナンデスとFWラファエウ・レオンによるホットライン“テアオ”を分析した。
「レオンは非常に強い選手で、彼の加速は凄まじいものがある。最高速度は平均時速30.7キロにも及び、破壊的だ。そのレオンが縦のスペースを狙う際に、ボールを供給しているのがテオだ。こうしてミランは左サイドでクオリティの高い選手を中心に、攻撃のリズムをつかみ取っている。テオは現代的なサイドバックで、強力な武器を持っている。中央へ侵入することで相手のディフェンスラインをバラバラにし、数的有利を作り出すことができる。トリノでのユヴェントス戦においても(ヴォイチェフ)シュチェスニーの奇跡的なセーブで阻まれはしたが、絶好のチャンスを演出した」
コンパクトな守備が持ち味のユーヴェ
一方のユヴェントスは、守備においてゆっくりとしたリズムでプレーし、相手のスペースを消すことでボールを奪取し、ディバラらを軸とした攻撃へつなげるプレースタイルだ。
「ユーヴェは守備を固め、ボールを持った相手選手の周辺に全員が集まり、スペースを消してボールを奪取する。トリノでのミランとの対戦においても、ブラヒム・ディアスがドリブルでラインの間に侵入すると、ユーヴェの選手たちは下がりながら慎重に距離を縮めていき、ブラヒム周辺のスペースを完全に消した。ユーヴェはこのように、ミランのクオリティの高い選手に対してスペースを与えないようにするべきだろう。これがユーヴェの守備の強みと言える」
「コンパクトなユヴェントスの守備は、どんなメリットをもたらすのだろうか。中盤の選手がボールを奪取し、攻撃につなげることができる。例えば(ロドリゴ)ベンタンクールがボールを奪取して(パウロ)ディバラに預け、ディバラがチームの攻撃のギアを入れる」
「ボールを奪取した時のもう1つオプションは(ウェストン)マッケニーだ。スピードを活かして縦へと侵入することができる。またマッケニーはチーム内において、ディバラにより多くのスペースを作り出している選手でもある。マッケニーが相手選手を引き付けてスペースを空け、その恩恵をディバラが受けるという構造だ」
「ディバラの攻撃参加はチームにとって非常に重要と言える。スペースを見つけ出すのがうまく、ウディネーゼ戦におけるゴールがその良い例だ。ラインの間を前後することでマークを外し、反転してゴールへと持ち込むことができる」
「ユーヴェは守備においてゆっくりとしたリズムを保たなければならないが、(アルバロ)モラタや(フェデリコ)ベルナルデスキ、ディバラ、さらに(デヤン)クルセフスキといったクオリティのある前線の選手たちが決定機を作り出すことができる。ユーヴェはミラン戦において、自らのプレーのリズムを上手くコントロールすることが重要になる」
放送・配信予定
- ミラン対ユヴェントス
- 配信:DAZN
- キックオフ:2022年1月24日(月)日本時間4:45
- 解説:細江克弥 実況:北川義隆
- 会場:サンシーロ
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