ナポリは今シーズン、ルチアーノ・スパレッティ指揮下でスタートを切ると、序盤は11試合で31ポイントを獲得するなど、好成績を収めて首位でリーグ戦をけん引。優勝候補の一角としてミラノ勢とともにスクデット争いを繰り広げてきた。だが直近の3試合でポイントを取りこぼし、1990年を最後に遠ざかる悲願のスクデットは遠のいたかに見える。デ・ラウレンティス会長は、F1のフェラーリ例えに持論を展開した。
「開幕直後に10勝1分と素晴らしい成績を残したことで、そこから期待し過ぎたのかもしれない。まさにフェラーリも同じく好スタートを切ったが、イーモラ(エミリア・ロマーニャGP)で成績を落とした。残念ながらこうしたことは起こり得る。ナポリは新型コロナウイルスやアフリカネーションズカップなどによる様々な制約があり、結果を残し続けることが難しくなっていった」
「まるで私がスクデットを獲得したくないかのように言われているが、私はスクデットを獲得したい。だが私の白髪が語るところによれば、多くの競争相手がいるスクデットを手にすることは難しい。ただ、今年に限れば、確かに優勝の可能性があったかもしれない。それでも開幕当初の最優先事項は4位以内に入り、チャンピオンズリーグ出場権を獲得することだった」
「くだらない話だ。もちろん心理面の要素も重要ではあるが、チームには極めて高いレベルの選手が25~30人もいる。そこへ突如、ツェツェバエのようなものがやって来て、全員のメンタル面に問題を引き起こすなど、ばかげた話に聞こえる」
またデ・ラウレンティス会長は、スパレッティ招へいの舞台裏を明かしつつ、来シーズンを見据えてトスカーナ人指揮官の続投を示唆した。
「監督の選定は私自身が行っている。スパレッティは、私が2021年1月にひそかにミラノへ会いに行って決めた。彼とは2年契約を結んでおり、3年目の延長オプション行使の権利も私にある。スパレッティは延長オプションにサインしたがらなかったが、ナポリでは2年+オプション1年と、こういう決まりなんだ」
「もし家族から離れてナポリにいたくないとか、経営陣と意見が合わないとか、そういったことがあれば、私のところへ来て話し合いをすれば良い。何も問題はない」
アンチェロッティの唯一の失敗
さらにナポリ会長は、2018年夏から翌年の12月までチームを率いた現レアル・マドリードの指揮官カルロ・アンチェロッティにも言及。ナポリで解任に至った背景を明かした。
「アンチェロッティはフオリクラッセ(規格外)だが、彼の唯一の失敗は“ナポリっ子に嫌われたこと”だろう。ナポリっ子は扱いが難しい。監督が選手たちの手を取り、クルヴァの下へ行ってお辞儀をすれば、サポーターたちは『わあ、この監督は最高だ』と言って喜ぶ」
「だが性格的に向いておらず、そうした習慣が身についていないこともあるだろう。選手時代にあらゆるタイトルを手にし、ずる賢さがない監督であれば、このクラブに向いていないかもしれない。サポーターからは『我々の一員ではない』と思われるようになる。ナポリに限らず、サポーターのことはリスペクトしなければならない」
消滅したイブラヒモヴィッチのナポリ加入
話題は続いてミランへと移る。ナポリ会長はパオロ・マルディーニTD(テクニカルディレクター)に賛辞を贈ったほか、2020年以降、若手主体のミランをけん引してきた40歳のズラタン・イブラヒモヴィッチに言及。スウェーデン人スーパースターとの2019年12月の契約破談を振り返った。
「マルディーニは素晴らしい人物だ。能力が高いだけでなく、礼儀正しい。カルチョ界において、稀な存在であると言える。それからイブラヒモヴィッチとは、合意に至り、契約サインまでしていたんだ。だがその2週間後、アンチェロッティを解任。後任に(ジェンナーロ)ガットゥーゾが就いた」
「私の想像だが、ガットゥーゾはおそらく、イブラヒモヴィッチのような重要な選手がいることで、自身の仕事に影響が出ることを懸念したのだろう。『お願いします。会長は私を選んだのなら、私を信じて下さい。ナポリにイブラヒモヴィッチは必要ありません』と懇願されたんだ」
「そこで(代理人の)ミーノ・ライオラに連絡を取り、『ミーノ、何と言ったら良いのか分からない。あの合意のことだが…』と切り出すと、『まったく問題はない。彼はミランへ連れていくので問題ない』と言われたよ」 Getty
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