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AFC U23アジアカップ

【コラム】批判の対象から急成長。チェイス・アンリは「一生忘れられないゲーム」も糧にして前へ進む | AFC U23アジアカップ ウズベキスタン2022

川端暁彦
【コラム】批判の対象から急成長。チェイス・アンリは「一生忘れられないゲーム」も糧にして前へ進む | AFC U23アジアカップ ウズベキスタン2022DAZN
【U-21日本代表・コラム】6月1日に開幕したAFC U-23アジアカップ。日本は16日、準決勝でホスト国のウズベキスタンと対戦し、0-2の敗戦を喫した。最終ラインでフル出場を果たしたチェイス・アンリは、悔いの残るパフォーマンスに唇を噛みながら、この経験を胸に前へと進んでいく。
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「自分のせいで失点した。自分にとって一生忘れられないゲームになりました。もっと強くならないといけない」

ウズベキスタンに0-2と敗れた試合後、18歳のセンターバックはそう漏らし、敗戦の理由を自分自身のプレーに求めた。

この日の敗戦をチェイス・アンリ“だけ”のせいにするのは理不尽というものだが、失点場面について彼の責任がなかったとは言えない。攻守が切り替わる中でインセータプトを狙いながらかわされて運ばれてしまった1点目も、「足がきつくなってほぼ体が動かなくなっていた」状態で緩慢な対応になってしまった2点目も、DFとして悔いの残るものだった。

ただ、大会を通して観ている側が驚くほどの成長と進歩を見せてきた選手であることも間違いない。

UAEとの初戦、チェイス・アンリのプレーは批判の対象になった。3月に尚志高校を卒業し、ドイツの名門シュトゥットガルトへ籍を移してトレーニングは積んできたものの、実戦からは長く遠ざかることとなり、明らかな試合勘不足に。慣れないピッチにも手こずってボールを持ったプレーでも、持っていないプレーでもミスが目立ち、GKからのコーチングを勘違いしたことから失点にも絡んでしまった。

「でも、前向きにチャレンジするしかないっすよね」

そう言って笑ったのが初戦翌々日のことで、そこからは逆に開き直ったようなプレーで見違えるような輝きを見せてきた。「難しいことをしようとするんじゃなくて、自分らしくやる」と割り切った守備面でも存在感を増した。サウジアラビア、韓国といったアジアの列強を相手に一歩も引かぬプレーぶりで、海外の記者陣からも注目を集めた。

最年少選手が見せた価値は決して低くない

2022_6_16_u-21japan_anri2(C)2022 Asian Football Confederation (AFC)

そしてもう一つ違いを出していったのが、いつも「難しいっす」と語ってきたビルドアップだ。

ボランチに前を向かせるような短い距離の縦パス、さらに前のスペースへ落とすパス、ウイングを狙うロングフィードなど、スタンドの記者席から「おっ」という声が漏れるようなパスが随所に観られるようになってきた。「高校では得意だけど、プロ相手にはなかなかやれていない」と語っていた、相手FWのプレスをドリブルではがすプレーも韓国戦で見事に見せた。

シュトゥットガルトのミスリンタートSDはチェイス・アンリを獲得に至った理由として、その身体的な能力や性格面を挙げつつ、もう一つ「パス能力の非凡さ」にも触れている。つまり最終ラインからボールを出せる選手として評価しているということ。その能力は、単純なボールスキルとは異なるリスクを伴うパスを前に付ける能力、言い換えれば、“観る能力”でもある。その一端を、大会の中でも披露。敗れたウズベキスタンとの準決勝でも観られたもので、「(荒れた芝で)難しいですけど、チャレンジしたい」と語っていた姿勢の賜物だった。

1月の全国高校サッカー選手権を終えてから、年代別日本代表等での活動はあったものの、強度の高いトレーニング機会や、実戦の機会は限定されていた。そうしたツケが疲労という形でこの試合に出てしまっていたのは否めず、ウズベキスタン戦でのパフォーマンスは及第点に届かないだろう。ただ、大会を通じてこの最年少選手が見せた価値は、決して低いモノではない。

「最後の最後、目標は優勝だったんですけど、次の試合に向けて切り替えて、最後は勝たないといけないと思います」

最後に残った3位決定戦に向けてチェイスはそう語る。大岩剛監督が「驚かされる選手」と語るチーム最大の成長株は「一生忘れられないゲーム」も糧にして、さらに大きく伸びていく。

文・川端暁彦

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開し、現在に至る。

AFC U-23アジアカップ 試合日程(全試合DAZNが独占配信)

No.1日時試合
16月15日(水)22:00オーストラリア vs サウジアラビア
26月16日(木)1:00ウズベキスタン vs 日本

3位決定戦

2022年6月18日(土)

決勝

2022年6月19日(日)

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未来につながる今を視点に、「いつか日本がワールドカップで優勝するための5つの事」をテーマに、出演者が厳しい意見も交えながら激論を繰り広げます。また、番組内では、チームを率いる大岩剛監督、松木玖生選手(FC東京)などのインタビューもたっぷりとお届けします。
MC:野村明弘
出演:水沼貴史、福西崇史、飯尾篤史(スポーツライター)

『やべっちスタジアム』
毎週日曜日23時~配信中
5月29日(日)の配信では、今大会を大特集します。番組ではU23アジアカップで日本が初めて優勝を果たした2016年カタール大会の決勝の模様もプレイバック。注目選手もたっぷりと紹介します。大会期間中の配信でも、日本戦を中心にたっぷりと試合の情報をお届けします。
MC:矢部浩之、アシスタント:黒木ひかり、解説:中田浩二(5月29日)

『内田篤人のFOOTBALL TIME』
毎週木曜日配信中
今大会を特集した企画を配信予定。

『Jリーグプレビューショー』
毎週木曜日21時~配信中
明治安田生命J1リーグのスコア予想はもちろん、5月は今大会の企画も配信中。DAZN独占選手インタビューから、クイズ形式などで大会を紹介します。
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